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病気編 胆道・膵臓の病気 胆石症
 現代医学では、胆石は手術によってとり去ることが多いのですが、漢方では場合によっては手術なしで治療できます。
 体が非常に弱っている高齢者などは、手術による体力の消耗が心配ですので、漢方を試みるのもよいでしょう。
 薬の選択は下表を参考に、症状に合わせて行います。

まず痛みの発作を軽減する
 胆石症の痛みは非常に激しいものですが、漢方薬を用いると、まず最初にこの痛みの発作の起こる回数が、だんだんと少なくなります。
 さらに続けていると、発作はまったく起きないようになり、やがてX線写真にも石が写らなくなります。

早ければ数か月で石が流出
 石がなぜなくなるか、はっきりとはわかっていませんが、薬によってだんだん溶けてゆき、流れ出てしまうと考えられています。
 石が消える時期は、石の大きさや成分、人によって違いますが、数年かかる人もいます。
 しかし、よほど大きな石でないかぎりは、数か月で消えてしまう場合もあります。

痛みを鎮める
 胆石症の痛みの発作がくり返されると、どうしても体力が衰えてしまいます。漢方では、激しい痛みをやわらげる効果があるとともに、衰弱した体を回復する働きもあります。
 また、下表には入れていませんが、発作のつど芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を頓服的(とんぷくてき)に用いると、痛みを抑えることができます。

胆嚢炎にも効果的
 漢方薬は、胆石症だけではなく胆嚢炎(たんのうえん)にもよく効きます。処方薬は胆石症と同じですから、下表を参考にしてください。


症例●半年後に胆石が消滅
 72歳で現役として商店を切りもりしていたKさんは、胆石症の発作が毎日のように起こるようになり、高齢のこともあって、みるみるうちに衰弱してしまいました。
 そこで症状に合わせて解労散(かいろうさん)を用い、また疲労回復の目的で十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)も併用しました。
 その結果、発作も少なくなり、半年後には胆石が消えました。

自分で選ぶ 体力別 胆石症の特効漢方
どの薬も、煎(せん)じて用いるときには、連銭草(れんせんそう)を1日分7〜10g加えて煎じると、より早く治ることが多い。連銭草、または金銭草(きんせんそう:中国では有名な薬草)だけを煎じて服用しても治る場合がある。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
便秘しやすい





下痢しやすい





尿量が少ない




食欲不振

不眠傾向




上半身に汗をかく





首から上に汗をかく





疲れやすい

体がだるい



のぼせやすい




肩がこる

せきが出る

口の中が粘ついて苦い

みぞおちがつかえている感じ


みぞおちのあたりが痛い



胃が痛い





腰が痛い



右上腹部、側腹部の激痛
左上腹部の激痛





手足が冷える




イライラする





処方薬参照先


1 大柴胡湯(だいさいことう)★▲◆
  おなかの右上に激しい痛みが起き、便秘する人に向く。のどのかわきが激しいときには、石膏を10g加えて煎じるとよい。
2 小柴胡湯(しょうさいことう)★▲◆
  口の中が粘ついて苦い、肩がこる症状の人に用いる。
3 四逆散(しぎゃくさん)★▲
  精神神経症状を訴える人に向く。
4 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)★▲◆
  口の中が粘ついたり苦かったりする、疲れやすい、肩がこるなどの症状の人に効く。
5 良枳湯(りょうきとう)
  発作時にたびたびおなかの右上が痛む人に用いる。
6 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)★▲
  疲れやすく、首から上に汗をかきやすい人に向く。
7 解労散(かいろうさん)★▲◆
  ヘその左斜め上あたりを押すと抵抗や痛みを感じる、激しい腹痛が頻繁(ひんぱん)に起こる、体が弱っていてだるいといった人に合う。

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処方薬の ★=保険適用薬  ▲=顆粒剤(かりゅうざい)  ◆=錠剤をあらわす。 無印は煎じ薬(せんじやく)のみを示す。

●胆石症に効く連銭草(れんせんそう)とは カキドオシの生薬名。単独で1日分30gを煎じて用いても効果があるという。尿路結石、歯石をとる働きも。