現代医学 漢方薬

病気編 女性の病気 月経困難症/不正出血
●月経困難症  ●不正出血

女性の内性器のしくみ
卵巣は、女性ホルモンの分泌や卵胞(らんぽう)を成熟させるといった重要な機能をもつ。ここで排卵された卵子は、腟(ちつ)から子宮を通って入ってきた精子と卵管内で受精し、子宮内膜に着床する

●月経困難症
 月経の直前や月経中は、軽い下腹痛や頭痛などが起こります。女性ならば誰でも身に覚えのある、一種の生理現象といえますが、ときに痛みが病的に強いことがあります。日常生活に支障をきたすような場合を、月経困難症と呼びます。
 月経困難症は、思春期や出産を経験していない若い女性に起こるものと、35歳くらいを過ぎた中年の女性に起こるものとがあり、原因はそれぞれ異なります。
若い女性の場合 出血が多い月経の1日目か2日目に、下腹部が締めつけられるような激しい痛みを覚えます。ひどいときには、差し込むような痛みがあり、職場や学校に行けないことさえあります。
 これは血液のかたまりを子宮が押し出そうとするために起こる痛みです。排卵がまだない初潮後の数年間には起こりません。しかし、排卵が起きるようになっても、子宮の発育が未熟でまだ小さかったり、頸管(けいかん)が狭くて月経血が通りにくかったりすると、何とか血液を出そうと子宮が活発に動くため、痛みが起こります。
 したがって、月経の後半期には痛みは軽くなります。
 出産を経験した女性は、頸管が広がっているので、月経血はスムーズに流れるため激しい下腹痛は起こりません。
 思春期の少女にみられる月経困難症で問題になるのは、精神的・心理的要因です。この時期は、月経に対する不安や嫌悪、恐怖などの気持ちがつのり、通常の月経痛をよりひどいものに感じます。月経が起こる意味を正しく理解し、早く慣れることが治療の第一歩といえるでしょう。あまりひどい場合には、婦人科の医師に相談し、自分に合った鎮痛薬を飲むとよいでしょう。
中年以降の場合 月経困難症が、35歳を過ぎてから急に起こった場合には、ほかの病気が原因となっていることがほとんどです。主に子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)か子宮内膜症が考えられるので、早めに専門医に診てもらいましょう。

●不正出血
 月経とは無関係に起こる不規則な出血です。子宮や卵巣の病気がない場合の機能性出血と、何らかの疾患があるために起こる器質性子宮出血とがあります。
機能性出血 精神的なショックやストレス、過労のために、下垂体調節ホルモンの分泌に異常が起こることが原因です。このため卵巣が正常に働かなくなり、排卵が障害されて出血が起こります。
 初潮後の数年間に起こるケースを思春期出血といいます。この時期は、子宮の発育も不十分で、卵巣の働きもまだ完全とはいえない状態です。ほんの些細(ささい)な精神的ショックにもホルモンの機能は敏感に反応し、排卵が障害されて機能性出血を起こします。受験やテストの失敗、失恋、家庭内のいざこざが、脳の下垂体に影響を与えるのです。
 頻繁(ひんぱん)に起こったり、出血が長びいたりすると、貧血が起き、心臓にも負担がかかります。また疲れやすくなったり、根気がなくなったりするので、早めに専門医を受診することをすすめます。
 中年過ぎに起こるケースは更年期出血と呼ばれます。排卵は正常にありながら、黄体ホルモンが不足しているため、月経の1週間くらい前に機能性出血を起こすのです。また、排卵の時期に出血する中間期出血も機能性のものといえます。出血が毎月続く場合や、出血量が多い場合には、ホルモン剤を投与して治療します。
器質性子宮出血 まず、妊娠に関係した出血が考えられます。流産、胞状奇胎(ほうじょうきたい)、子宮外妊娠などの異常妊娠によって出血する場合があります。
 また、子宮、卵巣、卵管などに炎症があると、出血することがあります。
 さらに子宮筋腫やポリープなどの良性の腫瘍(しゅよう)ができているために出血することもあります。ほかに、子宮頸がん(しきゅうけいがん)、子宮体がん、絨毛がん(じゅうもうがん)、子宮肉腫などの悪性腫瘍の場合も不正出血を起こします。これらの病気は、この不正出血が非常に重要な症状となりますので、十分に注意をはらい、早期発見、早期治療を心がけましょう。


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