がん・アレルギー特集 がん
[6]がんの知識と治療
子宮がん
子宮がんのできる位置
ホルモン分泌の活発な成熟期には腟近くに、閉経後には子宮側にがんができる場合が多い

 子宮がんは、子宮の入口近くにできる子宮頸がん(しきゅうけいがん)と、子宮の奥にできる子宮体がんとに大別できます。日本では子宮頸がんが圧倒的に多く、8割を占めています。しかし最近では、子宮体がんの比率が多少上がる傾向にあります。
 40歳代と50歳代の人に最も多く、それ以降は減ってきます。

原因
子宮頸がんは性交によるウイルス感染説が有力
 子宮頸がんの原因は、ヘルペスウイルスU型、パピローマウイルスなどが関連していると考えられています。
 これらのウイルスが、セックスを通じて体内に入り、がんが発生する、つまり性交による感染症という説が、最近では有力になっています。
 統計的には、妊娠回数が多い人や、初交年齢が低い人、何回も結婚をくり返した人がかかりやすいという報告もあります。また、多数の性交対象者がある人ほどかかりやすいといわれます。
 ただ、原因は性交だけとは限りません。性交とは無関係にかかる若い人もいるからです。
 子宮体がんは、妊娠しなかった人や、太っている人、高血圧、糖尿病などの人がなりやすく、若い人にはあまり多くありません。


症状
性交時の出血など不正出血やおりものが早期発見の目安
 がんが進行してくると、潰瘍(かいよう)部分がくずれて出血するようになります。特に性交時の出血に異常を感じて病院に行き、がんとわかるケースが多いのです。そのほかの月経時以外の不正出血にも、注意が必要です。
 おりものも、がんのサインです。おりものの形状や色はさまざまですが、悪臭を伴う場合には、がんが進行していることが多いようです。
 子宮頸がんが進行して骨盤壁に病巣が広がると、腰痛が起こります。膀胱(ぼうこう)や直腸にまで広がったときには、血尿、血便、頻尿(ひんにょう)、排尿時の痛み、便通の異常などが起こってきます。
 これらの症状は、進行してからあらわれるものなので、早期発見には、定期的な細胞診が大切です。
 なお子宮体がんは、子宮頸がんと違って転移するケースは少ないのが特徴です。いずれにしても不正出血など、少しでも異常を感じたら、すぐに診察してもらうようにします。

検査・治療
初期ならばレーザー治療で完治、妊娠・出産も可能に
 集団検診では、子宮の入口をこすって細胞をかきとり、顕微鏡で検査します。痛みもなく、簡単な方法です。
 異常が認められた場合には、子宮腟部拡大鏡(しきゅうちつぶかくだいきょう)という器具を入れ、内部を直接観察します。
 そのほか、手を入れて触診する内診、がんの疑いのある部分を少し切りとっての組織検査を行ったりして、診断します。
 早期で、まだ妊娠する可能性のある人には、レーザーでがんを焼きとる治療が行われます。
 早期でも、もう子供を産まない人や、進行しているがんの場合には、手術によって子宮を摘出します。
 進行程度が浅い場合には、子宮のほかは腟部を多少切りとるだけですみますが、そのほかの場合には、両方の卵巣を含めて、広範囲に摘出します。
 合併症などがあって手術できない人や高齢者には、放射線治療が行われます。これには、下腹部の外から照射する方法と、管を腟のほうから挿入して直接照射する方法とがあります。
 最近は集団検診の普及などにより、早期に発見される例がふえました。早期であれば、まずほとんどの人が、完治します。