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日本の伝統薬
●かぜ薬  ●胃腸薬  ●鎮咳・去たん薬  ●心臓薬  ●肝臓薬  ●滋養強壮薬  ●痔薬  ●婦人薬  ●小児薬  ●傷薬  ●湿布薬  ●目の薬 

 現在市販されている薬のなかには、日本の長い歴史のなかから生まれた伝統薬があります。
 和漢薬とも呼ばれるそれらの薬は、江戸時代から現在に至るまで広く庶民に愛用されてきました。そのうちのいくつかをここで紹介します。
かぜ薬

●改源(かいげん)
 大正13年、神戸で創業。お茶で飲むかぜ薬として売り出されました。お茶に含まれるカフェインを利用して、かぜの諸症状を緩和する薬です。現在一般に市販されているかぜ薬と違い、眠けを誘う抗ヒスタミン剤が配合されていません。
[適応症] かぜの諸症状
[成分] アセトアミノフェン、dl-塩酸メチルエフェドリン、無水カフェイン、甘草末(かんぞうまつ)、桂皮末(けいひまつ)、生姜末(しょうきょうまつ)、甘茶末(あまちゃまつ)、l-メントール、d-ボルネオール、丁字油(ちょうじゆ)、バニリン、無水リン酸水素カルシウム
 製造発売元 (株)カイゲン 大阪市中央区道修町2-5-14 TEL06-202-8971
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胃腸薬

●赤玉神教丸(あかだましんきょうがん)
 製造、販売の記録が万治元年(1658)以来残っているので、それ以前に製剤されていたと推察されます。滋賀県にある多賀神社の神の教えによって作られたとされる健胃剤。
[適応症] 食欲不振、食欲減退、胃部・腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、消化不良、胃弱、食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、胸のつかえ、吐きけ(むかつき、二日酔い、悪酔いのむかつき)、嘔吐(おうと)
[成分] 黄柏末(おうばくまつ)、白朮末(びゃくじゅつまつ)、生姜末(しょうきょうまつ)、胡椒末(こしょうまつ)、ゲンノショウコ末、枳実末(きじつまつ)、ゲンチアナ末、山椒末(さんしょうまつ)、センブリ末
 製造発売元 有川製薬(株) 滋賀県彦根市鳥居本町425 TEL0749-22-2201
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●赤玉千龍丸(あかだませんりゅうがん)
 江戸時代享保のころに製造開始されたとされています。センブリ、ゲンノショウコなどの薬草が豊富な那須で生まれた健胃整腸薬。
[適応症] 下痢、消化不良による下痢、嘔吐(おうと)、水あたり、くだり腹、軟便
[成分] 苦参末(くじんまつ)、ゲンノショウコ末、センブリ末、楊梅皮末(ようばいひまつ)、胡椒末(こしょうまつ)
 製造発売元 (有)有川製薬所 栃木県大田原市佐久山2004 TEL02872-8-0027
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●恵命我神散(けいめいがしんさん)
 屋久島で栽培されている莪朮(がじゅつ)は、インド原産のショウガ科の植物で、この薬の主成分です。とても苦いものですが、殺菌、消炎作用があり、胃腸薬として利用されています。
[適応症] 食欲不振(食欲減退)、胃部・腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、消化不良、胃弱、食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、胸のつかえ、吐きけ(むかつき、二日酔い、悪酔いのむかつき)、嘔吐(おうと)
[成分] 莪朮末(がじゅつまつ)、生姜末(しょうきょうまつ)、真昆布末(まこんぶまつ)、鬱金(うこん)
 製造発売元 (株)恵命堂 東京都中央区新川1-27-8 TEL03-3552-8611
