現代医学 食事 漢方薬

病気編 内分泌・代謝異常・栄養障害 肥満症
肥満の2つの型
リンゴ型はおなかに脂肪がつくタイプ。成人病にかかりやすく男性に多い。洋ナシ型は女性に多く、下半身が太る

原因
 脂肪組織に脂肪がたくさんたまり、体重の増加した状態を肥満といいます。肥満の原因には、大きく分けて次の2つがあります。
 1つは、原因となるはっきりとした病気のある肥満で、これを症候性肥満といいます。ホルモン異常、脳の異常、遺伝の病気などが原因となります。
 もう1つは、原因となる病気がない肥満で、これを単純性肥満といいます。肥満の多くは、この単純性肥満です。食事で摂取するエネルギーより、消費するエネルギ−のほうが少ない生活が続くと、余ったエネルギーは脂肪となって体内に蓄積されます。そのため、肥満が起こるのです。

合併症
 肥満は、病気を起こしたり、悪化させたりする原因になります。今は健康でも、けっして安心はできません。
心臓病 心臓の負担が大きくなり、狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)を引き起こします。
糖尿病 インスリンの働きが悪くなり、血糖値が上がって糖尿病になります。
高血圧症 因果関係は明らかではありませんが、高血圧の人には肥満の傾向があります。
関節の病気 体の重みで関節にかかる力が大きくなり、ひざや腰の関節の故障が出やすくなります。
 ほかに、太った人に多い病気には、高脂血症、脂肪肝、痛風などがあります。

診断と治療
 標準体重より20%以上体重がオーバーしている場合を、肥満とします。標準体重値はいろいろありますが、左下の表のほか、次の算出法も目安になります。
 標準体重(kg)={身長(cm)−100}×0.9(身長が150cm以下の場合には、0.9をかけない値を標準体重とする)。最近は、ボディマス指数{体重(kg)÷身長2乗(m)}が23以下を目安とします。
 しかし、肥満症は脂肪の量が問題なので、筋肉量などにも左右される体重だけで判定するのには、無理があります。
 治療の基本は、摂取するエネルギーを減らし、消費するエネルギ−をふやすことで、食事と運動が中心になります。
食事 エネルギーの摂取量を減らすためには、まず第一に食べすぎないことです。そのほか、次のようなことに注意しましょう。
●甘いものや清涼飲料水など、糖質の多いものを控える、●乳製品、動物性脂肪を多く含む食品を少なくする、●フライやてんぷらなど、大量の油で調理した料理を減らす、●魚、肉、卵、牛乳など、良質のたんぱく質を十分にとる、●ご飯、パン、めん類などの主食を少なめにして、おかずを多くする、●野菜や海藻で食物繊維をたっぷりとる、●味つけはうす味にする、●酒はなるべく控える。
 高血圧が気になる人は、塩分を減らす工夫も必要です。うす味に慣れ、酢や香辛料を使って調味法を工夫し、食べやすくしましょう。
 食べ方の注意点としては、●1日3食、きちんと食事をとる、●よくかんで、ゆっくりと食べる、●眠っているときはエネルギーが消費されず蓄積されてしまうので、寝る前には食べない、●まとめ食い、ながら食い、早食い、ヤケ食いはしない、●少ないエネルギーで満腹感の得られる野菜を、献立に必ず入れるなどです。
運動 消費エネルギーの量をふやすために、運動をします。運動は、体の脂肪を減らすと同時に、筋力、体力の維持にも役立ちます。
 体内に蓄積された脂肪の分解には、ホルモンがかかわっています。脂肪を分解させるホルモンの分泌を盛んにするのは、ゆっくりした筋肉の動きを伴う運動です。
 体内の脂肪をスムーズに溶かすスポーツは、早歩き、ジョギング、水泳など、持続型のものです。なかでも、気軽にできて効果が期待できるものは、早歩きです。1人ででき、毎日の生活のなかで、いつでもできるからです。1日に、今までよりも30分多く歩くことから始めてみましょう。

生活上の注意
 減量は1週間に1kgを目標とし、けっして急いではいけません。また、精神的ストレスがあると過食を招くことがあるので、うまくストレスを解消することも減量に役立ちます。



標準体重表
身長
140cm
141
142
143
144
145
146
147
148
149
150
151
152
153
154
155
156
157
158
159
160
161
162
163
164
165
166
167
168
169
170
171
172
173
174
175
176
177
178
179
180
45.9kg
46.5
47.1
47.7
48.3
48.9
49.5
50.1
50.8
51.4
52.0
52.6
53.3
53.9
54.6
55.2
55.9
56.6
57.2
57.9
58.6
59.3
60.0
60.7
61.4
62.1
62.8
63.6
64.3
65.0
65.8
66.5
67.3
68.1
68.9
69.7
70.5
71.3
72.1
72.9
73.8
46.8kg
47.2
47.6
48.1
48.5
48.9
49.3
49.8
50.2
50.6
51.0
51.4
51.9
52.3
52.8
53.2
53.7
54.2
54.7
55.2
55.7
56.2
56.8
57.3
57.9
58.6
59.2
59.9
60.5
61.3
62.0
62.8
63.6
64.4
65.3
66.2
67.1
68.1
69.1
70.1
71.2
(明治生命)(塚本宏:日本保険医学会誌83:36、1985)

●夜食は肥満を招きやすい 夜間、睡眠中は脂肪を合成しやすいので、同じエネルギー量でも昼食より夜食でとると太ってしまう。