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病気編 胃の病気 胃下垂/胃アトニー

正常な胃と胃下垂、胃アトニー
正常な胃は骨盤より上にあるが、胃下垂や胃アトニーでは、胃の上端の位置は正常なのに、下端が骨盤まで伸びている

胃下垂による悪循環
胃下垂とわかると、不安から食欲不振、胃の緊張低下が起きて、症状が出てしまう。その結果、さらに不安がつのり、悪化するという悪循環になる。この循環を断つことが大切


 胃が正常な位置よりも下がって、胃角(胃の下のほうの曲がり角)が骨盤より下にある状態を、胃下垂といいます。
 それ自体は病気ではないので、健康に生活できれば問題はありません。何らかの症状が出たときには、胃下垂症としての治療が必要です。
 胃下垂に伴ってあらわれやすいのが胃アトニーです。
 これは胃の筋肉の力が弱まり、緊張がゆるんだ状態で、下がった胃が、さらにダラリとした感じになります。
 胃のもたれや、食欲不振といったさまざまな自覚症状が出るのは、このような状態になって、胃の働きが悪くなってしまったときです。

原因
 胃下垂、胃アトニーは、胃の位置が正常でないという、一種の体質のようなもので、次のような人に多くみられます。
●生まれつき体が弱い人、●やせ型で筋肉も弱い人、●神経質な人、●男性よりも女性に多い。特に妊娠、分娩(ぶんべん)をくり返して腹壁のゆるんだ人。

症状と診断
 胃下垂だけの場合は、胃が正常に働いていれば、自覚症状はほとんどありません。胃アトニーを伴う胃下垂のときは、次のような症状が出てきます。
胃の不快感 消化不良からくる胃のもたれ、げっぷ、胸やけ、吐きけ、食欲不振など。
おなかがはる 食事のあと、下腹部が膨張した感じや圧迫感を覚えることがあります。便秘を訴える人もいます。

治療
 もともと病気ではないので、特別な治療法はなく、食事療法を中心にした、生活上の注意がポイントです。
一度に食べすぎない 1回の食事の量を少なくすると、胃が下がるのを防げます。
消化と栄養バランス 胃への負担が少ない、消化のよい食品を選び、良質のビタミンで十分栄養をとります。
適度な運動 腹筋運動、太極拳などの軽い運動を、少し時間をかけて続ければ、胃を持ち上げる効果が期待できます。
食後の休息 右側を下にして横になると、胃の機能を補助できます。
精神の安定 ちょっとした症状を大げさに心配しないことです。
 胃の不快症状がかなり強い場合には、医師の指示で胃薬を服用します。