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●陀羅尼助(だらにすけ)
 キハダの樹皮を主成分とした薬です。日本各地で製薬され、独自の薬名がつけられていますが、その発祥は不明です。縄文時代の遺跡から、キハダの樹皮が発掘されていますので、日本人が生み出したものであることは確かです。健胃整腸に最も有効ですが、地方によって、湿疹(しっしん)やリウマチ、傷、かぜ、ただれ目など、さまざまな病気に利用されています。
[適応症] 食欲不振、消化不良、胃弱、食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、胸のつかえ、吐きけ(胃のむかつき、二日酔い、悪酔いのむかつき)
[成分] 石鎚山(いしづちさん)陀羅尼薬(お山のダラスケ)―― 黄柏エキス(おうばくエキス)
 製造発売元 (有)石川健康堂 愛媛県西条市東町336 TEL0897-53-3115
大峯山(おおみねさん)陀羅尼助丸――黄柏エキス、莪朮末(がじゅつまつ)、ゲンノショウコ末
 製造発売元 大峯山陀羅尼助製薬(有) 奈良県吉野郡天川村洞川485-1 TEL07476-4-0849
大師陀羅尼助――黄柏エキス(おうばくエキス)、竜胆(りゅうたん)、アオキ末
 製造発売元 (有)大師陀羅尼製薬 和歌山県伊都郡高野町大学高野山258 TEL0736-56-2244
陀羅尼助――黄柏エキス(おうばくエキス)、アオキ末
 製造発売元 当麻寺中之坊 奈良県北葛城郡当麻町当麻 TEL07454-8-2001
フジイ陀羅尼助――黄柏エキス(おうばくエキス)、センブリ末、ゲンチアナ末、延命草末(えんめいそうまつ)、ゲンノショウコ末、ゲンチアナ末
 製造発売元 (株)藤井利三郎薬房 奈良県吉野郡吉野町吉野山2413 TEL07463-2-3025
ユカワ陀羅尼助丸――黄柏エキス(おうばくエキス)、延命草末(えんめいそうまつ)、ゲンノショウコ末、ゲンチアナ末
 製造発売元 (株)湯川松栄堂 京都市右京区西京極東町50 TEL075-313-0527
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●萬金丹(まんきんたん)
 江戸時代、庶民の間では伊勢神宮への参拝が盛んでしたが、萬金丹は伊勢参りのおみやげとして広まり、今に至っています。1日分ずつ紙に包まれた丸薬です。
[適応症] 食欲不振(食欲減退)、胃部・腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、消化不良、胃弱、食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、胸のつかえ、吐きけ(胃のむかつき、二日酔い、悪酔いのむかつき)、嘔吐(おうと)
[成分] 阿仙薬末(あせんやくまつ)、甘草末(かんぞうまつ)、桂皮末(けいひまつ)、丁字末(ちょうじまつ)、木香末(もっこうまつ)、結合剤
 製造発売元 (有)野間製薬 三重県伊勢市尾上町1-26 TEL0596-28-2534
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●梅肉エキス(ばいにくエキス)
 大正14年に発行されたベストセラー『家庭における実際看護の秘訣(ひけつ)』(通称“赤本”)にあった処方をもとに作られた薬。
[適応症] 大腸カタル、下痢、自家中毒
[成分] 梅の未成熟果実のエキス
 製造発売元 (有)三樹園社築田多吉商店 東京都世田谷区弦巻3-8-7 TEL03-3429-4950
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●正露丸(せいろがん)
 クレオソートが主成分ですが、これはブナの樹液から抽出されるものです。日露戦争のころ生まれたこの薬は、不衛生な戦場の人々の健康に欠かせないものでした。
[適応症] 下痢、消化不良による下痢、食あたり、吐き下し、水あたリ、くだり腹、軟便、虫歯痛
[成分] クレオソート、黄柏末(おうばくまつ)、陳皮末(ちんぴまつ)、阿仙薬末(あせんやくまつ)、甘草末(かんぞうまつ)
