現代医学 漢方薬

病気編 歯・口の病気  口角炎/口内炎/舌炎
●口角炎  ●口内炎  ●舌炎

●口角炎
 くちびるの両端がただれる病気で、口角びらんともいいます。
原因 直接の原因は、連鎖球菌やぶどう球菌などの細菌や、ウイルス、真菌(かび)の一種のカンジダなどの感染です。
 このような感染を起こす誘因としては、かぜなどの病気による高熱、胃腸障害、貧血、ビタミンB2の欠乏、糖尿病などのための全身衰弱などがあげられます。
症状 くちびるの両端(口角)の皮膚から粘膜にかけての部分が赤くなるのが初期症状です。
 続いてひび割れのような亀裂(きれつ)ができて、食べ物や飲み物がしみて痛んだり、血が出たりします。ただれや潰瘍(かいよう)ができ、やがてかさぶたで覆われます。大きく口をあけようとすると痛み、かさぶたがはがれると血が出ます。
 ウイルス感染が原因の場合は、初期症状として水疱(すいほう)ができます。それがただれると、かゆみや熱い感じを覚えます。
治療 ふつうは、2〜3週間で自然に治ります。家庭では、患部を消毒してから硼砂グリセリン(ほうさグリセリン)をつけておくとよいでしょう。また、ハチミツをぬると痛みがやわらぎます。ビタミンB2を含むビタミン剤の服用も効果があります。抗生物質の入った軟膏(なんこう)の塗布などもよいでしょう。
 治りにくいときは、医師の診察、治療を受けましょう。
 何度もくり返して口角炎を起こすときは、全身の病気があることも考えられますから、検査を受けてください。
 歯みがきや歯石の除去、うがいなどを習慣づけて、口の中をいつも清潔に保ち、予防に努めましょう。

●口内炎
 口の中の粘膜に起こる炎症、荒れ、ただれを口内炎といいます。いくつかのタイプがあり、症状によって、カタル性口内炎、潰瘍性口内炎、壊疽性口内炎(えそせいこうないえん)などに分けることができます。
原因 口の中には、常にいろいろな細菌がいますが、健康なときは粘膜に強い抵抗力があるため、病気になることはありません。ところが、病気にかかったり栄養状態が悪くなって、全身が衰弱すると、粘膜の抵抗力も低下します。すると細菌感染が起こりやすくなり、口内炎になります。
 原因となる病気には、かぜ、胃腸病、ビタミンBやCの欠乏、たんぱく質の欠乏、慢性的な疲労などがあります。
 細菌やウイルス感染のほかに、虫歯や歯槽膿漏症(しそうのうろうしょう)などで口中が不潔であったり、入れ歯があたるなどの刺激によっても起こります。
症状 口内炎のなかでも軽い症状なのが、カタル性口内炎です。口の中の粘膜が、全体的に赤く腫(は)れる場合と、ところどころが斑点(はんてん)のように赤くなる場合とがあります。
 唾液(だえき)がふえて粘ついたり、口臭が強くなります。酸味や辛みなどの刺激が強いものを食べると、しみてひりひり痛んだりもします。ひどいときは話すのもつらいほどで、重症になると高い熱が出ます。
 潰瘍性口内炎(かいようせいこうないえん)は、口の粘膜のあちこちに、小さな潰瘍ができます。その潰瘍の種類によって、びらん性、偽膜性、アフタ性などに分けられます。
 潰瘍の表面が赤くただれるものがびらん性、表面に白い偽膜のようなものができるのが偽膜性、潰瘍が円形で中央に白っぽいくぼみがあるものをアフタ性といいます。
 アフタ性のものは、原因不明のことが多く、栄養不良や妊娠、月経と関係していることもあります。くちびるの内側や歯ぐきなどによくできます。
 壊疽性口内炎は、めったにみられませんが、最も重いタイプの口内炎です。口の中の組織を腐らせてしまうもので、はしか、腸チフス、肺炎、白血病などの病気に伴ってあらわれます。
治療 対症療法としては、うがい薬や重曹水などを使って1日数回うがいをして、口の中を清潔にします。同時に抗生物質が配合された口腔(こうくう)用の軟膏(なんこう)を患部にぬって、刺激から保護するとよいでしょう。
 食べ物がしみるので、刺激のあるものは避け、痛みがひどければ流動食にします。
 原因として栄養素の欠乏が思いあたるようなら、食品やビタミン剤などで補給しましょう。
 これらの処置をすれば、軽いものなら、1週間から10日で治ります。しかし、重症のときや、軽くてもくり返しあらわれる場合は、全身の病気が起こっていることも考えられるので、医師の診察を受ける必要があります。
予防 口の中を清潔にすることが基本です。食後の歯みがきやうがいを実行しましょう。
 体を健康に保ち、抵抗力を弱まらせないよう過労を避け、栄養バランスのとれた食事をとって、体調を整えることも大切です。

●舌炎
 口内炎といっしょにできるものと、舌だけに単独でできるものがあります。口内炎に伴うものは、原因、症状ともに口内炎と同じで、治療法もそれに準じます。
 舌だけにできるものには、ハンター舌炎(ハンターぜつえん)、原因不明の地図状舌などがあります。ハンター舌炎はビタミンB2の投与などで治します。そのほかの場合は、口内炎と同じ対症療法で治療します。