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鼻のしくみ
鼻は、入り口から奥に向かって、外鼻、鼻腔、副鼻腔からなる。吸い込んだ空気を浄化、加温、加湿して肺に続く気道へ送り、嗅覚をつかさどる。発声のとき共鳴器の役割も果たす
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●急性鼻炎
鼻の中の粘膜が炎症を起こすのが鼻炎です。急性鼻炎は、いわゆる鼻かぜの状態です。
原因 ほとんどは、かぜに伴って起こります。かぜのウイルスに感染したために、鼻の粘膜の抵抗力が弱まっているところに、ほかの細菌が感染したことが原因です。
誰でもよくかかる病気ですが、体質や鼻腔(びくう)の形などによって、かかりやすい、治りにくいなどの個人差があります。
症状 最初に気づくのは、鼻の奥のかわいた感じです。続いてくしゃみ、鼻汁、鼻づまりが起こります。
鼻汁は初め水っぽく、徐々に粘性を帯びて黄色っぽくなり、さらに膿性(のうせい)の青緑色がかったものになります。鼻がつまると、声が鼻声になり、物のにおいがわからなくなります。
鼻の症状のほかに、せき、たん、発熱、頭痛、全身の倦怠感(けんたいかん)や筋肉痛、のどの痛みなどのかぜの症状を伴うことがよくあります。
治療 炎症を起こしている場所に、直接、薬を注入したりぬったりします。
同時に、鎮痛薬、解熱剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質なども必要に応じて投与されます。
家庭では、安静を保ち、鼻やのどに湿りけを与えるために、室内の保湿、保温に気をつけます。また、空気も清浄に保ちましょう。
適切な治療を受ければ、1〜2週間で治るのがふつうです。しかし、膿性の鼻汁がなかなか減らないときは蓄膿症(ちくのうしょう)を、また、耳の痛みやふさがった感じ、難聴があるときは急性中耳炎を起こしている可能性があるので、早めに耳鼻科の診断、治療を受けましょう。
●慢性鼻炎
原因 急性鼻炎がくり返し起こるうちに慢性化するものと考えられます。はっきりした急性鼻炎の症状がないまま、知らないうちに慢性鼻炎になる場合もあります。
慢性鼻炎には、次のような3つの型があります。
●鼻カタル 鼻粘膜に炎症があって腫(は)れている状態です。
●肥厚性鼻炎 炎症のために鼻粘膜の組織が増殖し、粘膜がかたく、厚くなった状態です。
●萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん) 鼻粘膜や骨がやせて鼻腔が広くなる病気です。
症状 鼻カタルと肥厚性鼻炎は、ほぼ同じ症状です。鼻づまりがあり、粘性の鼻汁が出ます。左右交互につまったり、眠るとき下になったほうがつまったりします。鼻づまりの程度は肥厚性鼻炎のほうが強く、持続的で、つまる側が決まっている傾向があります。
萎縮性鼻炎の場合は、鼻の奥がかわいて、かさぶたができます。悪臭がすることもあり、その場合は特に、臭鼻症(しゅうびしょう)とも呼ばれます。
治療 鼻粘膜に薬をぬったり、鼻の洗浄、吸引などで、少しずつ炎症を鎮(しず)めます。
肥厚性鼻炎が重症のときには、厚くなった粘膜を手術で切りとることもあります。
鼻カタルの鼻づまりには、血管収縮剤の入った市販の点鼻薬が効きますが、長く使うと肥厚性鼻炎に移行するので要注意です。
萎縮性鼻炎は、かさぶたをとって清潔にし、必要があれば手術で鼻腔を狭くします。
室内の換気、保湿に留意し、規則正しい生活を心がけましょう。