|
腎結石と尿管結石
結石が腎臓の奥にあるときには、痛みはほとんどない。結石が動き出して尿管の中を移動すると、尿管がけいれんを起こして、激しい痛みを引き起こす
|
|
●腎・尿管結石
腎臓(じんぞう)や尿路に結石があり、いろいろな障害を起こす病気です。
20〜50歳代の男性に多くみられ、発病率は女性1に対して男性が2.5の割合です。
原因 結石は、尿の塩類が、固まってできます。成分は、シュウ酸カルシウムや尿酸カルシウムなどです。結石ができるのは、尿路の奇形や神経障害による尿の停滞、食事の偏りや運動不足などが影響しているものと考えられています。
症状と検査 石の大きさは、砂粒大から腎盂(じんう)全体を占めるほどのものまでさまざまです。数は、1個だけのこともあれば、同時に数個できることもあります。
代表的な自覚症状は激しい腹痛です。結石のできた場所によって痛みの程度が違います。
結石が腎臓の中にある腎結石の状態で、特に石が奥のほうにある場合は、あまり痛みを感じません。結石が腎臓の出口をふさいだり、尿管の途中につまったりすると、激しい痛みが起こります。
痛みは、石のある側の脇腹から下腹部に起こります。ときには、背中から肩甲骨のほうに、女性の場合だと、外陰部のほうに、痛みがはしることもあります。鈍い痛みの場合もありますが、たいていは疝痛(せんつう)といわれる強い痛みです。結石が小さいと、尿管の中を移動するにしたがって痛む場所も移ります。
膀胱(ぼうこう)に出た結石の多くは、尿道を通って排出されますが、何らかの原因{前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)など}で尿道が狭くなっていたりすると、結石が膀胱や尿道内にとどまり、痛みなどの症状を起こします。
血尿も重要な症状のひとつで、尿の色の変化で病気に気づくこともあります。ただし、尿中に含まれる血液の量はさまざまで、肉眼でわかるものもあれば、顕微鏡で調べなければわからないものもあります。
尿検査のほかには、超音波検査やX線検査が行われます。
治療 5mm以下の結石は、内科的治療が中心になります。痛みを止める薬のほかに利尿薬が用いられます。尿の量をふやし、結石を押し流すのです。水分をたくさんとって、適度な運動をすることもすすめられます。
5〜7mmの結石は、内科的治療、または次のような方法で治療します。腎結石なら体外衝撃波破砕療法を行います。尿管結石なら、2〜3か月排出されるのを待ったうえで、尿管鏡(尿道から入れる内視鏡)を使ってとり出します。
7mm以上の場合は、体外衝撃波破砕療法か内視鏡による摘出が行われます。両方が併用されることもあります。
これらの治療が適さない状況のときは、開腹手術を行います。
なお最近では、経皮的腎尿管砕石術という方法も注目されています。これは、皮膚から直接細い管を腎盂に刺して孔(あな)をつくります。管を少しずつ太くして、直径1cm程度にしたら、孔から内視鏡を入れて結石をつまみ出すか、超音波を送って砕くという治療法です。
予防と予後 結石の要因となる動物性たんぱく質のとりすぎを避けます。適度な運動を行い、水分を多めにとることも大切です。
●腎・尿路結核
原因 肺結核が原因で起こります。結核菌が、血管を通って腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路に感染します。
肺結核の発病から腎結核の発病までは、1〜5年かかるのがふつうです。ときには、10〜20年かかることもあります。
最近は少なくなった病気ですが、まだ30歳代や50〜60歳代の男性にみられることがあります。
症状 初期は自覚症状もなく、尿が濁るくらいです。その後、膀胱結核になることが多いのですが、そこで自覚症状があらわれます。
膀胱結核の前兆として、まず、脇腹や背中に鈍い痛みを感じるようになります。尿の濁りに加えて、排尿時の痛みや頻尿(ひんにょう)などがみられます。
病気が進行すると、膿腎症(のうじんしょう)となり、痛みや発熱もあらわれます。これが両側の腎臓に起こっている場合には、尿毒症になります。
治療 結核の化学療法を行います。回復の兆しがあればそのまま続け、経過によっては手術を併用します。
●膀胱はどれだけ尿をためられるか
尿は1分間に1mlつくられる。250〜300mlで尿意を感じ、がまんの限界は800mlまで。