現代医学

病気編 皮膚の病気
現代医学でなおす
●あざ  ●乾癬  ●丹毒  ●リール黒皮症  ●赤鼻  ●白なまず  ●さめ肌  ●はたけ  ●疥癬  ●わきが  ●しもやけ・ひび・あかぎれ 
〈コラム〉あざの治療に有効なレーザー光線療法
〈コラム〉皮膚の老化が原因で起こる老人性皮膚そう痒症
〈コラム〉つめの病気
●あざ
 あざは母斑(ぼはん)ともいい、体細胞の突然変異によって起こります。いくつかの種類があり、大部分は生まれつきか生後すぐにあらわれますが、思春期のころになって出てくることもあります。
黒あざ 母斑細胞という特殊な細胞がふえてできます。ほくろも黒あざの一種で、直径2cm以上のものはあざと考えます。
 ごくまれですが、黒あざの中に悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ:メラノーマ)ができた場合には、手術が必要です。
青あざ 褐青色の色素の沈着で、一般に顔や肩の左右どちらかにできます。白目や口の粘膜、鼓膜にできることもあります。
 治療は、ドライアイスによる凍結療法が効果的です。場合によっては、手術で切除もします。 
茶あざ 褐色の平らなあざで、体のどこにでもできます。色はうすいのですが治りにくく、凍結療法、皮膚をけずる方法などを併用します。レーザー光線の治療の成果も上がっています。
いぼ様あざ 表皮だけのあざと、脂腺(しせん)が増殖した脂腺母斑とがあります。表皮だけのあざは、皮膚をけずって治します。脂腺母斑は、思春期になると赤や黒の腫瘍(しゅよう)ができたり、悪性化することもあるので、切除する必要があります。
赤あざ 血管の増殖や拡張でできます。イチゴ状血管腫は赤ちゃんに多く、ふつう5〜6歳までに自然に消えますが、目のそばにできたときは治療が必要です。正中部血管腫はサーモンピンクのあざで、ひたい、眉間(みけん)、上まぶたにできますが、1歳半未満で消えてしまいます。
 赤あざでいちばん多いのは単純性血管腫で、鮮紅色か暗紫色です。レーザー光線で治療します。

●乾癬(かんせん)
原因と症状 生まれつきの遺伝的な体質に、食習慣や外傷、ストレスなどの誘因が加わって発病したり悪化すると考えられます。
 はっきりした境目のある赤い斑点(はんてん)ができ、表面には厚い銀白色のかさぶたがついています。全身にできますが、髪の毛の生えぎわ、ひじ、ひざによくみられます。全身に広がると紅皮症になります。
治療 体質を変えることはむずかしいので、対症療法で抑えます。活性型ビタミンD3やステロイド剤の軟膏(なんこう)などの外用薬を使いますが、専門医の指示を守りながら、根気よく続けることが大切です。

●丹毒
原因と症状 皮膚の傷に連鎖球菌が感染して起こります。
 患部は境目がはっきりしていて、赤く腫(は)れ、ほてりがあって押すと痛みます。熱が出たり、倦怠感(けんたいかん)などの全身症状も伴います。
 病気が進行してリンパ管炎になると、赤い腫れから体の中心に向かって赤い線状になります。リンパ節が腫れると赤い部分がまわりに広がっていきます。
治療 連鎖球菌に効果のある抗生物質を使うと簡単に治ります。患部に冷湿布をするのもよいでしょう。

●リール黒皮症
 女子顔面黒皮症ともいい、女性に多い病気でしたが、最近はほとんどみられなくなっています。
原因 化粧品の中の色素などによるものが最も多く、ほかに植物や殺虫剤、蛍光漂白剤が原因の場合もあります。
症状 顔にかぶれが起き、それをくり返すうちに、むずがゆくなったりします。そのまま放置して、化粧品や日光の刺激を受けつづけると、1〜2年で顔全体に黒ずみが出てきます。
 しみと違って、皮膚の深いところにメラニン色素が沈着するので青黒く、炎症の赤みも加わって特有の汚い色になります。
治療 化粧品を使うのをいっさいやめて原因をつきとめ、その物質を含まない化粧品にかえます。炎症があるときは、治癒(ちゆ)を早めるためにステロイド外用薬を使いますが、すべて医師の指導のもとに行います。
 治療には平均2年ほどかかりますが、きちんと治療すれば元にもどります。
生活上の注意 化粧品を使って、かゆみがあったらすぐに落とし、化粧品を持って医師の診察を受けましょう。
 トラブルのない化粧品でも、夜寝る前にはていねいに洗顔して完全に化粧を落とすこと。
 アレルギー体質の人は、帽子や日傘で紫外線を避ける工夫も大切です。

