現代医学 漢方薬 ツボ

症状編 皮膚がかゆい

原因に合った処方をする
 皮膚がかゆくなる原因には、じんま疹(じんましん)やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性のもの、湿疹(しっしん)、老人性皮膚そう痒症(ろうじんせいひふそうようしょう)などがあります。
 かゆみの起こる原因を考えてみて、それに合った処方をします。湿疹アトピー性皮膚炎の人は、それぞれの項を参考にしてください。

原因不明のかゆみも治る
 これといった原因が思いあたらず、また皮膚にも特別な変化のないかゆみもあります。この場合には、かゆみの生じる皮膚の状態や全身の状態によって、処方薬を選んでいきます。現代医学ではなかなか根治できないかゆみも、漢方では2〜4か月で治ります。


症例●老人性そう痒症が根治
 Bさんは、皮膚科で老人性そう痒症と診断されて軟膏治療(なんこうちりょう)をしていましたが、なかなか治癒(ちゆ)せず、かゆみのため夜も眠れないほどでした。かゆみのほか特に目立った症状はなかったので、当帰飲子(とうきいんし)のエキス剤を服用したところ、3日目にはかゆみがうすらぎ、1か月で根治しました。

自分で選ぶ 体力別 かゆみの特効漢方
皮膚に何の異常もないのに、かゆみだけを訴える場合、体力がなければ、当帰飲子(とうきいんし)が著しい効果をあらわす。老人で皮膚がカサカサに乾き、白い粉をふいたようになっているかゆみにはぜひ試してみるとよい。体力がふつうであれば桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう)がよい。体力がある人でほてってかゆいときには白虎加朮人参湯(びゃっこかじゅつにんじんとう)が効く。

下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状 ×=この症状があったら絶対に服用してはならない場合を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
便秘しやすい








尿量が少ない





頭が痛い・頭が重い







不眠傾向







汗をかきやすい





皮膚が渋紙色で浅黒い







皮膚が荒れている






のぼせやすい






口・のどがかわく






かゆみが激しい

特に夜間にかゆみが激しい






冬になると悪化する








夏になると悪化しやすい








かさかさして白い粉が落ちる








分泌物がある



×
発疹(ほっしん)がある



×
患部が赤みを帯びている





患部が化膿(かのう)しやすい






滲出液(しんしゅつえき)がある







処方薬参照先 10


1 消風散(しょうふうさん)★▲
  アトピー性皮膚炎など、発疹部分が赤くなり、分泌液が多く、臭気のある皮膚炎のかゆみに効く。
2 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)★▲
  陰部のかゆみの激しいものによい。
3 茵ちん蒿湯(いんちんこうとう)★▲●
  黄疸(おうだん)によるかゆみによい。腹がはる症状のある人に。
4 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)★▲◆
  体力が十分にあり、患部が化膿する傾向のある人のアレルギー性皮膚炎や湿疹(しっしん)による強いかゆみによく効く。ただし、体力のない人に用いると悪化することもあるので注意。
5 温清飲(うんせいいん)★▲◆
  皮膚がかさつき、皮膚の色が浅黒かったり、渋紙色になっている人のかゆみに向く。アレルギー性皮膚炎によく用いられる。
6 桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう)
7 升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)★
  はしかや発疹を伴う熱性疾患の初期に有効。
8 越婢加朮附湯(えっぴかじゅつぶとう)
  がんこな慢性湿疹によい。
9 当帰飲子(とうきいんし)★▲
10 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
  滲出性体質(しんしゅつせいたいしつ)の湿疹によい。

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処方薬の ★=保険適用薬  ▲=顆粒剤(かりゅうざい)  ◆=錠剤  ●=カプセルをあらわす。 無印は煎じ薬(せんじやく)のみを示す。