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現代医学 |
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食事 |
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| 病気編 腎臓の病気 ネフローゼ症候群 |
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正常な糸球体(上)とネフローゼ症候群の糸球体(下) ネフローゼ症候群では、腎臓にある糸球体のろ過機能が低下し、基底膜の網の目が広がって、血液中のたんぱく質が尿中にもれ出してしまう |
症状
ネフローゼ症候群の症状は、次のようなメカニズムで起こります。
たんぱく尿 糸球体は尿をつくるために血液をろ過する器官ですが、そこに異常があると、血液中の老廃物といっしょにたんぱく質まで排泄(はいせつ)されてしまいます。そのため尿中にたんぱく質がふえます。厳密には1日3.5g以上のたんぱく尿が続く場合をいいます。尿の色が変わったり、排尿時に泡が出て消えにくくなったりします。
低たんぱく血症 たんぱく質が尿中に出ていってしまうので、肝臓ではたんぱく質を合成して補充しようとします。それが十分にできないと、血液中のたんぱく質が減少し、100ml中6g以下となります。
むくみ 血液中のたんぱく質が減少すると、体内の水分を吸収する機能が低下し、余分な水分がたまって、むくみがあらわれます。
まぶたが腫(は)れていたり、顔全体が腫れぼったくなっていたりします。むくみがひどくなると、おなかに水がたまったり、肋膜(ろくまく)に水がたまったりします。
高コレステロール血症 たんぱく質が尿中に出ていくときに、脂質たんぱくも尿中に出ます。このために、肝臓で脂肪たんぱくが合成され、そのため、血液中のコレステロールがふえるのだと考えられています。
治療
安静と保温、食事療法、薬物療法が行われます。
安静と保温 なるべく温かくして、安静にしている時間を多くします。
症状が激しいときは、入院して絶対安静を保ちます。入浴も症状が強いときは控えます。
食事療法 むくみを抑えるために、塩分制限をします。1日に3〜5gが目安ですが、むくみの程度によって適量を決めます。
また、たんぱく尿が出るので、質のよいたんぱく質をとりますが、とりすぎてはいけません。
尿の量が減っているときや、むくみのひどいときは、摂取する水分量を減らします(→「食べてなおす」)。
薬物療法 ステロイド剤が最もよく用いられます。ただし、ネフローゼ症候群のすべてに適応するわけではありません。一次性のものと、二次性のうち全身性エリテマトーデスが原因のものに用いられます。
ステロイド剤の投与は、1年から場合によっては2年に及ぶことがあります。そのため、副作用にも注意しなければなりません。
代表的なものは、顔が丸くなる満月様顔貌(まんげつようがんぼう)、にきび、多毛などです。ほかにも、体重の増加、疲れやすさ、発汗の異常などがあらわれることがあります。ただし、薬を減らしていけば、しだいに消えていきます。
特に気をつけなければならない副作用には、胃潰瘍(いかいよう)など消化器の潰瘍、糖尿病、感染症にかかりやすくなる、精神症状などがあります。
なかでも消化器の潰瘍と糖尿病は、特に起こりやすいものです。このような副作用があらわれたときは、種類の違うステロイド剤にしたり、ほかの治療法に変えたりします。
ステロイド剤で効果の出ない場合には、サイクロフォスファミドなどの免疫抑制剤を使うことがあります。ほかに、症状に応じて、抗凝固剤などが使われます。
生活上の注意
病気の悪化や再発を防ぐために、激しい運動は避けます。症状の変化をみながら、運動量を決めます。また、かぜがきっかけになって発病することもあるので、かぜをひかないようにします。
ネフローゼ症候群の漢方療法は、ここをクリック。
| ネフローゼ症候群の原因 |
| 一次性 |
微少変化型ネフローゼ 増殖性腎炎 膜性腎症 膜性増殖性腎炎など |
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| 二次性 | 膠原病 |
全身性エリテマトーデス 結節性動脈周囲炎 多発性皮膚炎など |
| 代謝性疾患 |
糖尿病性腎症 アミロイドーシス 多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)など |
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| 循環障害 |
鎌状赤血球症 収縮性心膜炎 うっ血性心不全など |
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| 感染症 |
梅毒 マラリア ウイルス性肝炎 細菌性心内膜炎など |
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| アレルゲン・薬物 |
花粉 ハチ刺され ヘビ毒 抗てんかん剤 ワクチン 抗血清など |
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| 化学物質 | 水銀 金など | |
| その他 | がん | |
| 一次性ネフローゼは腎臓の糸球体そのものに障害があるもの。二次性ネフローゼはほかの病気がもとで糸球体に障害が起こるものをいう |
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●リポイドネフローゼとは 5歳以下に多い。腎機能障害がない、血尿がない、高血圧を伴わない、発病前に感染の既往のないのが特徴。 |