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| 病気編 循環系の病気 脳卒中 |
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脳卒中で倒れたときの症状と寝かせ方 ●まひした側を上にして、●安定した姿勢をとらせ、●頭は横に向ける。●あごは上がっている状態にして、気道を確保すること。●体を締めつけるベルト、ネクタイなどはゆるめる |
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脳卒中で倒れた人を運ぶとき ●最低3人以上で運ぶこと。●頭を揺らさないよう、1人は頭をかかえる |
症状
一般に、脳卒中の発作は突然あらわれますが、警告サインといえるような前ぶれがみられることもあります。この段階で医師の診断を受けて治療すれば、大きな発作はほとんど未然に防げます。
前ぶれ発作 専門的には、一過性脳虚血発作といいます。この発作のあと、1週間〜1か月、遅い場合で1年のうちに、脳卒中の発作が起こるケースがたいへん多いものです。下記の症状は数十秒、数時間、長くても24時間以内におさまります。
●めまいがする、●冷や汗が出る、●片方の目が急に見えなくなる、●突然手がしびれ、動かなくなる、●ろれつが回らなくなり、うまくしゃべれない、●一時的に、自分が誰か、どこにいるのかといった記憶がなくなる。
また、くも膜下出血の前ぶれとして、軽い頭痛を感じたり、物が二重に見えたりします。これは動脈瘤が小さな破裂を起こしたためで、数日のうちには大きな破裂があることの警告サインです。
脳卒中の発作が起こるのは、脳出血は昼間、仕事などをしているとき、脳梗塞の場合は、就寝中や朝起きてから数時間以内が多くなっています。くも膜下出血は、興奮したときやトイレでいきんだときの発作が多いようです。発作が起こると、次のような状態になります。
突然の頭痛 激しい頭痛におそわれます。特にくも膜下出血の場合はひどく、今までに経験したことのないハンマーで殴られたような痛みだといわれます。めまいや嘔吐(おうと)もよくみられる症状です。
意識障害 意識が混濁(こんだく)して、ぼんやりしたり、話すことが支離滅裂になったり、極度に興奮して暴れたりします。
平衡感覚(へいこうかんかく)がなくなる ふらついたり、まっすぐ立てなくなります。
手足のまひ 思うように手足が動かせない、さわっているものの感覚がつかめないといった運動障害で、体の片側にあらわれます。右手右足、あるいは左手左足、というあらわれ方です。
言語障害 舌がもつれたようになって、うまく話せません。言葉がまったく出ない、失語症状態になることもあります。他人の話が理解できないといった症状も出ます。
進行
脳出血の場合 発作後、約6時間のうちに出るべき症状があらわれ、その後、脳の組織に水がたまってむくみ{脳浮腫(のうふしゅ)}が始まると、症状が悪化し、その後よくなっていきます。
脳血栓の場合 発作は比較的ゆっくりと始まり、徐々に症状が重なっていきます。全部の症状が出るまで、1日くらいかかることもあります。脳浮腫が発生すると、悪化します。
脳塞栓の場合 この場合は一度に症状が出てしまいます。脳浮腫が起こると悪化します。
応急処置
治療は早いほどよく、発作から6時間以内が目安になります。2〜3日もたつと、手遅れになります。救急車や専門医を待つ間、安静にして次の注意を守ります。
あわてない 倒れたことに驚いてゆさぶったりしないこと。出血などの症状がますますひどくなってしまいます。
横向きに寝かせる 突然、発作を起こして昏睡状態(こんすいじょうたい)になったときは、嘔吐を伴うことがあります。上向きに寝かせておくと、吐いたものがつまって呼吸を妨げることがあるので、頭を横向きにして、首は伸びた状態にして気道を確保します。
まくらを低くする まくらはしないか、低いものにします。背中に座ぶとんをあて、腕や足をずらして、ぐらつかない安定した姿勢を保つようにします。
まひした側を上にする 倒れた人の手か足をちょっと持ち上げ、離してみると、まひした側の手足はパタンと倒れてしまいます。まひしていないほうは、ゆっくりと倒れるか、倒れずにそのままになっています。
まひした側がわかったら、そちらを上にして寝かせます。ベルトやネクタイなど、体を締めつけるものはゆるめます。このような体位をコーマポジション(昏睡体位)といいます(←左図)。
運ぶときは数人で 浴室やトイレ、道路などで倒れた場合は、まず安全な場所に運んでから、救急車を待ちます。運ぶときは次の点に気をつけます。
●頭はぐらつかせないように、しっかりかかえて安定させる、●体は上向きの場合でも顔は横を向かせて気道を確保する、●手足がだらりとしないようにかかえる、●1人は体全体を支え、あと2人はそれぞれ、頭部と足側をかかえるので、合計3人は必要。板か担架があれば、2人でも運べる。
検査と診断
専門医は、まず倒れた人の状態と症状の程度を調べて、脳卒中かどうかを判断します。脳卒中の疑いがあれば、CTやMRIでくわしい検査が進められます。
CT検査 X線を使って断層撮影をする装置のことで、脳を輪切りにした状態の写真が撮れます。この方法で、脳出血か脳梗塞かがわかり、出血や梗塞の起きている場所や大きさも、画像で見ることができます。
治療
脳の状態がわかったら、病状に合わせて、抗浮腫(むくみをとる)療法、血栓溶解療法、抗血小板療法などの、薬を使う内科的治療が行われます。
