| がん・アレルギー特集 がん | |
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[6]がんの知識と治療 肺がん |
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肺がんの種類 肺は気管支と肺胞(はいほう)でできた肺野に分かれている。気管支にできるがんは中心型、肺野のがんは末梢がんと呼ばれる |
症状
せきとたんが続く、特に血たんに要注意
最初の自覚症状としていちばん多いのが、せきとたんです。特に、たんに糸のすじのような血がまじっていたり、わずかな血がついていたら、要注意。肺がんとは限りませんが、一度精密検査を受けましょう。
そのほか、胸や背中の痛みが出ることもあり、進行すると、呼吸困難になることがあります。初期にはかぜに似た症状なので見逃しやすいのですが、かぜぎみの状態が1〜2か月も続くようなら注意が必要です。
検査
気管支内視鏡で肺の奥まで丹念に検査
X線検査や、たんに含まれる細胞を検査する細胞診、内視鏡検査などが行われます。
X線では、がんと疑われる影は発見できますが、これだけでがんと確定することはできません。そこでたんの中の細胞にがん細胞が含まれるかどうかを確認し、最後に気管支内視鏡で、がんのできている正確な位置を調べます。
気管支内視鏡は、気管支に挿入して直接患部を観察するものです。胃カメラなどの内視鏡よりずっと細く、現在では直径5mmのものも開発され、肺の奥の細い気管支まで挿入することができます。
検査は外来ででき、局部麻酔やせき止め薬の噴霧をしてから行いますので、苦痛はほとんどありません。
がん組織が発見できたら、内視鏡を通して長い鉗子(かんし)を入れ、組織を切りとって、生検をします。あるいは先端にブラシをつけ、それで組織をこすりとり、細胞診をします。
気管支にできる中心型肺がんは、気管支内視鏡でほとんど検査できますが、問題は肺野と呼ばれる部分にできる末梢がん(まっしょうがん)です。
末梢がんの検査では、気管支内視鏡を通して鉗子を肺野に入れ、そこの組織をとってきて、がん細胞があるかどうかを調べます。小さいものでは、X線透視下で針を皮膚の外から刺して、がん細胞をとります。
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気管支形成術 気管支形成術では、がんにおかされた肺葉を、太い気管ごと切除し、残った健康な肺葉と気管をつなぐ。これによって、1つの肺葉を切除するだけですむ |
治療
気管支形成術により片肺摘出せずにすみ、予後もよい
最近は、肺がんの治癒率(ちゆりつ)は50%近くまでアップし、早期であれば、ほとんどが治ります。
治療の中心は外科手術です。
従来は、片方の肺にがんができると、その側の肺をすべて摘出していました。片肺であっても日常生活に支障はありませんが、運動が制限されるほか、肺炎などにかかりやすくなるのは否めません。
そこで最近では、なるべく切除する部分は少なくしています。肺は、全部で5枚の肺葉でできていますが、このうちがんにおかされた肺葉だけ切除する、気管支形成術を行います。
気管支形成術は、左の図のように、肺葉を気管支部分から切りとり、健康な肺葉はつないで残す手術法です。
肺がんは転移しやすい特徴があって、転移はまず肺にあるリンパ節から始まります。そこで、手術の際リンパ節をきれいに掃除する、リンパ節廓清術(リンパせつかくせいじゅつ)という新しい技術が登場しています。廓清術とは、たくさんある肺のリンパ節は、転移する順番が決まっているので、すでに転移しているものと、転移の危険のあるものはすべてとり去る方法です。
数年前、胸腔鏡手術というのが開発されました。内視鏡を胸壁から(小切開しておいて)挿入し、内部を手術室に作った大スクリーンに写し、別の小切除からハサミやピンセット等を挿入して肺のごく一部を切除します。この頃は、肺葉切除まで行えるようになりました。肺がんには適応を考えながら試しているところです。術後の痛みが少なく回復が早いのです。
肺がんの治療では、手術だけでなく、抗がん剤などによる化学療法や、免疫療法、放射線療法なども加え、あらゆる知識を集めて行われます。