基礎知識編 PART1 民間療法入門 やさしい民間薬の利用法
薬酒
 野草、生薬、果実や身近な食品に含まれる薬効成分を、酒の中ヘしみ出させたものが薬酒です。
 アルコールは、薬効成分をよく吸収するので、少量でも効果があります。また、口当たりがよく、飲みやすいというメリットがあります。ただし、糖尿病、高血圧の人は、医師に相談してからにしましょう。

梅酒の作り方

●用意するもの
 焼酎(しょうちゅう:ホワイトリカー)を用意します。たいていは35度のものを使用しますが、生薬が材料になる場合は、25度を使いましょう。
 糖分は、材料の発酵・成熟をうながすとともに、甘みによって薬酒を飲みやすくします。多くは氷砂糖を用いますが、グラニュー糖、ハチミツでもよいでしょう。糖分はなるべく少なくし、飲むときにハチミツなどを加えて飲みやすくします。
 材料は、旬(しゅん)に、新鮮で無傷のものを求めましょう。鮮度が落ちると薬効成分が低下し、また、傷があると風味が落ちます。
 焼酎につける直前に、水洗いして、ほこりや農薬をきれいに落とし、徹底的に水きりして、かびの発生を防ぎます。生薬などの乾燥品は、清潔な紙の上で、ごみや異物をとり除いておきます。茎や根などの太いものは小さく刻みます。
●作り方
 材料、氷砂糖、焼酎を、透明で密閉できる広口のガラスびんに入れ、冷暗所で保存します。作った日、熟成完了時期などを書いたラベルを貼っておくとよいでしょう。
 ときどき、中身の材料を揺り動かし、成分が十分に抽出されるようにします。しばらくおくと自然に熟成が進み、でき上がります。
●飲み方
 毎日適量を、長期にわたって飲むと、効果が上がります。飲みすぎは禁物です。持病のある人、病後の人は医師と相談しましょう。

薬酒の効用と作り方(焼酎の量は、いずれも1.8リットル)
アロエ酒 便秘、痔、胃弱に。トゲをとり6〜7cmに切ったアロエ540gに氷砂糖は180g。2か月後アロエを除き、こす
ニンニク酒 疲労回復、かぜに。皮をはぎ、1片ずつばらし、半分に切ったニンニク540gに氷砂糖は450g。水、ハチミツ、梅酒とブレンド
キハダ酒 健胃、下痢に。乾燥キハダ{生薬名・黄柏(おうばく)}112gに氷砂糖は340g。3か月後こす。食欲不振には食前、下痢には食間に
アマドコロ酒 老化防止、美肌に。細かく切った生または乾燥した根茎250gに氷砂糖は400g。6か月後こす
タンポポ酒 解熱、健胃、利尿などに。刻んで日に干した春摘みの葉と乾燥根200gに氷砂糖は200g。2〜3か月後こす
キンモクセイ酒 不眠、低血圧症に。陰干しの乾操花30gに氷砂糖は100g。つけて3〜4日後、花をこしとる。香りのよい薬酒
ベニバナ酒 冷え症、月経痛に。乾燥花90gに氷砂糖は360g。2〜3か月後こす。お湯割りやレモン汁を加えると飲みやすい
パセリ酒 貧血、食中毒予防に。若葉270gに氷砂糖は180g。細かくちぎってつけ、2か月後こす。ハチミツを加えてもよい
サクランボ酒 虚弱体質改善に。5月ごろの酸味の強い実1kgに氷砂糖は150g。軸つきのまま傷つけないようつけ、3〜6か月後こす
セロリ酒 疲労回復に。セロリ200gに氷砂糖は100g。1〜2cmに刻んでつけ、1〜2か月後こす。不眠には就寝直前に30mlを飲む
桑の実酒 冷え症、強壮に。材料は完熟した果実{生薬名・桑椹(そうじん)}500gに氷砂糖は150g。1〜2か月後、果実をとり除く
シソ酒 精神不安、健胃、整腸、たんに。夏に採取し陰干しして半乾燥した葉と実200gに氷砂糖200g。3か月後こす
ショウガ酒 低血圧の肩こりに。根ショウガの薄切り100gに氷砂糖は200g。6か月後こす。かぜの初期には就寝直前のお湯割りが効く
唐辛子酒 冷え症、食欲増進に。唐辛子15本、皮をむいた4つ割りのレモン4個、2週間後に唐辛子、2か月後にレモンを除く

●薬酒の保存法 遮光性の褐色細口びんに薬酒を移しかえ、栓(せん)をして冷暗所で保存するのがベスト。冷蔵庫は冷えすぎてよくない。