抗浮腫療法 脳にむくみが出て脳幹部を圧迫すると、生命に危険があるため、抗浮腫剤という薬を使います。
血栓溶解療法 血管内にできた血栓を、血栓溶解剤で溶かします。血が固まるのを防ぐ効果のある、抗凝固剤が併せて用いられることもあります。
抗血小板療法 抗血小板薬を投与し、新たな血栓ができないようにします。
血圧を下げる 脳卒中を起こす人は血圧が高いことが多く、高血圧は脳浮腫を起こしやすい条件でもあるので、血圧を下げる治療も行われます。
脳卒中の種類・状態によって、手術を行う場合もあります。
脳出血の手術 薬での治療をしたうえで、病状や出血の場所によって手術ができるかどうか判断します。大脳の表面付近や小脳での出血なら手術が可能であることが多く、脳幹部での出血の場合はむずかしいというのが一般的です。
脳出血の手術は、回復を早めるためよりも、救命のために行われることが多くなっています。
脳梗塞の手術 薬による内科的治療でも効果がなく、病気が進行してしまう場合は、手術をします。手術は、厚くなった血管の内膜やつまっている血栓をとり除いて血液を流れやすくする方法と、つまった血管に血栓溶解剤を注入する方法の、2種類があります。
くも膜下出血の手術 くも膜下出血は、手術で治療します。破裂した動脈瘤の根元をごく小さなクリップではさんで、それ以上ふくらまないようにします。さびたり溶けたりしないクリップを使うので、手術後も一生つけたままにしておけます。同じ場所での再発はありません。
リハビリテーション 脳卒中では、治療を進めると同時に、早い時期からリハビリテーションを始める必要があります。
脳の一部分が機能しない状態になってしまっても、残った脳の機能を最大限に活用して、失った機能をカバーすることはできます。
そのための訓練がリハビリテーションで、早い時期に開始すれば、それだけ機能回復が早まります。たいへん根気のいる治療ですが、発病前の生活に少しでも近づくために、ぜひ行いたいものです。半年、1年といった長期間に及びますが、医師や理学療法士のアドバイスを受けながら、社会復帰をめざして、休まずあせらずに続けることが大切です。家族や周囲の人の励ましも力になるでしょう。
予防
動脈硬化症、高血圧症、心臓病、糖尿病の治療や予防が、そのまま脳卒中の予防につながります。
これらの病気は、互いに関連性があるので、まず共通のポイントを押さえ、それぞれの病気の治療も同時に進めましょう。
食生活 脂肪、塩分のとりすぎに注意し、栄養のバランスのよい食事を心がけて、太りすぎないようにします。サバ、アジ、サンマ、イワシなどの魚に含まれる3ω(オメガ)系の不飽和脂肪酸は、血栓をできにくくする効果があるので積極的に食べたいものです。
禁煙と節酒 タバコは心臓に悪く、脳の出血にも直接悪影響を与えるので厳禁です。アルコールは適量を守ります。
運動 適度な運動はストレス解消にもなり、肥満防止の効果も期待できます。
ストレス解消 運動、趣味など、自分に合った方法で、心と体の休養を十分にとりましょう。
血圧の管理 血圧が高いのにほうっていた人が脳卒中の発作を起こすケースは多く、ほとんどが症状も重く回復が順調でない傾向があります。血圧の高い人は、日常の注意に加えて、医師の指導で降圧薬を服用することが、積極的な予防といえるでしょう。
小さな異変を見逃さない 前に述べた前ぶれ発作があったら、早めに診断を受けることも、予防のひとつです。いつもと違う痛みや、ほんの一瞬のめまいなど、おかしいと感じる症状があったら、すぐにおさまったからといって安心せず、医師に相談してみます。
再発防止
脳卒中は再発すると、ほとんどの場合、以前より症状が重くなります。いわゆる前ぶれ発作でも、何度もたび重なると、痴呆(ちほう)につながるケースもあります。症状の程度にかかわらず、ひととおりの治療を終えたあとも、自己管理が大切です。
くも膜下出血の再発防止には、手術が最も有効です。症状がおさまったからといって、治療せずにほうっておくと、1か月以内に50%、1年以内に90%の人が再発します。しかも、再発のときには死亡する危険性も大きくなります。特にこの病気の場合は、最初の発作のときに手術を受けておくべきです。定期検診を受け、前述した予防の注意事項を守って生活しましょう。
持病を悪化させないことに加えて、再発防止のために薬を服用することもあります。たとえば脳梗塞の再発防止には、血液を固まりにくくする薬が効果をもたらします。薬の服用に関しては、医師との相談が必要です。
| 脳卒中の種類 |
| 脳出血 脳の血管が破れて出血する |
脳内出血 | 血管が破れて、脳の中に出血する |
| くも膜下出血 | 脳を直接覆っている軟膜と、くも膜の間に出血する | |
| 脳梗塞 脳の血管がつまる |
脳血栓 | 脳の血管に血液のかたまりができて、つまる |
| 脳塞栓 | 脳以外の場所にできた、血液のかたまりなどが、血流によって運ばれ、脳血管がつまる |
| 脳出血は高血圧の人に起こりやすいが、脳梗塞は必ずしもそうとは限らない。動脈硬化症、心臓病、糖尿病の人にも起こりやすい |
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●炎天下のゴルフに注意 大汗をかいて脱水状態が長く続くと、血液の濃度が高くなり、血管がつまりやすくなる。まめに水分補給を。 ●喫煙者は脳卒中を起こしやすい タバコを吸わない人にくらべ、ヘビースモーカーは、脳梗塞(のうこうそく)や脳出血になる率が4倍も高い。 |