●赤鼻
 鼻の先などの毛細血管が拡張して脂肪の分泌がふえた状態で、酒さ(しゅさ)ともいいます。
原因と症状 胃腸障害、肝機能低下、ホルモンのアンバランス、過労、ストレスなどが原因と考えられています。酒や香辛料、コーヒーなどの刺激物のとりすぎも関連しているようです。中年女性や脂性の若い男性で、体質的に血管が拡張しやすい人に多くみられます。
 症状は、鼻の先やほお、あごなどの顔の高くなった部分が赤くなり、肌が脂っぽく光るのを第1度といいます。第2度になると毛穴が広がって、にきびのような吹きでものができます。第3度では皮膚が腫(は)れてでこぼこになりますが、日本ではあまりみられません。
治療 原因となる病気があればとり除きます。血管の拡張は、メスで毛細血管を乱切りして治します。重症の場合は手術も行います。

●白なまず{尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)}
原因と症状 メラニン色素をつくる細胞の働きが弱まるために起こります。中年以降に起こりやすい病気です。部分的に皮膚の色が抜け、白い斑点(はんてん)ができます。大きさはいろいろで、いくつかが集まって大きくなることもあります。
治療 オキソラレン療法が一般的です。皮膚が光線に対して過敏になるオキソラレンのローションか軟膏(なんこう)を白い斑点にぬり、1〜2時間、ピンク色になるくらいまで日光に当たります。その後、薬をよく洗い落とします。数か月以上続け、色素を再生させます。

●さめ肌
原因と症状 遺伝性の病気で、生後1年くらいの冬にあらわれるのが一般的です。皮膚が乾燥してカサカサになり、網目のような裂け目ができてうろこのように見えます。特に目立つのは下肢の外側やおなかで、冬に症状が強く出ます。かゆみを感じることもあります。
 軽症の人は冬にかさつきがある程度ですが、重症だと夏でも褐色のうろこ状の皮膚になります。
治療 ビタミンA軟膏、尿素軟膏などをぬります。角質層の乾燥を防ぐため、室内の保湿に注意します。治る病気ではありませんが、思春期を過ぎるころから徐々に軽くなっていきます。

●はたけ
原因と症状 学童期の子供にみられる皮膚病で、原因は不明です。
 顔やほお、耳の前などに白い粉をふいたような斑点ができます。表面はカサカサで、境目はわりあいはっきりしています。日やけすると目立ちます。大きさは、豆粒大からクルミ大くらいで、かゆみなどはありません。
 アトピー性皮膚炎に合併したり、皮脂の少ない子供にあらわれやすい傾向もありますが、原因はわかっていません。
治療 害のない皮膚病で、自然に治るので心配はいりません。個人差はありますが、思春期前後になれば治るのがふつうです。
気になる場合は、イクタモールやアズレンの配合された軟膏をぬります。

●疥癬(かいせん)
 ヒゼンダニの接触感染で、皮膚に炎症が起こった状態です。最近は海外旅行で持ち帰る人がふえています。家族の中でも感染します。
症状 指の間、わきの下、陰部、下腹部などのやわらかい皮膚に、点状や線状のふくらみができ、中はヒゼンダニが入り込んだトンネルになっています。夜、ふとんに入って温まったときなどに、強くかゆみを感じます。
治療 硫黄の含まれた軟膏をぬる療法が中心です。かゆみがひどいときには、抗ヒスタミン剤の内服薬を飲みます。
 同時に、衣類や寝具などを消毒して、体も清潔を保つよう心がけましょう。

●わきが{腋臭症(えきしゅうしょう)}
原因と症状 わきの下には、汗を出すアポクリン腺(アポクリンせん)があります。この汗に刺激性のにおいがあるものをわきがといいます。
 アポクリン腺から出た直後の汗にはにおいがありませんが、皮膚の表面の細菌によって分解されて、いやなにおいが発生します。
 におい以外には特に障害はありません。
治療 ほとんどは、清潔を心がければかなり抑えられます。具体的には、●下着を毎日とりかえる、●わきの下を石けんでよく洗う、●わきの下をぬれタオルで冷やす、などです。また、20%の塩化アルミニウム液をぬると、防臭の効果があります。
 重症で、医師が必要であると判断すれば、手術でアポクリン腺をとり除くこともあります。
 実際にはそれほどでもないのに、悪臭があると思い込んでいる人もいます。これには精神面の治療が必要です。

●しもやけ・ひび・あかぎれ
 冬の寒さや乾燥などが原因で起こります。
しもやけ 寒さのために血液の循環障害が起こることが原因です。
 手足の指、かかと、耳たぶなどの体の末端にうっ血が起きて赤く腫れる場合と、丸い紅斑(こうはん)ができる場合があって、かゆみを伴います。
 治療には、ビタミンEの内服が効果的です。手足を寒さから守り、マッサージで血行をよくすると、予防にもなります。
ひび・あかぎれ 冬の空気の乾燥のために、表皮の角層の水分が奪われ、弾力性がなくなり、皮膚の表面に細かいひび割れができます。治療には、ビタミンAやEの軟膏、尿素軟膏などを、1日数回ぬります。

●皮膚は内臓の鏡 肝臓病や糖尿病など、内臓の病気や全身性の病気がある場合には、皮膚に症状があらわれやすくなる。

●わきがの手術 アポクリン腺を皮膚といっしょにとり除くので、傷あとが残る。電気刺激で凝固させる方法もある。