がん・アレルギー特集 アレルギー
[3]アレルギーの知識と治療
気管支ぜんそく

現代医学では
ぜんそく発作が起こるしくみ

原因
ハウスダスト、かび、羽毛など、アレルゲンは多種多様
 気管支が収縮し、呼吸困難の状態になるのが、気管支ぜんそくです。
 発作は、軽い人では30分ぐらいで治りますが、重い人では数日続くこともあります。最近は世界的にぜんそくの発作で死ぬ人がふえて問題となっています。
 発作時以外には何の症状もありませんが、重度の発作ではチアノーゼを起こしたり、たんがのどにつまって死に至る危険もあります。
 最も多いアレルゲンは、ハウスダストに含まれる、チリダニという種類のダニだといわれています。そのほか、綿、絹などの繊維、羽毛、かび、ペットの毛や羽、ふけ、花粉、食べ物、薬品、大気汚染など、アレルゲンは非常に多岐にわたります。
 これらのアレルゲンが気管支に入ると、気管支筋が収縮したり、粘膜が腫(は)れたりして気管が狭くなり、呼吸困難の発作が起きます。

症状
のどがゼイゼイ鳴り呼吸困難になってせきやたんが出る
 突然、喘鳴(ぜんめい:呼吸の際、のどがゼイゼイ、ヒューヒューと鳴る)と呼吸困難が起こるのが、ぜんそくの発作です。その後、せきやたんが出て、やがて発作は鎮(しず)まります。
 発作は夜中や朝方に多く、秋や寒期、梅雨など、急に寒くなったり気圧が不安定な季節に起こりやすいのがふつうです。

検査・治療
気管支拡張剤や去たん剤で発作を抑える
 治療は、ほかのアレルギー性疾患と同様に、皮膚反応テストなどでアレルゲンをつきとめ、必要に応じて減感作療法(げんかんさりょうほう)を行います。最近は吸入を中心とした予防薬や、ステロイドの吸入などで発作を起こさせないようにコントロールすることが重要(とくに発作死や重症化の予防に)であることが世界的に認識され、それぞれのガイドラインなどが出されています。
 発作が起きたときには、気管支拡張剤や去たん剤を用います。また、必要ならステロイド剤も使います。それぞれに、内服薬や吸入薬、そして注射薬があります。
 ペットが原因であれば、ペットを飼わないなど、アレルゲンを近づけないようにします。ハウスダストをゼロにするのは不可能ですが、こまめな掃除で、ある程度予防はできます。
 また、通風をよくする、じゅうたんなどダニの発生しやすいものを避ける、ふとんをまめに干すなどに注意し、ダニやかびの発生を少しでも防ぎます。
 また、適度な運動、ストレス解消、規則的な生活などを心がけ、肉体的・精神的な鍛錬を行うことも、予防につながります。



漢方薬でなおす
 治しにくいことがある病気ですが、多くは根治します。

発作止めと体調を整える効果
 漢方薬は、発作を止める効果があり、同時に、ぜんそくを起こす原因である体のひずみを治します。ですから、正しい使い方をすれば、漢方薬による副作用の心配はありません。  ぜんそくはひどくなると呼吸困難のため命にかかわることもあります。重症の場合には勝手に自己診断せず、漢方専門医や現代医学の病院で正しい処置をしてもらいましょう。


症例●2か月で発作がやんだ
 S君は、9歳のころから2年間ぜんそくの発作に苦しめられていました。発作が起きると、ふとんをはねのけて起き、顔はまっ赤になり、目が飛び出るぐらい見開いて苦しがります。そして発作後はいつも、胃の中のものをすべて吐いてしまうという状態でした。越婢加半夏湯(えっぴかはんげとう)を服用しはじめると、急に発作回数が減り、2か月で発作はまったく出なくなりました。
自分で選ぶ 体力別 気管支ぜんそくの特効漢方薬
漢方薬店でぜんそく薬というと、まず麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を出される。それほど代表的なぜんそく薬だが、むろん誰にでも有効というわけではない。漢方薬はあくまでも、自分の症状に合ったものを選んでいく。
下表の◎=決め手になる症状 ○=あらわれやすい症状 △=ある場合もない場合もある症状を示す。

