| がん・アレルギー特集 がん | |
|
[6]がんの知識と治療 胃がん |
|
|
|
胃がんの手術後5年の生存率 |
|
|
胃壁と胃がんの進行度 胃がんの進行度は、患部の大きさよりも深さによる。胃壁の粘膜下層までのがんを早期がん、さらに胃壁の外側深くに広がると、進行がんという |
症状
検査
確実な診断には、X線・内視鏡検査をし、さらに生検が必要
胃がんの検査はまず、集団検診や企業などの健康診断などでおなじみの、X線検査から始まります。
X線検査で異常が発見されると、次に内視鏡検査を行い、直接胃の内部をのぞいて、細部まで徹底的に調べます。X線検査ではよくわからなかったほんの小さな初期がんも、内視鏡なら発見することができます。最近では、X線検査をせず、最初から内視鏡検査をすることも多くなったようです。
内視鏡は、いまでは直径1cm程度のものもあり、ほとんど苦痛なく飲み込むことができるようになっています。
また、超音波検査法と組み合わせた超音波内視鏡や、CCDという光センサー素子を使った電子スコープという新しい内視鏡も登場し、非常に鮮明な内部の画像が得られるようになりました。
内視鏡で発見されたがんらしき影が、がん組織であるか疑わしい場合や、確実にがんを診断するには、胃生検が行われます。
内視鏡を使って、胃の内部をのぞきながら、内視鏡の先についた鉗子(かんし)で、疑わしい部分の胃の粘膜組織を少しだけつまみとり、それを顕微鏡などで病理学的に検査するのです。
治療
早期手術が主流。極小がんは内視鏡で切除することも
胃がんの治療は、手術による患部の切除が第一原則ですが、ごく小さい早期がんには、内視鏡でそこだけ切除すれば治癒することがわかってきました。内視鏡的粘膜切除と呼びます。早期がんの20〜30%はこの方法で治療します。
がんが治癒したかどうかは、手術後5年間生存したかどうかを目安にしています。これによると、早期の胃がんでは、5年生存率が95%以上という、高治癒率を示しています。早期のがんなら、まず手術によって治療できるといってよいでしょう。
手術では、胃をすべて摘出してしまう場合と、部分的に切除する場合があります。これはがんの進行のぐあいというより、がんができた場所によります。胃の入口、つまり食道近くにできたがんでは、早期であっても全摘出することが多く、胃の出口近くにできたがんの場合には、胃の下半分から4分の3程度摘出します。
胃の全摘出を行った場合には、食道と十二指腸の間を小腸の一部を切りとったものでつなぎ、それを胃のかわりにします。
高齢者で抵抗力がない、合併症があるなどで手術ができない場合は、内視鏡治療、抗がん剤による化学治療、放射線療法など、手術以外の治療法を組み合わせて治療します。このうち内視鏡治療は、内視鏡を用いて、患部を切除する方法です。最近では、体力がある人でも、ごく小さながんの場合には内視鏡治療をします。
予後
ゆっくり食事し、手術後も定期検診を忘れず、再発予防を
胃を全摘出したり、半分以上とってしまうのですから、手術後は食事の量も少なくなり、当然ながらやせていきます。
体重が減ったからとあせらず、食べられる分だけゆっくりとマイペースで食べていくようにしましょう。
体力が回復したら酒を飲んでもかまいませんが、少しずつ飲んでいくようにします。
また、手術後貧血になる場合がかなりあります。胃酸の分泌のバランスが狂うことなどが原因です。貧血症状が出たら、医師に相談して、薬をもらったり注射を打ってもらいます。
一方、術後の定期検診を忘れないようにしてください。薬の副作用のチェックのほか、再発の予防にも大切です。
もちろん、術後の人だけでなく、健康な人も40歳を過ぎたら1年に1回は胃がんの定期検診をしましょう。自覚症状のあまりない病気だけに、早期発見・早期治療が頼りです。
●胃がんの後遺症 手術では周囲のリンパ節も切除するため、吐きけ、どうき、めまい、腸閉塞(ちょうへいそく)、視力低下などを起こす例が多い。