|
接触皮膚炎の起きやすいところ
|
|
●湿疹・皮膚炎
皮膚に小さな発疹(ほっしん)が集まってでき、かゆみがあるものを湿疹(しっしん)といいます。
赤みがあったり、かくと汁のようなものが出たり、かさぶたができることもありますが、他人にうつることはありません。
湿疹は、皮膚病のなかでも特に多く、あらゆる年代の人にみられます。なお、湿疹は現在、原因別にアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などといいます。
脂漏性皮膚炎 皮脂の分泌の異常が原因で起こります。鼻のわき、髪に覆われている頭の地肌や生えぎわ、まゆ毛など、皮脂の分泌の多い部分によく出ます。
黄色みのある赤い炎症ができて、軽いかゆみを伴います。皮が細かくむけます。頭部ではふけがたくさん出ます。
乳児の場合は、頭皮やまゆ毛の部分に黄色いかさぶたができます。
治療としては、抗生物質の入ったステロイド剤の軟膏(なんこう)をぬります。かさぶたができているときは、まず亜鉛華軟膏をぬり、かさぶたをとってからステロイド剤をぬります。加えて、ビタミンB2・B6を補給したり、成人では肝保護剤なども使われます。
日光皮膚炎 日光(紫外線)が当たって、皮膚に異常があらわれるものが日光皮膚炎です。
原因は、外からのものと体の内部からのものがあります。
外的な原因は、日光に対して敏感になる作用のある植物(レモン、ライム、オレンジ、セロリ、パセリなど)や、化粧品などの化学物質が皮膚に触れることです。
内的な原因では、膠原病(こうげんびょう)のひとつである全身性エリテマトーデスや、色素性乾皮症、ポルフォリン症、ペラグラなどの病気が日光過敏性を示します。
症状はさまざまで、赤くなったり、腫(は)れたり、水疱(すいほう)ができたりします。ひどく日やけしたような状態になることもあります。顔や手などの露出部分だけに、症状があらわれます。
日光に当たってから数時間で症状が出るのがふつうですが、数日後にあらわれることもあります。
治療は原因をつきとめ、それをとり除くことです。予防法は、直射日光を避け、サンスクリーンを用いることです。
一般に、湿疹ができてしまったときは、次のようなことに気をつけましょう。
●強い日光や寒い風に当たらない、●清潔を保ち、患部をかきこわさない、●かゆいときはガーゼをあてて氷のうなどで冷やす、●ぬるめの湯で入浴したり、シャワーを浴びるなどして汗を流し、石けんは刺激の少ないものを使う、●下着など肌に直接触れる衣類は、綿100%で着なれた清潔なものにする。
●主婦湿疹・進行性指掌角皮症
手を使うことの多い主婦や若い女性に症状があらわれます。この2つは次項の接触皮膚炎の一種と考えられています。
主婦湿疹(しゅふしっしん) 指や手のひらに、小さな赤いブツブツが、いくつか固まってできるのが初期の症状です。それがやがて重なり合い、赤い斑(はん)になります。かゆみがあり、ジクジクした感じで、強くかくと汁が出たりします。かさぶたができることもあります。
水仕事をやめると症状が軽くなりますが、再開すると元にもどります。
進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう) きき腕の手の親指、人さし指、中指などのよく使う指に症状があらわれます。指先の皮膚が乾燥してかさつき、皮がむけたり、あかぎれを起こして割れ目ができます。
さらに進行すると、皮膚がかたくなって指紋がなくなり、つめの形まで変わってきます。ただし、ジクジクした感じはなく、かゆみもあまり強くありません。
原因 水仕事で皮脂膜がなくなった指先に、石けんや洗剤の直接の刺激がくり返されることです。
