現代医学 漢方薬 ツボ 運動

病気編 循環系の病気 脳卒中

ポイント
●発病後、できるだけ早めに訓練を開始する。
●家族は、医師、看護婦、理学療法士を信頼し、意欲的に協力する。
●毎日、根気よく続け、寝たきりにさせない。
●なるべく自力で訓練させるようにする。


寝たきりにさせないための脳卒中のリハビリテーション

●発作後すぐに始めることが大切
 リハビリテーションは、機能回復訓練を通じて、障害をとり除き、同時に全体的な意味での社会復帰をめざすものです。
 どんなに訓練しても障害が消えないことも多いのですが、残された機能を最大限に生かせば、失ったものも、かなりカバーすることができます。
 早めに訓練を開始し、毎日積み重ねてゆくことが、脳卒中を克服するのには非常に大切なことなのです。

●本人の意欲と周囲の協力がカギ
 生命にかかわる場合以外は、発作後すぐに、治療と並行してリハビリテーションを実施します。
 訓練は、床ずれなどを防ぐための体位変換から始め、手足の運動、座る、立つ、歩行、と進めていきます。
 入院して治療する場合は、医師や看護婦のほか、理学療法士などの専門的なスタッフが指導してくれます。患者やその家族は、スタッフを信頼し、意欲をもって協力しましょう。

●手を出しすぎないように
 退院後や、家庭で療養する場合は、家族が中心になって、患者のようすをみながら訓練を続けます。介助が必要な場合も多いのですが、あまり手を出しすぎると自立を妨げることになります。
 また、まひが残っても、病人扱いは禁物です。できる範囲で家事を分担してもらえば、生活に目標ができ、自信をもつこともでき、明るい気持ちになります。

足の変形を防ぐ寝かせ方
寝かせ方の工夫で、まひや変形が防げる。毛布やタオルをたたんだり丸めたりして支えるとよい。

少し横向きにしたいとき
まひ側を上に、腕は伸ばすか軽く曲げ、まくらなどにのせる。足の間にもまくらかクッションを入れる。

手のまひの防ぎ方
タオルを巻いて、握らせると手のまひが防げる。手首のところを安全ピンでとめる。


親指を下に入れて、手首のところを安全ピンでとめる
タオルをややかたく巻いてテープなどで固定し、これを握らせてもよい

腕を動かす
ひじの関節がかたくならないように、発作後2〜3日したら運動を始める。症状が落ち着いていれば、意識がもどっていなくても行ってよい。曲げ伸ばしの動作はゆっくりと。



片手で患者のひじの上を、もう一方の手で手首のあたりを下からつかむ


腕を体のわきから上へ、ゆっくり持ち上げる


腕を伸ばせないときには、ひじを曲げたまま頭の上まで上げる




ひじを曲げ、頭の上のほうまで、痛がらない程度に徐々にもっていく


ひじと手を支えたまま、ゆっくりと腕を上げた状態にもどしていく


腕を上げた状態にもどしたら、もう一度初めの位置までもどす。同じ動作をくり返し行う

ひざ・またの関節を動かす
腕の運動と同じように、発作後2〜3日から始める。
ひざの曲げ伸ばしなど、足の運動をするときは、足首を伸ばしたままで行う。足首を曲げたり伸ばしたりする運動も同時に行う必要がある。
動作はゆっくりと、毎日20〜30分くらいずつ始めるとよい。

寝返りをうつ
他人の力を借りずに自分自身で体を動かす練習は、まず寝返りをうつことから。まひしていない手を活用する。
1 まひ側のひざの下に、もう片方の足を曲げて入れる。健康な手でまひ側の手首をつかむ
2 向きたい方向に頭を回し、腕を引っぱってまひ側の肩を引き寄せる
3 肩が回ったら、次に腰をゆっくりと回す

起き上がって座る→立つ
寝返りがうてるくらいになったら、自力で起き上がり、ベッドの上で座る練習をする。
ベッドの上やふちで、バランスをとって座っていられるようになったら、立ち上がる訓練を始める。ベッドの端につかまったり、ベッドわきにいすを置いてその背につかまっても練習ができる。家族の手助けは最小限に。
1 寝返りのできた状態から、ひじをついて上半身を起こす
2 起き上がりたい方向に顔を向け、手のひら全体をしっかり床につけて押す
3 腕を伸ばしながら、頭や腹筋も使って起き、座る


介助する場合は、肩や首にしっかりつかまってもらい、引き起こす

ベッドのふちに座り、背につかまりながら立つ

杖を使って歩く
立ち上がれるようになったら、なるべく早く歩く練習を始める。最初は伝い歩きから始め、徐々に杖(つえ)をついての歩行へと進めていく。
症状の程度によって個人差はあるが、積極的な訓練を続ければ、数か月後には歩けるようになる。



動きやすいゆったりとした服装と、足に合った運動靴で。まず、杖を前方に出す


まひ側の足を1歩踏み出し、体重をしっかりかける


まひのない側の足を出し、杖を出すところから動作をくり返す

●運動療法を受けたいときの連絡先  日本理学療法士協会 〒135 東京都江東区東陽2−5−18−602 Tel03−3699−1242。

●体を動かさないと逆もどり  リハビリでせっかくとりもどした運動機能も、継続して行わなければ急速に低下してしまう。