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病気編 胃の病気 胃・十二指腸潰瘍
 胃や十二指腸の潰瘍(かいよう)は漢方では比較的得意な分野で、手術が必要とされた難治性潰瘍も治癒(ちゆ)した例が少なくありません。
 漢方では、胃潰瘍と十二指腸潰瘍は同じ傾向の病気とし、適用する薬も同じです。
 最もよく用いられるのは、小建中湯(しょうけんちゅうとう)半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)安中散(あんちゅうさん)などです。

痛みを止めて、根治させる
 なかでも小建中湯は、潰瘍に伴う胃の痛みをすぐに止めるのに効果があり、それと同時に潰瘍を治癒することができます。
 安中散も痛みを止めるのに有効です。
 特に甘いものを好んで食べ、ストレスを受けやすい人の潰瘍に効果的です。


症例●難治性潰瘍が2か月で完治
 医師から胃潰瘍の手術をすすめられたが、なんとか切らずに治したいと思った41歳のNさん。
 極度にやせ、体力がなくて顔色も青白いといった症状から小建中湯を服用してみたところ、2か月間ほどの服用で、潰瘍は全治しました。

自分で選ぶ 体力別 胃・十二指腸潰瘍の特効漢方
潰瘍で大出血を起こしたときは三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が有効。前者は便秘傾向がある人に、後者はない人に向く。出血が長びいて貧血症状を起こし、疲れやすいときは、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)四君子湯(しくんしとう)を用いるとよい。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
便秘しやすい







下痢しやすい







食欲不振




不眠傾向








汗をかきやすい









顔色が悪い(貧血ぎみ)





赤ら顔








体がだるい・疲れやすい




のぼせやすい







肩がこる・首や背中がはる






口の中が粘ついて苦い









吐きけまたは吐く








胃からすっぱい水がこみあげる










どうきがする








みぞおちのあたりが痛い







みぞおちがつかえている感じ





腹が痛い




おなかがはって苦しい










おなかがゴロゴロ鳴る









手足が冷える






月経異常










イライラする







処方薬参照先 10 11 12


1 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)★▲◆●
2 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)★▲◆
  へその左斜め下あたりに圧痛や抵抗があり、のぼせて便秘がちの人に向く。
3 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)★▲
  おなかがはって苦しく、気持ちよく排便できない人に合う。
4 四逆散(しぎゃくさん)★▲
  胃に強い痛みがあるときに有効。
5 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)★▲◆
  のぼせる傾向があり、みぞおちがつかえたり痛みを感じる、上半身に汗をかきやすいといった人に効く。
6 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)★▲◆●
7 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)★▲◆
  おなかがゴロゴロ鳴り、食後に胃が痛んだり、ときに吐きけや嘔吐(おうと)がある、下痢しやすいなどの症状に効く。
8 安中散(あんちゅうさん)★▲◆●
  胃がもたれ、胸やけがするなどの症状に合う。
9 六君子湯(りっくんしとう)★▲
  食欲はあるのに、食卓に向かうと食べられない人によく効く。
10 小建中湯(しょうけんちゅうとう)★▲
  血色が悪く、すぐ疲れ、胃痛を強く訴える人の潰瘍(かいよう)に用いるとよい。
11 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)★▲◆
12 四君子湯(しくんしとう)★▲◆

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●大衆漢方薬 漢方の名のついた胃腸薬やかぜ薬は、不特定多数向けで、本来の漢方薬ではない。現代医薬が混合されていることも多い。