 製造発売元 大幸薬品(株) 大阪府吹田市内本町3-34-14 TEL06-382-1021
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●百草丸(ひゃくそうがん)
 薬草の豊富な木曾で生まれたこの薬には、かつては百とまでいかなくてもかなりの数の生薬が配合されていたので、この名がついたとされています。また、百草の意味は、百の薬草ほどの薬効があるからという説もあります。
[適応症] 食べすぎ、胸やけ、胃弱、食欲不振、消化不良、胃部・腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、もたれ、胸のつかえ、吐きけ、嘔吐(おうと)
[成分] 御岳百草丸(おんたけひゃくそうがん)――黄柏エキス(おうばくエキス)、ゲンノショウコ末、白朮末(びゃくじゅつまつ)、センブリ末、厚朴末(こうぼくまつ)
 製造発売元 長野県製薬(株) 長野県木曾郡王滝村此の島100-1 TEL0264-46-3003
日野百草丸(ひのひゃくそうがん)――黄柏エキス(おうばくエキス)、ゲンノショウコ末、白朮末(びゃくじゅつまつ)、莪朮末(がじゅつまつ)、ゲンチアナ末、センブリ末
 製造発売元 日野製薬(株) 長野県木曾郡木祖村藪原1598 TEL0264-36-3311
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●七ふく
 江戸時代には「ひゑくすり」という名前でした。ひゑは冷えのことではなく、性病のことです(大阪の方言)。便秘はさまざまな病気のもとになりますが、性病に特効薬のなかった時代、便秘薬を性病治療薬として売り出したものです。
[適応症] 便秘と、便秘に伴う次の症状――肌荒れ、吹きでもの、食欲不振、頭重、のぼせ、腹部膨満(ふくぶぼうまん)、腸内異常発酵、痔疾(じしつ)
[成分] 黄連(おうれん)、大黄(だいおう)、黄ごん(おうごん)、牽牛子(けんごし)、山帰来(さんきらい)、川きゅう(せんきゅう)、アロエ
 製造発売元 七ふく製薬(株) 大阪市中央区高津2-2-6 TEL06-213-0729
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鎮咳・去たん薬

●龍角散(りゅうかくさん)
 香料として竜骨(りゅうこつ)、鹿角霜(ろくかくそう)、竜脳(りゅうのう)が配合されているためこの名がついたようです。水で飲まず、薬を吸い込むという服用法は、漢方の古典にある吸薬(すいやく)の形態です。明治時代、神田で生まれました。
[適応症] のどの炎症による声がれ、のどの荒れ、のどの不快感、のどの痛み
[成分] 桔梗末(ききょうまつ)、甘草末(かんぞうまつ)、杏仁末(きょうにんまつ)、セネガ末
 製造発売元 (株)龍角散 東京都千代田区東神田1-11-1 TEL03-3866-1177
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●浅田飴(あさだあめ)
 「良薬は口に甘し」の宣伝コピーで、明治20年に売り出されました。当初はニッキだけでしたが、ハッカやパッションフルーツ味のものも開発され、現在最も人気のある薬のひとつです。
[適応症] せき、たん、のどの炎症による声がれ、のどの荒れ、のどの痛み、のどの腫(は)れ
[成分] 人参エキス(にんじんエキス)、吐根エキス(とこんエキス)、桔梗根エキス(ききょうこんエキス)、麻黄エキス(まおうエキス)、葛根エキス(かっこんエキス)
 製造発売元 浅田飴本舗(株)堀内伊太郎商店 東京都千代田区鍛冶町2-6-1 TEL03-3252-5421
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心臓薬

●亀田六神丸(かめたろくしんがん)
 中国で2000年の歴史がある六神丸を、日本流に処方した薬です。明治時代には万病に効果ありとして人気がありましたが、強心作用をもつガマガエルの耳下腺(じかせん)の分泌液や、麝香鹿(じゃこうじか)の雄の分泌腺、熊の胆嚢(たんのう)を調剤するため、品質の維持が課題となっています。
