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病気編 胃の病気  急性胃炎/慢性胃炎
●急性胃炎  ●慢性胃炎

胃によい食品
粥(かゆ)、半熟卵、やわらかく煮た野菜や白身魚、豆腐、もち、うどんなどを、よくかんで食べる

●急性胃炎
 胃の粘膜が荒れたりただれたりして、一時的に起こる炎症を急性胃炎といいます。胃の病気のなかでも最も多くみられるもののひとつです。同時に十二指腸にも炎症が起きていることがあります。
 急性胃炎は、原因によって急性外因性胃炎と急性内因性胃炎に分けられます。
急性外因性胃炎 食べ物などをはじめとして、原因となるものが口から胃の中に入ってくることによって起こります。●いちばん多いのが、食べすぎ、飲みすぎによって起こる食事性胃炎、赤痢菌やボツリヌス菌などの汚染で起こる細菌性胃炎、●かぜ薬、解熱剤、鎮痛薬など、内服薬の副作用で起こる薬剤性胃炎、●化学物質が原因で起こる中毒性胃炎があります。
 近年、サバやイカに寄生しているアニサキス幼虫が、胃内に入って症状が起こるアニサキス症も、注目されています。
急性内因性胃炎 全身の病気やほかの臓器の病気に関連して起こります。●肺炎、インフルエンザなど、全身性の感染症に合併して起こる急性感染性胃炎、●牛乳、卵、青身の魚を食べて起こるアレルギ−性胃炎、●血液を通って病原菌が胃壁に入って起こる化膿性胃炎(かのうせいいえん)などです。
症状 まず最初に起こるのが、げっぷ、胸やけ、むかつき、みぞおちあたりの不快感です。おなかのはった感じや食欲不振などもみられます。さらに、みぞおちの圧迫感や痛み、吐きけや嘔吐(おうと)があらわれることもあります。
 アルコールの飲みすぎが原因の急性胃炎では、頭がボーッとしたり、ズキズキ痛んだりする、いわゆる二日酔いの症状を伴うことがよくあります。
 胃だけでなく腸の具合も悪くなると胃腸炎を起こし、下痢症状があらわれます。病気が重くなり、粘膜に浅い潰瘍(かいよう)や出血性のびらんができると、吐血や下血がみられることもあります。
 原因によっては、高い熱が出たり、ショック状態になったりすることもあります。
検査と診断 原因がよくわからないときには、X線検査や内視鏡検査を行います。
治療 生活上の注意と、薬、食事療法が大切です。
 規則正しい生活を送るように努め、十分な休息と睡眠をとるようにします。
 症状が激しいときは、おなかを温めて横になり、安静を保ちます。軽い症状なら、体を冷やさないように気をつけていれば、寝込まなくてもよいでしょう。
 仕事も無理のない範囲なら続けられます。
 次のようなものを服用します。●傷んだ胃粘膜に働きかける粘膜保護剤や粘膜修復促進剤、●刺激されやすくなっている胃粘膜をさらに荒らすおそれのある胃酸を抑える制酸剤。
食事療法 基本は次の3つです。
●消化のよいものを食べる、●少量ずつ、ゆっくりよくかんで食ベる、●食事時間を規則正しくする。
 下痢が続くときは、果汁、スープ、白湯(さゆ)などで水分を補給し、脱水症を防ぎます。
 完全に回復するまでは、アルコールは厳禁です。次のような食べ物も胃に悪いので、治るまで食べないようにします。●塩辛いものや味の濃い料埋、●酸味や甘みの強い飲食物、●香辛料の強いもの、●揚げ物などの油っこいもの、●イカ、タコ、貝類、●熱すぎるもの、●冷たすぎるもの、●かたいもの、●コーヒー、紅茶、炭酸飲料。
 軽い症状なら、これらの注意を守っていれば、2〜3日で治るのがふつうです。
 症状が激しい場合は、最初は絶食し、回復のぐあいをよくみながら、次のような順で普通食に近づけていきます。
[1]絶食時は番茶か白湯だけ。
[2]重湯、果汁、牛乳などの流動食を少量ずつ。
[3]三分粥(さんぶがゆ)や半熟卵。
[4]五分粥。
[5]全粥。
[6]消化のよいものを、腹五分目程度、ゆっくり食べる。
 胃が食べ物を受けつけないほどひどい症状のときには、入院して絶食し、点滴注射などを受けながら治療することもあります。吐血や下血を伴い、医師の診断を受けるときには、吐いたものや便のようすをくわしく報告すれば、診断の参考になります。
 アニサキス症の場合は、鎮痛薬の注射でも痛みが治らず、内視鏡で胃内を観察し、虫体を摘出する必要があります。

●慢性胃炎
 日本人に多い病気のひとつです。胃液を分泌する消化腺(しょうかせん)の機能が低下した状態で、成人のほとんどにみられ、慢性胃炎を起こしていない胃を探すことのほうがむずかしいくらいです。
 ただし、これまでは慢性胃炎という病気が、過大に強調されすぎていたきらいがあります。
 胃液の分泌低下は、すでに20歳代から起こっている人もあり、長い年月にわたってゆっくり進行します。このために起こる症状はほとんどありません。
 したがって、もし慢性胃炎と診断されても、まったく気にすることはありません。
原因 胃の粘膜は食べ物を消化するために胃液が分泌され、常にいろいろな刺激が加わっているので、容易に傷ついてびらんができやすくなります。このびらんは軽いものなら2〜3日で治りますが、やや深いものになると、完全に元どおりに修復するのは無理で、治りすぎてでこぼこができたり{過形成(かけいせい)}、腸のような粘膜{腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)}に変わったりします。
 このような変化を長年にわたってくり返していると、胃腸の機能が落ちてきます。
 慢性胃炎は幽門前庭部から起こって、胃体部のほうに広がってゆく型と、悪性貧血の際にみられるような、胃体部に強い変化が起こる型とがあります。
生活上の注意 慢性胃炎それ自体は、特に治療の必要はありませんが、胃のためには、暴飲暴食を避け、規則正しい生活が必要です。