さらに、体質的に皮膚の表面の角層が乾燥しやすい人がかかりやすいという傾向があります。
治療 症状のひどいときは、ステロイド剤の軟膏(なんこう)、軽いときには、尿素軟膏や、亜鉛華軟膏をぬります。
予防 手指の保護には、水仕事や洗剤を避けることがいちばんですが、実際にはむずかしいものです。そこで、次のようなことを習慣づけるように心がけてみましょう。●水仕事をするときは、もめんの手袋の上にゴム手袋をして、洗剤に直接触れない、●素手で洗うときは水かぬるま湯を使う、●洗剤はうすめて使う、●指輪の部分に洗剤が残るので、水仕事をするときは、指輪をはずす、●最後に洗剤をよく洗い流す、●ぬれた手はよくふき、油性のクリームなどをぬって、皮膚の表面の脂肪膜を補給する、●夜は、亜鉛華軟膏をぬり、もめんの手袋をはめて寝るようにする。
●接触皮膚炎
皮膚に種々の化学物質が触れたために、その部分に起こる炎症のことで、かぶれともいいます。
原因 接触皮膚炎の起こり方には2つのタイプがあります。
1つは、その原因となる物質(強い酸やアルカリ、ウルシ、ギンナンなどの植物)に強い刺激や毒性があって、誰にでも起こる場合です。
もう1つは、アレルギー性のもので、ある特定の物質にくり返し接触するうちに炎症が起こる場合です。
症状 初めにかゆみがあって、原因物質と接触した部分に赤みや腫(は)れがあらわれます。
炎症をくり返すうちに、皮膚がかたくなったり、色がつくこともあります。
アレルギー性の場合は、症状のあらわれ方が遅く、原因物質との最初の接触から2〜3か月後にかぶれが起こることもよくあります。そのため、原因がなかなか特定できません。
治療 まず原因をつきとめ、それをとり除きます。
薬は、ステロイド剤の軟膏が一般的ですが、合わない薬を使うと悪化することもあるので、必ず皮膚科医の処方に従いましょう。
かゆみ止めのために抗ヒスタミン剤を内服することもあります。
化粧品やアクセサリー、しらが染めなどが原因でかぶれを起こしたら、同じものは二度と使わないようにします。
化学繊維の衣類でかぶれを起こす人は、もめん素材のものを使いましょう。
予防 原因となる物質には、できるだけ触れないよう注意することが大切です。
●毒性のある植物に近づかない。
●触れたときは、すぐによく洗い流す。
●アクセサリーは使わないか、アレルギーを起こしにくい材質(プラチナ、金、銀)にかえる。
●新しい肌着は身につける前に1度洗う。
●化粧はていねいに落とし、最後に石けんで洗顔する。
| 化粧品 |
石けん、シャンプー、しらが染め、へアスプレー、ファンデーション、ロ紅、アイシャドーなど(香料、色素、殺菌剤、鉱物油などによる)
|
| 衣料品 |
下着、衣服、靴下、帽子など(防かび剤、染料、加工用樹脂成分、染料などによる)
|
| 金属 |
ネックレス、指輪、イヤリング、ピアス、めがねのフレーム、時計バンドなど(ニッケル、コバルト、水銀、パラジウム、クロムなどによる)
|
| ゴム |
下着や靴下のゴム部分、ゴム靴、ゴム手袋など(加硫促進剤、老化防止剤などによる)
|
| 皮革、樹脂 |
ハンドバッグ、時計バンドなど(クローム、エポキシ、カテコール類などによる)
|
| 文具、塗料 |
コピー用品、朱肉、絵の具など(コピー用品の化学変化、水銀などによる)
|
| 植物 |
ウルシ、ギンナン、マンゴー、キーウィ、プリムラ・オブコニカ、マホガニー、チークなど(植物がもつ毒素や毛による)
|
| 外用剤 |
抗生物質、殺菌剤、抗真菌剤などを含む軟膏
|
| 仕事などで使うもの |
塗料、農薬、現像液など
|
●ピアスにご用心 ピアス型イヤリングからニッケルが溶け出し、それが全身に回ってあちこちに湿疹ができることがある。