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病気編 鼻の病気 蓄膿症
鼻腔と副鼻腔
副鼻腔は鼻腔の外側の骨に囲まれた部分で、上顎洞、前頭洞、蝶形洞{ちょうけいどう:咽頭扁桃(いんとうへんとう)}の上にある、篩骨洞の4対計8つからなっている

原因
 鼻腔(びくう)のまわりの左右に4対ある空洞(くうどう)、副鼻腔に炎症が起きて、うみがたまるのがこの病気で、慢性副鼻腔炎とも呼ばれます。
 これらの空洞には、それぞれ小さな穴があり、そこを通じて粘液が鼻腔に排泄(はいせつ)されるしくみになっています。
 かぜなどの炎症のために分泌物がふえ、粘膜が腫(は)れると、排泄が間に合わず、副鼻腔の中にたまります。このような状態を急性副鼻腔炎といいます。
 急性副鼻腔炎をくり返しているうちに、慢性副鼻腔炎になることがあります。もともと副鼻腔の穴が小さく、鼻汁がたまりやすいために起こることもあります。
 蓄膿症(ちくのうしょう)は戦後の日本の国全体が貧しいころは多かったのですが、最近では衣食住が充実して国民的なレベルで衛生思想が高められた結果、数も減り、程度も軽くなりました。

症状
 鼻がつまり、鼻汁がたくさん出ます。粘りのある、うみのような鼻汁で、のどのほうに下がってくることもあります。
 嗅覚(きゅうかく)の低下や、鼻声、いびきなどもあらわれ、頭の痛みや重い感じも伴います。鼻汁が気になるので集中力がなくなり、仕事や勉強の能率が悪くなりがちです。
 炎症が起きた場所によっては、目に症状が出ることがあります。

治療
 薬物療法と、手術で治療する方法があります。
 軽症の場合の治療は薬が中心です。必要があれば副鼻腔を洗浄して、たまったうみを出し、ネブライザー療法や各種の薬の投与を行います。ネブライザー療法は、特別な噴霧器を使って薬液を鼻の中に直接注入します。
 薬の投与には、抗生物質の注入や内服、消炎酵素剤やたんぱく質分解酵素剤を内服して、炎症を鎮(しず)めたり、鼻汁を流れやすくする方法などがあります。
 これらのなかから適切な療法を選び、経過をみながら、組み合わせを変えたりします。
 薬による治療は、数か月〜1年以上もの長い期間をかけることが珍しくなく、根気よく続けることが大切です。効果が思わしくない場合は、手術をします。
手術 保存的手術と根本的手術の2つの方法があります。
 保存的手術は、腫れた粘膜を切って鼻づまりをなくしたり、副鼻腔の出口の穴を大きくして、鼻汁を排泄しやすくします。鼻の中の形は、顔と同じで十人十色といってもよく、それぞれ違っています。そのためなかには形が乱れたものもあり、蓄膿症や鼻づまりの原因になります。そこで鼻の中の形を整えることによって空気の流れをよくして、蓄膿症を治すのが目的です。
 根本的手術では、保存的手術に加え、副鼻腔の粘膜の炎症を起こしている部分を、全部とって、骨の壁を露出させてしまいます。
 これらの手術で最も大切なのは術後の治療です。手術した部分が落ち着くまでの2〜3か月は、かぜなどひかないよう十分注意し、治療を続けなければなりません。
 鼻中隔に弯曲(わんきょく)がある場合は、鼻中隔をまっすぐにする手術を行います。
 子供の場合は、鼻の発育の途中なので、なるべく手術せずに治療します。手術をする場合は、保存的手術にとどめるのがふつうです。

●鼻を強くかむと中耳炎になる 鼻やのどの細菌が鼻から中耳に通じる管(中耳管)を経由して移動し、炎症を起こすため。