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腸のしくみと働き
腸管は、小腸、虫垂、大腸からなり、全長約8mもある。小腸は、胃でどろどろになった食べ物をさらに消化し、栄養素を吸収する。残りかすは大腸へ入り、ここで水分が吸収されるため、少しずつかたくなって便となる
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●急性腸炎
原因 腸の粘膜の炎症です。原因としては、●暴飲暴食や寝冷え、●大腸菌やサルモネラ菌などの細菌感染、●腸チフス、コレラ、赤痢などの伝染病や感染症、などが考えられます。
症状 代表的な症状は腹痛と下痢です。初めに、吐きけやむかつきのある場合もあります。
腹痛は、ヘそのあたりの重苦しい感じや、鈍い痛み、激しい痛みなどさまざまです。腸が動く感じがしたり、腹がゴロゴロ鳴ったりすることもよくあります。
下痢は、多いときは1日に20回以上も起こります。粥状(かゆじょう)や水のような便が出ます。色はうすく、黄色や緑色がかっています。泡や粘液がまざったり、血便が出たり、悪臭を伴うこともあります。しぶり腹もよくみられます。
栄養が吸収されず、水分も出てしまうので、急にやせたり、口がかわいたり、肌がかさついたりします。脱力感や、冷や汗などの症状も出ます。
熱が出ることもあります。
治療 伝染病や感染症でない場合は、安静と食事療法で治します。
腹部を温かくして休み、1日くらいは絶食します。湯ざましやうすい番茶などで水分を補給し、便のようすをみながら、重湯やクズ湯などの流動食、さらに粥、半熟卵、ヨーグルトなどに変えていきます。
薬を飲む場合は、強い作用の下痢止めは使わず、自然な回復を待って整腸剤などを服用します。
高熱が出て、粘液のまじった便や血便があらわれる場合は、伝染病や細菌感染が疑われます。至急、医師の診察を受けます。
海外旅行での細菌感染はふえる傾向にありますが、腸炎に関係する病気で予防接種ができるのはコレラだけです。そこで、●食事前にはていねいに手を洗う、●生水や生ものを口にしない、●加熱したものを食べる、などの注意が大切です。
●慢性腸炎
原因 腸の粘膜に、長期間にわたり炎症が起きます。急性腸炎が完全に治りきらずに慢性化するケースのほか、不摂生を続けたために起こる場合、胃や肝臓などの病気の症状としてあらわれる場合などがあります。主に大腸に炎症が起こるのが特徴です。
症状 腹痛と下痢が起こりますが、激しいものではありません。腹痛は下腹部の鈍痛で、おなかが鳴ることもあります。下痢も軟便程度で、回数も1日に数回です。
治療 栄養価が高く、消化のよい食事をします。脂肪の少ない肉や魚、煮た野菜などを中心にします。
●海外旅行後の下痢に要注意 細菌による腸炎の潜伏期間は約5日。帰国直前の感染もあるので、5日間は便の状態に気をつけて。