基礎知識編 PART2 家庭看護の知識
体の清潔
 皮膚を清潔に保てないと、体温調節や新陳代謝がしにくくなり、細菌の繁殖も起こります。
 病人は大量に汗をかくので汚れやすく、精神的にもイライラしがちです。入浴を助けたり、部分的に体をふいたりして、気分もさっぱりとさせてあげたいものです。

手を洗う
 洗面器にお湯をはり、ビニール布の上に置きます。手をお湯に浸し、必要なら石けんも使って指の間まで洗います。起き上がれないときは横向きにして、上側の手から片方ずつ洗うとよいでしょう。

病人の手は意外に汚れていることが多い


足を洗う
 まくらやクッションをひざ下に置いて安定させ、深めの洗い桶(おけ)にぬるま湯を入れ、両足を浸します。
 洗うときは片足ずつ支え、ウオッシュクロスで指の間もていねいに。


陰部を洗う
 汚れやすく、細菌も侵入しやすい部位なので、1日に1〜2回はピッチャーなどでぬるま湯を流します。専用のタオルで前からうしろへふき、同じ面は使わないようにします。
 病人の気持ちを考えて、不必要な露出は避け、人目に触れない配慮が必要。手を使える人には、なるべく自分でふいてもらいます。



全身をふく
 入浴ができない場合は、お湯で全身をふきます。一度に全身が無理なら、毎日少しずつ分けます。
順序
[1]顔と首、耳  [2]腕から肩
[3]胸とわきの下 [4]腹
[5]足      [6]おしりから背中
[7]陰部
●ウオッシュクロスの巻き方

4本の指におしぼり用のタオルを巻きつける
先を折り、手のひらとタオルの間にはさむ


●ふき方
洗面器のお湯で、手早く、平均した力でふく。胸や腹は円を描くように

入浴の介助

 入るときは、まずしっかりした板に座らせ、片足ずつ順に浴槽に入ります
 出るときは、板に腰をかけるように体を引き上げ、両足を外に出してから、浴槽を出ます

理想的な浴室の条件とあると便利な看護用品
老人や体の不自由な人にも使いやすい浴室のポイントは次の5つ。
[1]手すりがついていること。65〜90cmの高さで壁から5〜6cm離し、太さは25〜32mmを目安に、とりつけるときは専門家のアドバイスを受ける。
[2]入り口を引き戸やカーテンにし、段差をなくして入りやすくする。
[3]ゴムマットなどですべりにくくする。
[4]浴槽に出入りしやすいように、ステップをつける。
[5]居室から浴室までの距離をなるべく短くして、おっくうにならないようにする。



●背中が楽に洗えるブラシ
大きくU字型に曲がった柄のボディーブラシや、長い柄のついたスポンジを使えば体が多少不自由な人も洗いやすい

●指が不自由な人に向く浴用手袋
両手にはめて使う。すみずみまで洗える。5本指のものとミトン型がある

●手で押さえるつめ切り
細かいものが握れない人でも使えるつめ切り。手のひらや腕で押さえて切るしくみ