[適応症] めまい、息切れ、気つけ、腹痛、胃腸カタル、食あたり
[成分] 麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)、熊胆(ゆうたん)、蟾そ(せんそ)、人参(にんじん)、竜脳(りゅうのう)、真珠
 製造発売元 (株)亀田利三郎薬舗 京都市下京区五条通室町西入ル TEL075-351-0827
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●救心(きゅうしん)
 天然の生薬を中心にした、心臓を守る薬です。心臓を強化し、心臓病を予防するものです。
[適応症] どうき、息切れ、気つけ
[成分] 蟾そ(せんそ)、牛黄(ごおう)、麝香(じゃこう)、人参(にんじん)、羚羊角末(れいようかくまつ)、動物胆、真珠、竜脳(りゅうのう)
 製造発売元 救心製薬(株) 東京都杉並区和田1-21-7 TEL03-5385-3211
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肝臓薬

●松井熊参丸(まついゆうじんがん)
 通称“くまのい”。富山の薬売りが必ず持っていた肝臓の妙薬です。幕末のころから広く庶民の間で利用されてきました。科学的にも、熊の胆嚢(たんのう)は、胆石症や胃痛に有効であること、竹節人参(ちくせつにんじん)は胃痛や胃潰瘍(いかいよう)、肝臓障害に有効であることが確認されています。
[適応症] 胃弱、食欲不振、飲みすぎ、食べすぎ、胃部・腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、消化不良、胸やけ、胃もたれ、胸つかえ、吐きけ(胃のむかつき、二日酔い、悪酔いのむかつき)、嘔吐(おうと)
[成分] 熊胆(ゆうたん)、竹節人参末(ちくせつにんじんまつ)、稠厚牛胆(ちゅうこうぎゅうたん)、センブリ末
 製造発売元 松井製薬(株) 富山市古鍛冶町7-7 TEL0764-21-6061
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滋養強壮薬

●松寿仙(しょうじゅせん)
 松葉は昔から不老長寿の妙薬として、さまざまなかたちで利用されてきました。科学的にも、松葉に含まれている精油は、心臓強化、血液改善、血圧降下に有効な成分を含んでいることが実証されています。
[適応症] 虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振などのときの滋養強壮
[成分] 人参エキス(にんじんエキス)、熊笹葉葉緑素液、赤松葉エキス
 製造発売元 カポニー産業(株) 東京都新宿区新宿1-29-8 TEL03-3354-0681
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●大人司命丸(おとなしめいがん)
 江戸時代に創製されました。かつては小児薬としてもかなり利用されていましたが、現在は成人に効く純生薬の強壮薬として利用されることが多くなりました。
[適応症] どうき、息切れ、気つけ、ひきつけ、下痢、消化不良、胃腸虚弱
[成分] 人参(にんじん)、沈香(じんこう)、牛黄(ごおう)、牛胆(ぎゅうたん)、サフラン、羚羊角末(れいようかくまつ)
 製造発売元 (株)司命堂製薬所 茨城県水戸市河和田3-2324-7 TEL0292-51-9112
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●混元丹(こんげんたん)
 あめ状のものと、小さな丸い粒の2種類がある滋養強壮薬。どちらも成分、適応症は同じです。
[適応症] 虚弱体質、肉体疲労、食欲不振、胃腸虚弱、病中病後
