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症状編 下痢
 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)や過敏性腸症候群などによる慢性的な下痢には、漢方治療が非常に効果的です。
 体力があるかどうかで用いる薬がはっきりと違いますので、→「体力(虚実)の見分け方」を参照して自分のタイプをよく見極めてください。
 体力の有無は、便の形態でも判断することができます。

体力がある人の下痢には
 体力がある人の便は、激しい下痢で、においや色があります。また腹痛があったり肛門(こうもん)に熱を感じたりします。こういうタイプの下痢には、葛根黄連黄ごん湯(かっこんおうれんおうごんとう)黄ごん湯(おうごんとう)などがよく合います。

体力がない人の下痢には
 体力がない人の下痢は、腹痛などを伴うことはほとんどなく、色もにおいもない水のような便が頻繁(ひんぱん)に出る特徴があります。こういう人は腸が冷えて腸の活動がほとんど停止している状態なので、附子(ぶし)や人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)など、体を温める効果のある生薬の入った四逆湯(しぎゃくとう)などがよく用いられます。
 体力が中程度の人は、のどがかわくときは五苓散(ごれいさん)、胃がもたれるときは平胃散(へいいさん)を選びます。

自分で選ぶ 体力別 下痢の特効漢方
体力が非常に弱っている人や細菌感染による食中毒の場合には、素人判断をせずに、まず医師の診察を受ける。特に、嘔吐(おうと)を伴う強い下痢のときは危険で、一刻も早く適切な治療を行う必要がある。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
激しい下痢






無臭で水様性の激しい下痢










食欲不振


不眠傾向









頭が痛い








熱がある






寒けがする







汗をかきやすい







首のうしろがこる










顔色が悪い(貧血ぎみ)










口・のどがかわく









吐きけまたは吐く




胸やけがする・げっぷが出る









胃がもたれる









腹が痛い






腹がゴロゴロ鳴る






みぞおちがつかえている感じ





みぞおちのあたりが痛い








手足が冷える







じんま疹(しん)が出やすい










処方薬参照先 10 11 12


1 葛根黄連黄ごん湯(かっこんおうれんおうごんとう)
  急性腸炎など急性の下痢で、ときに発熱や寒けを伴い、首のうしろがこって息苦しい症状のある人に効く。
2 黄ごん湯(おうごんとう)▲
  食中毒に用いられることが多い。
3 橘皮大黄朴硝湯(きっぴだいおうぼくしょうとう)★
  食中毒に用いられることが多い。
4 五苓散(ごれいさん)★▲◆
  のどがかわいてよく水を飲み、汗が出て、尿の出の悪い人に。
5 平胃散(へいいさん)★▲
  胃がもたれ、食後腹が鳴る人の下痢に。
6 甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)
  激しい下痢で、腹が鳴り、不眠やイライラのある人に。
7 生姜瀉心湯(しょうきょうしゃしんとう)
  腹がゴロゴロ鳴り、胸やけがして、やや激しい下痢に。
8 真武湯(しんぶとう)★▲
  冷え症で疲れやすく、めまいをよく感じる人に効く。
9 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)★▲◆
  腹がゴロゴロし、ときに嘔吐(おうと)があり、比較的軽い下痢に。
10 桂枝人参湯(けいしにんじんとう)★▲
  頭痛や発熱、寒けを伴う下痢に向く。
11 四逆湯(しぎゃくとう)▲
  下痢が激しく、手足が極度に冷える人に効く。
12 清暑益気湯(せいしょえっきとう)★▲
  夏ばてによる下痢に効く。

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