あなたの体力は?→ ある ふつう ない
自覚症状↓
尿量が少ない





頭が痛い・頭が重い








汗をかきやすい







顔色が悪い









むくみ






体がだるい







疲れやすい







くしゃみ・鼻水・鼻づまり









口・のどがかわく






口の中が粘ついて苦い










吐きけまたは吐く









どうきがする








息切れがする







みぞおちがつかえている感じ










気分が沈む









のどに何かがつかえている感じ









のどがいがらっぽい










のどがゼイゼイする






呼吸が苦しい
せきが激しい

うすいたんが多く出る








濃い粘ついたたんが出る










処方薬参照先 10 11 12

1 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)★▲◆
  発作のときにひどく冷や汗をかく人に向く。
2 木防已湯(もくぼういとう)★▲
  みぞおちが非常にかたくなっている人によい。
3 神秘湯(しんぴとう)★▲
  慢性化していて、抑うつ傾向のある人に向く。
4 柴朴湯(さいぼくとう)★▲
  みぞおちを押すと痛みを感じ、肩こりなどのある人に効く。
5 五虎湯(ごことう)★▲◆
  麻杏甘石湯と同じような症状で、せきが激しい人に向く。
6 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)★▲◆
  小児ぜんそくに用いられることが多い。
7 越婢加半夏湯(えっぴかはんげとう)
  呼吸困難が激しく、目を見開いて苦しむ人に向く。
8 甘草麻黄湯(かんぞうまおうとう)
  呼吸が止まるかと思うほどの激しい呼吸困難に効く。
9 麦門冬湯(ばくもんどうとう)★▲◆
  発作がしばしば起こり、顔が赤くなる人によい。
10 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)★▲◆
  ほかの薬と併せて用いることが多い。
11 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)▲
  冷え症で貧血ぎみの人によい。
12 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)▲●
  背中全体が気持ち悪く、寒い症状によい。

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処方薬の ★=保険適用薬  ▲=顆粒剤(かりゅうざい)  ◆=錠剤  ●=カプセルをあらわす。無印は煎じ薬(せんじやく)のみを示す。

ツボでは

気管支ぜんそくをなおすツボ治療のポイント
●気管支ぜんそくの発作、のどや胸の痛みなどの諸症状に、ツボ刺激がよく効く。
●首のうしろのつけ根にある治喘(ちぜん)が特に重要なツボ。
●治喘のそばの大椎(だいつい)は、アレルギー体質の人に欠かせないツボ。併用するとより効果的。
●身柱(しんちゅう)、中府(ちゅうふ)、孔最(こうさい)、太淵(たいえん)もよく効く。
●指圧、灸(きゅう)、ホットパックなどで治療するとよい。


気管支ぜんそくの特効ツボ
最も効果のあるツボ
治喘――気管支ぜんそくの発作に効く


ツボの見つけ方
頭を思いきり前方に傾けたとき、いちばん高く突き出る首の骨から手の指幅1本分外側のところが治喘のツボ。アレルギーに効く大椎は、左右の治喘の中間で少し上にある。

治療のコツ
指圧治療がよい。発作中は、まずせきや胸の苦しさをとることを目的にツボを押す。左右の人さし指であまり力を入れずにツボを押す。発作がおさまっているときは、ホットパックや蒸しタオルで背中や胸を温めてから、同様に指圧する。
その後、大人なら米粒半分ほどのもぐさで、3〜5壮(1壮は1回)灸をすえると効果的。

●ぜんそくには腹式呼吸がよい 息を吐くときに腹をへこませるこの方法だと、少ないエネルギーで効率のよい呼吸ができる