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病気編 骨・関節・筋肉の病気 五十肩/腕神経叢まひ
●五十肩  ●腕神経叢まひ

五十肩の自己診断法
[1]腕を自然にたらした基本姿勢から、[2]ひじを前方に90度曲げ、[3]ひじを脇腹から離さずに両側に開く。このとき痛かったり、左右の開き方が違っていたら五十肩を疑う

●五十肩
 五十肩は、医学的には肩関節周囲炎といいます。肩関節の周囲に炎症が起こる病気で、老化現象のひとつです。
 その名のとおり50歳代に多くみられますが、40歳代から起こる人もいれば、60歳代で発病することもあります。
 男女ともに起こり、きき腕との関係は特にありません。両肩に同時に出ることは少なく、片方ずつあらわれるのがふつうです。
原因 肩関節は、肩甲骨と上腕骨で構成され、その周囲を、さまざまな筋肉や腱(けん)が複雑にとり巻いています。このために、ほかの関節よりも広い範囲で自由に動かすことができます。
 これらの周囲組織が長年、摩擦をくり返してきたために、炎症が起こったり、すり切れたり、石灰がたまったりして、五十肩の症状をもたらします。
症状 肩を動かすと痛み、同時に動きも悪くなって、腕を上げたり、背中のほうに回すといった動作ができなくなります。
 痛みのあらわれ方には2つのタイプがあります。
多いのは、徐々に痛みが出てくるもので、動かそうとすると痛みます。
 また、腕を前方や側方に上げる動きや、回す動きができなくなります。日常の動作のなかでは、シャツのそでに腕を通すことができない、背中のファスナーやボタンなどに手が届かない、手をうしろに回してシャツをたくし込んだり、エプロンのひもや帯を結んだりができない、髪をとかしたり結ったりできないなどです。
 もう1つは、あまり多くはみられませんが、ある日突然、痛みが出るタイプです。肩の関節がこわばって痛みも激しく、夜も眠れないことがあります。
 肩が痛む期間は、人によって異なります。数週間で自然に治るケースから、治るまでに1〜1年半もかかるケースまであります。
間違えやすい病気 肩の痛みが、すべて五十肩の症状ということはありません。ほかの病気が原因になっていることもあるので、注意しましょう。肩の痛みは、次のようなときにもあらわれます。
●狭心症、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの虚血性心疾患のとき、●肺尖部がん(はいせんぶがん)の初期で、この場合は腕の上部から肩にかけて痛む、●脳卒中発作で寝たきりになったとき、●けがや打撲、●胃の病気や胆石症のときで背中に近いところが痛む、●コンピューターやワープロのキーボードをたたきすぎたことによる頸肩腕症候群(くびかたうでしょうこうぐん)のとき。
 これらの病気がなければ、五十肩による痛みと考えられます。また、左図のような自己診断法をしてみるとよいでしょう。
治療 特に治療をしなくても、自然に治ることがありますが、自分で工夫して、無理のない肩の運動をすると効果的です。しかし、急に起こったときや、痛みがひどくて日常生活に支障がある場合、数週間、数か月といった長い間痛みが消えないときは、整形外科医の治療を受けましょう。
 安静、薬物療法、温熱療法、運動療法などで治療します。
安静 特に、痛みが急にあらわれたときは、痛むほうの肩を固定して、安静を保ちます。しばらくして痛みが軽くなってきたら、少しずつ肩を動かして、徐々に回復をはかります。
 ステロイド剤を関節内注射して炎症を抑え、充血やむくみをとる方法のほか、鎮痛薬の注射や服用を数日から数週間続けて痛みをやわらげる方法があります。痛みが激しいときには、神経に局所麻酔剤を注入する、神経ブロック根という治療法を行うこともあります。
温熱療法 病院で受ける療法としては、ホットパックを肩にあてる方法、超音波を使う方法などがあります。自宅で肩を温めたいときは、蒸しタオルをビニールで包み、さらに乾いたタオルで包んで肩にあてます。マッサージでも効果があります。
運動 以上の療法は、どれも痛みを抑えるための対症療法です。徐々におきた五十肩を根本的に治療するには、運動療法がいちばん効果的です。また、運動療法を行う前に、温熱療法で肩を温めると、筋肉の緊張がほぐれて、いっそう効果が上がります。(→「運動でなおす」

●腕神経叢まひ
 首と鎖骨の間にある、腕に通じている神経の束が腕神経(わんしんけい)です。
 何らかの原因でこれが強く引っぱられると、まひが起こります。
分娩まひ(ぶんべんまひ) 生まれたときに首がねじれたり、引き伸ばされたりしたことが原因で、首の部分の神経が傷つけられます。
 自然に回復することもありますが、症状が重い場合は、副木(固定用装具)で動かないように支えます。1日に何回かマッサージを行います。
外傷性のまひ 交通事故などで、強く転倒した場合です。脊髄(せきずい)から神経の根元が引き抜かれてしまうと、重いまひとなります。
 神経根が引き抜かれてしまった場合には、薬などではまひを回復させることができないので、肩関節固定術、肋間神経移植(ろっかんしんけいいしょく)など、機能を補う手術が行われます。


●五十肩は予後の運動が大切 五十肩は再発することもある。できるだけ肩を動かす体操を毎日続けることが再発予防になる。