[成分] 白朮(びゃくじゅつ)、莪朮(がじゅつ)、人参(にんじん)、牛黄(ごおう)、縮砂(しゅくしゃ)、香附子(こうぶし)、茯苓(ぶくりょう)、厚朴(こうぼく)、桔梗(ききょう)、遠志(おんじ)、甘草(かんぞう)、安息酸ナトリウムカフェイン、木香(もっこう)、呉茱萸(ごしゅゆ)、黄耆(おうぎ)、山薬(さんやく)、梅花(ばいか)、天竺黄(てんじくおう)
 製造発売元 中屋商店 金沢市尾山町2-17 TEL0762-21-0118
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痔薬

●恵痔(けいじ)
 痔(じ)を治すためには肛門(こうもん)部分にぬり薬を用いるだけでなく、肛門部分の血行を良好にし、胃腸の調子を整えることが必要である、との考え方から生まれた痔の内服薬。
[適応症] 痔核で排便時に痛みのあるもの
[成分] 秦きゅう(じんきゅう)、沢瀉(たくしゃ)、陳皮(ちんぴ)、柴胡(さいこ)、防風(ぼうふう)、当帰(とうき)、蒼朮(そうじゅつ)、甘草(かんぞう)、黄柏(おうばく)、升麻(しょうま)、大黄(だいおう)、桃仁(とうにん)、紅花(こうか)
 製造発売元 (株)建林松鶴堂 東京都台東区東上野4-3-1 TEL03-3843-3831
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婦人薬

●中将湯(ちゅうじょうとう)
 天平時代、藤原豊成の娘、中将姫が、奈良、榛原の漢方医に伝えた処方を、その漢方医の娘が津村家に嫁いだときに伝えたという婦人薬。昔から庶民に人気のあった薬のひとつです。湯と名がつくとおり、お茶のように湯で振り出したり、煎(せん)じたりして飲みます。
[適応症] 婦人諸病、産前産後の病、血の道症、更年期障害、ヒステリー、神経衰弱などによる月経不順、月経痛、頭痛、肩こり、腹痛、腰痛、下腹・腰・足の引きつりと痛み、冷え込み、のぼせ、めまい、耳鳴り、不眠、嗜眠(しみん)、憂うつ症、熱感、息切れ、どうき、むくみ、感冒(かんぼう)
[成分] 川きゅう(せんきゅう)、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、茯苓(ぶくりょう)、地黄(じおう)、蒼朮(そうじゅつ)、桃仁(とうにん)、香附子(こうぶし)、桂皮(けいひ)、牡丹皮(ぼたんぴ)、黄連(おうれん)、人参(にんじん)、丁字(ちょうじ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、橙皮(とうひ)
 製造発売元 (株)ツムラ 東京都千代田区二番町12-7 TEL03-3221-0001
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●命の母(いのちのはは)
 同じ婦人薬でも、東京の中将湯に対し、命の母は大阪を中心に利用されてきました。やはり湯を加えて飲む薬ですが、就寝前の1回は、煎じて飲みます。
[適応症] 血の道症、頭痛、頭重、肩こり、冷え症、月経不順、下腹・腰痛、めまい、どうき、ヒステリー、こしけ、むくみ、便秘、貧血、更年期を中心とする婦人病
[成分] カノコソウ、芍薬(しゃくやく)、呉茱萸(ごしゅゆ)、桂皮(けいひ)、蒼朮(そうじゅつ)、当帰(とうき)、人参(にんじん)、大黄(だいおう)、半夏(はんげ)、香附子(こうぶし)、川きゅう(せんきゅう)、茯苓(ぶくりょう)、紅花(こうか)、ビタミンB1、塩酸塩、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パールカルク、ビオチン、ソーヤレシチン、パントテン酸カルシウム、アミノエチルスルホン酸、コハク酸dl-α-トコフェロール
 製造発売元 (株)笹岡薬品 大阪市中央区南本町1-7-15 TEL06-266-1230
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●蘇命散(そめいさん)
 全国に同名の薬がいくつかありますが、元祖は奥溪根元蘇命散(おくたにこんげんそめいさん)と福田蘇命散(ふくだそめいさん)の2つであるとされています。
奥溪根元蘇命散――京都で生まれ、現在まで360年以上も歴史をもっています。今でも手作りの婦人薬として広く愛用されています。
