基礎知識編 PART1 漢方療法入門
漢方はなぜ効くか

病気は、病毒と自然治癒力の戦争
 漢方では、病気は人の体を攻撃しようとする力(病毒)と、それに対抗し、体を守ろうとする自然治癒力(しぜんちゆりょく:体力)との戦いと考えます。
 だんだん病毒が侵略の手を伸ばしていくと、最初は勝っていた自然治癒力と病毒の力が拮抗(きっこう)してきます。これまでの状態を陽といい、さらに侵略が続き、病毒の力が治癒力に勝ってきた状態を、陰と呼んでいます。
 同じ病気でも、陽のときと陰のときでは、処方する薬が違います。

病気は原則として、体力(自然治癒力)100%から、体力ゼロ、つまり死へと進んでいく。病気でないときは陽が100%だが、病気が進行するにつれ、陰の割合が大きくなっていく



[1]病気の初め
まだ体力は十分あり、病毒に対して勝っている状態

[2]病気の進行
体力がだんだん弱まっていき、病毒の力と同じぐらいになる

[3]病気の全盛
病毒が勝ち、体力が負けてくる

漢方薬は自然治癒力を活発にする
 漢方薬は、衰えた自然の治癒力をとりもどし、病毒と戦う力を強化します。
 病毒のつけいるすきを与え、治癒力を低下させるのは、体のバランスのくずれです。
 漢方薬は、バランスをとりもどすよう体全体に作用することで、体力を回復させるのです。


漢方薬はオーダーメイド
 漢方では、体全体の多様な症状と体力に合わせて処方されるので、用いる薬の種類は各人各様です。病人に合わせて調剤される漢方薬は、まさにオーダーメイドといえます。
 これは、同じ病気ならば誰でも同じ薬を用いる西洋医学の治療法と、大きく異なる点です。