現代医学 漢方薬

病気編 皮膚の病気 にきび/おでき/ひょう疽
 にきびの治療は、漢方では最も得意な分野のひとつです。顔のほてりやのぼせ、便秘、月経不順、月経困難症など、にきびに伴ってあらわれる全身症状が、同時に治っていく効果もあります。
 また、おでき、面疔(めんちょう)の治療もにきびの治療に準じます。

にきびのタイプ別に薬を選ぶ
 にきびのタイプは、大きく分けて2種類あります。先がとがって赤くなり、先端にうみをもつものと、平べったくて多少紫がかった赤色をしており、うみは少ないものです。前者は体力のある人の場合が多く、後者は反対に体力のない人にできやすいという傾向があります。
 自分のにきびのタイプはどちらであるかを基準にして漢方薬を選びます。


症例●にきびの悩みが半年で解消
 大学生のD子さんは、顔だけでなく肩や背中、乳房にまでにきびが広がって悩んでいました。とがって赤いにきびだったので、それに適した清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)を服用すると、だんだんとよくなり、約半年できれいに治りました。

自分で選ぶ 体力別 にきび/おできの特効漢方
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を用いる場合、よく苡仁(よくいにん:ハトムギ)を加えると、より効果が上がる。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状 ×=この症状があったら絶対に服用してはならない場合を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
便秘しやすい






頭が痛い







頭が重い







手のひらや足の裏に汗をかく








顔色が悪い(貧血ぎみ)








顔が赤黒く、脂ぎっている







皮膚が浅黒い








皮膚が渋紙色で荒れている







疲れやすい





のぼせやすい




出血しやすい







肩がこる




口の中が粘ついて苦い







どうきがする





みぞおちがつかえている感じ





手足が冷える






月経異常




イライラする







化膿(かのう)しやすい






赤みを帯び、先のとがったにきび






×
処方薬参照先 10


1 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)★▲
  体力に自信のある人は、まずこれを用いてみるとよい。
2 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)★▲◆
  化膿しやすいにきびに向く。
3 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)★▲◆
  へその左斜め下2cmほどを押すと、抵抗や痛みを感じる人で、のぼせやすく、ときに下腹の痛む人に用いる。
4 大柴胡湯(だいさいことう)★▲◆
  体力があり、上腹部がはって苦しく、便秘しやすい人に。
5 小柴胡湯(しょうさいことう)★▲◆
  口中に不快感があり、食欲不振で疲れやすい人に向く。
6 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)★▲◆
  のぼせて顔は赤く、月経障害を伴う症状に効果的。
7 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)★▲
  おできができやすく、しかも化膿しやすい人で、手足の裏に汗をかきやすいタイプに効く。
8 温清飲(うんせいいん)★▲◆
  湿疹(しっしん)、皮膚炎などを起こしやすい人に向く。
9 加味逍遙散(かみしょうようさん)★▲◆
  精神的に不安定で、午後になるとのぼせる人によい。
10 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)★▲◆
  血色が悪く、足腰が冷え、めまいを感じる症状に向く。

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●にきびは薬より食生活 にきび治療が得意な漢方も、不摂生にはかなわない。脂肪・糖分過多で逆もどりした例もあるので注意。