がん・アレルギー特集 がん
[6]がんの知識と治療
大腸がん
原因
食生活の欧米化が最大の要因で今後もふえつづける
 日本では大腸がんが増加の一途をたどっており、21世紀には胃がんを抜いて日本のがん発生率の第1位になるだろうと予測されています。
 これは、肉食中心の高たんぱく・高脂肪、さらに食物繊維摂取の少ない欧米型食生活に変わってきたためだろうといわれています。

症状
血液のほか、腹痛と便通異常が重要な早期サイン
 大腸がんで最も多いのは直腸がんで、ついで直腸の手前にあるS状結腸と呼ばれる部分にできる結腸がんです。
 大腸がんになると腹痛や便秘、下痢などの症状がありますが、発見されるきっかけで最も多いのが、血便です。
 痔(じ)と間違えやすいのですが、痔による血は鮮明であり、がんの出血は赤黒い色です。また痔のような痛みは伴いません。いずれにしろ、便に血がまじっていたら、一応がんを疑って、精密検査を受けましょう。
 そのほか、交互にくり返される便秘と下痢、便が細くなる、おなかがはるなどは要注意です。


大腸内視鏡
大腸内をくまなく見たり組織をつまみとって調べることができる

検査・治療
人工肛門にすることも少なく、予後もよい
 目に見えない便中の血も検出できるのが、便潜血反応検査です。事前に食事制限をしないでできる検査法が開発され、集団検診などで一般的に使用されることが期待されています。
 精密検査で威力を発揮するのは、大腸内視鏡です。肛門(こうもん)から内視鏡を入れ、内部を調べたり、組織を少量とって生検を行うこともできます。
 治療は、小さな腫瘍(しゅよう)であれば、内視鏡を用いて切除することもできます。
 一般的には、治療の基本は手術です。術後に心配することも少なく、大腸がんは治りやすいがんのひとつです。
 直腸がんでは、肛門も切除して脇腹に人工肛門をつくりますが、最近ではQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を考慮してできるだけ肛門切除はしない傾向にあります。そのため、肛門を切除するのは1〜2割の人だけです。また人工肛門になっても、日常生活や運動にはさしつかえありません。

●人工肛門 腹部に穴をあけて便を排出する。便を受ける袋や装着法も改善され、においなどの心配はなく、自分で腸内の洗浄もできる。