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病気編 循環器の病気 動脈硬化症

「動脈硬化は治る」が漢方の常識
 動脈硬化症は、進行を止めるだけではなく、治療もできれば、いうことはありません。
 漢方では、古くから動脈硬化症の予防と改善にいくつかの薬方が試みられ、多くの治療例が報告されています。
 現代医学では、最近になってようやく「ある程度は改善できる」ことがわかってきた状態ですが、漢方ではすでに「治る」ことは常識となっています。

脳卒中を予防する常用薬
 動脈硬化症は、全身の動脈にあらわれますが、いちばん症状がはっきりしているのは脳の動脈硬化です。明け方から起床時にかけて頭痛や肩こりに苦しむという症状が出ますが、この場合には釣藤散(ちょうとうさん)が効果があります。
 高齢者で脳の動脈硬化の傾向のある人は、釣藤散を常用しておくことで、物忘れやぼけ、脳卒中を防ぐことができるともいわれています。また血圧の高い人には、血圧が安定する効果もあります。

ビール腹の人の動脈硬化には
 動脈硬化症にかかっている人は肥満の人が多いのですが、同じ肥満でも特におなかがビール樽のようにふくれている、いわゆる太鼓腹の人には、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が効果的なことが多いのです。これは、高血圧症の人にも向く薬です。

どうき、息切れを伴うときは
 動脈硬化があって、どうきや息切れを訴える場合には、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)が有効です。前者は体力のある人向き、後者は虚弱体質の人向きで、いずれも精神不安もやわらげます。


症例●2か月で症状が軽快
 68歳のFさんは、病院の検査で動脈硬化症と診断されました。彼は赤ら顔でたいへん太っており、特におなかはふつうの人の2倍はあろうかと思えるほどでした。
 症状としては肩こりやのぼせがあり、便秘の傾向もありました。そこで防風通聖散を服用してみたところ、自覚症状がうすらぎ、2か月ほどの服用ですっかりよくなりました。
 肥満はやや改善された程度でしたが、この薬を飲んでいると心身ともに爽快(そうかい)になるといって、その後も服用しつづけています。

自分で選ぶ 体力別 動脈硬化症の特効漢方
心臓が痛むなどの症状があり、すでに軽度の狭心症にまで進行している場合は、狭心症/心筋梗塞の表も参照。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
便秘しやすい


不眠傾向

頭が痛い


朝起きぬけの頭痛・頭重





汗をかきやすい



腹部の皮下脂肪が厚い





顔色が悪い(貧血ぎみ)





顔色が赤黒く脂ぎっている





疲れやすい


のぼせやすい


めまいがする



肩がこる
耳鳴りがする

口の中が粘ついて苦い





どうきがする

みぞおちがつかえる感じ





手足が冷える



月経異常




イライラする

気分がうっとうしい




些細(ささい)なことが気になる




処方薬参照先


1 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)★▲◆●
  頭に血がのぼりつめたような感じがあり、不眠やイライラ、便秘、肩こりなどの症状のある人に効く。
2 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)★▲◆
  太鼓腹で、便秘、不眠、イライラなどの症状がある人に向く。
3 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)★▲◆
  便秘がちでどうきがし、イライラしやすい人に。
4 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)★▲◆
  特に更年期の女性の動脈硬化に。
5 釣藤散(ちょうとうさん)★▲
  頭痛や肩こりがひどく、物忘れが激しいといった症状に向く。特に脳動脈硬化症に有効。
6 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)★▲
  髪の毛が抜けやすい、のぼせやすい、どうきがする、イライラや気分の落ち込みなど神経症状のある人に用いる。
7 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)★▲◆
  貧血ぎみで、めまいや耳鳴り、冷え症などの症状のある人に合う。

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