現代医学 食事 漢方薬

病気編 血液の病気 出血性貧血/鉄欠乏性貧血/巨赤芽球性貧血/溶血性貧血/再生不良性貧血/二次性貧血
 悪性腫瘍(あくせいしゅよう)や消化器官での出血などをはじめとして、貧血の原因はいろいろです。まず精密検査を受けて、重大な原因や手術の必要がないとわかったら、そのうえで漢方を用いてください。

鉄欠乏と出血性の貧血に効く
 漢方では、貧血のうち最も多い鉄欠乏によるものはもちろん、子宮出血や消化器官での出血による貧血も治療することができます。ただ、再生不良性貧血や白血病による貧血は、治療はかなりむずかしいと考えてください。
 薬を用いるときには、どんな原因であっても、自分の体力と自覚症状に合わせて選びます。


症例●服用後2時間で顔に赤みが
 外国出張で肉ばかり食べて胃の具合がおかしくなり、立つのもやっとの状態で帰国したHさん。
 血色が悪く、まぶたの裏までまっ白という極度の貧血状態でしたが、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を服用すると、2時間後には顔に赤みがさしてきました。
 1か月ほどで回復し、精密検査を受けると、胃潰瘍(いかいよう)が大きなあとを残して治癒(ちゆ)していたそうです。

自分で選ぶ 体力別 貧血の特効漢方
一般的に、貧血の程度が強い人は、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)四君子湯(しくんしとう)加味帰脾湯(かみきひとう)、それほど強い貧血でないときには、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)小建中湯(しょうけんちゅうとう)などを選ぶとよい。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ふつう ない
自覚症状↓
下痢しやすい







食欲不振




不眠傾向








顔色が悪い

皮膚が荒れている








疲れやすい・体がだるい

ひどく寒がる









のぼせやすい








出血しやすい









めまい・立ちくらみ







口がかわく






うすい泡のようなつばがたまる









胃腸が弱い







どうきがする





みぞおちがつかえている感じ









腹が痛い






手足が冷える




手足がほてる








月経異常







イライラする・落ち着かない







根気がない








処方薬参照先 10 11


1 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)★▲◆
  軽症の貧血で、立ちくらみしやすい人に向く。肌が荒れがちな女性で、月経障害があれば、これに四物湯(しもつとう)を合わせると効果的。
2 炙甘草湯(しゃかんぞうとう)★▲
  体力が衰え、どうきがするときに。
3 人参湯(にんじんとう)★▲◆
  血色がすぐれず、食欲不振の人に。
4 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)★▲◆
5 加味帰脾湯(かみきひとう)★▲
  体がだるく不眠傾向があり、気分も沈みがちな人に。
6 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)★▲◆
  血色が悪く、女性の場合には月経障害があり、手足が冷える人に用いる。
7 四君子湯(しくんしとう)★◆
  胃弱で、昼食後などにひどく眠くなる人によい。
8 きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)★▲
  子宮出血や痔(じ)による出血での貧血に効くことが多い。
9 小建中湯(しょうけんちゅうとう)★▲
  血色が悪くて疲れやすく、腹痛や鼻血が出やすい症状に。
10 四物湯(しもつとう)★▲◆
  婦人科的な病気で貧血のある人に。
11 四逆加人参湯(しぎゃくかにんじんとう)
  けがや手術などで急激に多量の出血をしたときに。

自分の体力がわからないときはここをクリック。
処方薬の ★=保険適用薬  ▲=顆粒剤(かりゅうざい)  ◆=錠剤をあらわす。 無印は煎じ薬(せんじやく)のみを示す。