現代医学 漢方薬

病気編 呼吸器の病気 急性気管支炎/慢性気管支炎
 ひどいせきを伴う気管支炎は、漢方でも治療がむずかしいといえます。しかし、急性はもちろん、慢性になった気管支炎も、漢方によって根治した例は少なくありません。

せきを止めるには
 一般的に、せきには麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、あるいは柴胡(さいこ)の入った薬が合うといわれています。
 しかし、せきやたんの処方はそう簡単ではありませんので、漢方専門医の診療を受けて服用してください。


症例●激しいせきが1か月で完治
 T子さんは、1年前にかぜをこじらせて気管支炎におかされ、激しいせきに悩まされるようになりました。大学病院を転々としても治らず、結局漢方に望みをつなぐことにしたのです。
 かぜ以来非常に寒がりになり、ときには夏でもゾクゾクし、背中全体がなんとなく気持ちが悪いという症状があったので、それに合う麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を服用してみました。すると、2週間後にはあまりせきも出なくなり、1か月後には完治しました。

自分で選ぶ 体力別 気管支炎の特効漢方
激しいせきがなかなかおさまらないときには、この表にはないが茯苓甘草湯(ぶくりょうかんぞうとう)がよく効く場合もある。この薬に合う症状は、激しいせきとたんのほか、どうきがする、汗は出るが尿の出は悪いなど。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
頭が痛い・頭が重い






寒け・発熱






汗をかきやすい







体がだるい







疲れやすい







顔色が悪い









顔がむくむ









のぼせやすい








肩こり・首や背中がはる









くしゃみ・鼻水・鼻づまり









のどに何かがつかえている感じ










のどがゼイゼイする







のどがチクチク痛い









のどがいがらっぽい









声がしゃがれる










せきが出る

うすいたんが多く出る








濃い粘ついたたんが出る








口・のどがかわく







口の中が粘ついて苦い









感情が不安定









処方薬参照先 10 11 12


1 神秘湯(しんぴとう)★▲
  呼吸困難を訴え、たんは少ない人によい。
2 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)★▲◆
  のどがかわく症状が目安。急性では熱や発汗、せきが激しく息苦しいとき、慢性では、熱はなく、せきが出て苦しいとき。
3 柴朴湯(さいぼくとう)★▲
  みぞおちを押すと抵抗や痛みを感じる人によい。
4 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)★▲
  せきが長く続き、粘っこく切れにくいたんの出る人に。
5 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)★▲◆
  泡のようなうすいたんの出る人の気管支炎に向く。
6 桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう)
  せきが出て体が熱く、たんは出ない気管支炎に向く。
7 桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいっとう)
  桂枝麻黄各半湯の症状に加えて、のどがかわく人に。
8 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)★▲◆
  のぼせやすく、上半身が汗ばみやすい人に向く。
9 麦門冬湯(ばくもんどうとう)★▲◆
  のどがいがらっぽく、たんが切れにくいなどの症状に向く。
10 竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
  上気して、激しいせきがけいれん状に出る人によい。
11 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)▲
  冷え症で貧血ぎみの人によい。
12 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)▲●

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処方薬の ★=保険適用薬  ▲=顆粒剤(かりゅうざい)  ◆=錠剤  ●=カプセルをあらわす。 無印は煎じ薬(せんじやく)のみを示す。

●気管支炎にはギンナンが効く ギンナンのせき止め作用は特に有名。5〜6個(子供は3〜4個)をよく炒るか焼いて食べるとよい。