基礎知識編 PART1 漢方療法入門
漢方医のかかり方
過去の病院遍歴などは無意味。現在の症状を正確に伝えることが重要

漢方医に免許はない
 日本には漢方医の免許はなく、何らかの治療行為を行うためには、現代医学の医師免許が必要です。ですから漢方専門医は、現代医学の知識と技術を習得したうえで、漢方中心に治療活動を行っている医師のことです。
 できれば熟練した漢方専門医を訪ねるのがいちばんですが、絶対数が少ないのが現状です。最近では大病院や総合病院のなかでも、漢方治療を熱心に勉強している医師もふえていますので、病院に問い合わせてみるとよいでしょう。
 漢方専門医が見つからないときには、漢方の勉強を熱心に行っている漢方薬店に相談してみることです。
 薬剤師は診察はできませんが、アドバイスはしてくれます(→「全国の漢方名医一覧」)。

漢方にも診察はある
 漢方には診察はないと思っている人が意外に多いのですが、「漢方独特の診察法」でくわしく触れたように、漢方にも診察はあり、そのうえで処方が決められます。
 ですから医院にはやはり本人が行かなくては意味がありません。そして、問診では、正確な情報を伝えます。
 重要なのは、いま現在、どこが、どのように痛い、あるいは苦しいのか、といった自覚症状です。医院を訪れる前に、自覚症状を筒条書きにしておくとよいでしょう。

漢方治療は健康保険でできる
 漢方治療は保険がきかないので、高くつくという誤解がありますが、保険診療でも受けられるのです。
 医師が保険診療を行う場合、用いる薬は法律で決められたものでないといけませんが、漢方薬もその対象になっているのです。
 対象薬は年々ふえており、現在では164種のエキス剤に保険が適用され、ほぼどんな病気もこの範囲内で間に合います。
 なおエキス剤とは、漢方本来の煎じ薬(せんじやく)から水分だけをとり除き、錠剤や顆粒(かりゅう)、粉末にしたものです。
 ただ、名医といわれる医師のいる病院はむずかしい病気の患者が多く、ていねいな診察をしなくてはなりません。
 その結果、保険外の薬を投与するケースもあります。また、保険診療をしない、という場合もあります。
 病院に行く前に、保険診療をしているかどうか、自費診療であればどのくらいの費用がかかりそうかをあらかじめ電話で聞いておくとよいでしょう。自費診療では、初診料3000円、1日の薬代700円ぐらいなら、良心的な病院といえます。