乳児の場合は、夜尿はあたりまえのことです。
成長するにしたがいその回数は減っていき、5歳までにはほとんどなくなるのがふつうです。
個人差はありますが、肉体的・知能的欠陥がないのにもかかわらず、5歳以降もひんぱんに夜尿があるものを夜尿症と呼んでおり、中学生になっても治らないものもあります。
原因と症状
夜尿症の症状には、大きく分けて2種類あります。
[1]一次性夜尿症 学童期になっても、乳幼児期からの夜尿が治らないままのもの。
[2]二次性夜尿症 夜尿をしなくなった子供が、再び夜尿をくり返すもの。
夜尿症のなかでいちばん多いのは、浸透圧の低い尿が大量に出るものです。
この原因としてはストレス、水分のとりすぎ、抗利尿ホルモンが夜間に分泌されにくい、バイオリズムが乱れる、などが考えられています。
また、自律神経系が未発達のため、夜間に排尿の必要があってもそれを感知できず、尿をもらしてしまうこともあります。
あるいは、遺伝的に膀胱(ぼうこう)が小さいため、排尿機能未発達ということも考えられます。泌尿器の異常ということもまれにあります。
これらの物理的な原因に加え、夜尿症は心理的な側面も大きくかかわっています。
治療は、多くはこれらの見地から行われます。
治療
心理的治療 一次性・二次性とも、夜尿症は小児科の専門医とよく相談することが大切です。
本人には精神的な葛藤(かっとう)がありますから、それをときほぐす意味でカウンセリングを行うのが最もよい方法です。
特に二次性夜尿症は、その心理的要因をつきとめることが大切です。そして、その要因をとり除くわけですが、ここには本人以外の人物、特に親が関与している場合が多いものです。
原因解明のためにも、親子でカウンセリングを受けるのがよいでしょう。
たとえば、厳しいしつけが原因ということがあります。この場合、親が方針を改める必要があります。
また、学校の人間関係など、社会的要因が原因ということもあります。
この場合は現実から逃げずに、それに立ち向かう精神力をつけることのほうが大切です。
物理的治療 物理的な治療として次にあげる方法があります。
●昼間排尿をがまんさせ、膀胱を大きくする、●排尿を途中でストップする訓練をし、排尿をコントロールする力をつける、●自律神経調整剤や精神安定剤、抗うつ薬などの薬を投与して心理的葛藤をやわらげる。
しかしこれは必ず医師の指導のもとに、計画的に行わねばなりません。
生活上の注意
精神的な弱さが深く関係している面もありますから、本人に夜尿症を自覚させてしまうのは治療の妨げとなることがあります。子供は成長するにしたがい、朝、ふとんがぬれていることを恥ずかしく思うようになるものです。
子供をしかって屈辱感を与えるのは避けるべきです。したがって母親は、子供の前でふとんを始末する際、事務的にたんたんと行うとよいでしょう。
また、ふだんも「おねしょ」のことをできるだけ話題にせず、子供の緊張をやわらげます。そして子供に気づかれないように、夕方以降の塩分と水分の摂取を控えるようにします。
何とか治そうと努力しているさまを見せないほうがよいようです。医者にかかる際も、治らないからといっていくつかの医者を回ったりするのも逆効果になることもあります。
●夜中に無理に起こしておしっこさせるのは? 睡眠のリズムをこわし、体のバランスをくずします。“起こすな、おこるな、あせるな”が原則です。
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