[適応症] 頭痛、かぜ、産前産後、血の道症、冷え込み、鼻血、月経不順・子宮痛
[成分] 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、大黄(だいおう)、蒼朮(そうじゅつ)、黄連(おうれん)、甘草(かんぞう)、茯苓(ぶくりょう)、当帰(とうき)、川きゅう(せんきゅう)、檳榔子(びんろうじ)、砂参(しゃじん)、木香(もっこう)、紅花(こうか)
 製造発売元 梅軸軒奥溪以三薬房 京都市上京区天神道上ノ下立売上ル北町573 TEL075-461-1916
福田蘇命散――江戸時代後期、京都の儒医(じゅい)、春鯨によって処方されたというものです。血行を良好にするので、婦人薬として用いられてきましたが、冷え症に、より有効です。
[適応症] 産前産後、子宮病、月経不順、のぼせ、ヒステリー、かぜ、足腰の冷え込み
[成分] 当帰(とうき)、生姜(しょうきょう)、川きゅう(せんきゅう)、香附子(こうぶし)、茯苓(ぶくりょう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、桂皮(けいひ)、甘草(かんぞう)、陳皮(ちんぴ)、木香(もっこう)、白し(びゃくし)
 製造発売元 蘇命散本舗福田精斎薬房 京都市中京区大宮通三条上ル姉大宮町西側79 TEL075-841-2368
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●実母散(じつぼさん)
 江戸時代から現在に至るまで、同名のつく薬が数社から販売されていますが、次の2社が最も古いようです。
千葉実母散――嵯峨御所のお墨付きで、菊花の紋章をパッケージに使用許可されている、伝統ある婦人薬。従来の振り出し薬に加え、さらに入浴剤も発売中です。
[適応症] 更年期障害、血の道症、月経不順、冷え症およびそれに随伴する次の諸症状――月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、どうき、息切れ、手のしびれ、こしけ、血色不良、便秘、むくみ
[成分] 川きゅう(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、丁字(ちょうじ)、竹節人参(ちくせつにんじん)、黄連(おうれん)、茯苓(ぶくりょう)、当帰(とうき)、甘草(かんぞう)、木香(もっこう)、香附子(こうぶし)、大黄(だいおう)、桂皮(けいひ)、川骨(せんこつ)、黄ごん(おうごん)、檳榔子(びんろうじ)
 製造発売元 アサヒビール薬品(株) 東京都中央区京橋1-19-8大野ビル3F TEL03-3563-0611
喜谷実母散(きだにじつぼさん){中橋薪屋薬(なかはしまきやぐすり)}――正徳年間(1711〜1716)に創製された薬です。寛政11年(1799)に書かれた『耳袋』という随筆にすでに喜谷実母散の記述があります。
[適応症] 血の道症、月経不順、月経痛、頭痛、肩こり、めまい
[成分] 甘草(かんぞう)、黄連(おうれん)、丁字(ちょうじ)、黄ごん(おうごん)、白朮(びゃくじゅつ)、桂皮(けいひ)、檳榔子(びんろうじ)、川骨(せんこつ)、木香(もっこう)、川きゅう(せんきゅう)、当帰(とうき)
 製造発売元 (株)キタニ 東京都品川区小山4-1-10 TEL03‐3716-2161
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小児薬

●樋屋奇應丸(ひやきおうがん)
 元和8年(1622)の創業で、長い歴史のある薬です。当初は、小児専門薬ではなく、大人向けの薬だったのですが、粒が小さいので小児にも飲みやすいということから、徐々に小児専門薬になったようです。粒を小さくしたのは、高価な生薬を処方するため、売値が高くならないように考えられたものです。
[適応症] 小児の神経質、かんのむし、夜泣き、かぜひき、かぜの熱、寝冷え、ひきつけ、下痢、消化不良、乳吐き、食欲不振、胃腸虚弱
[成分] 麝香(じゃこう)、人参(にんじん)、熊胆(ゆうたん)、沈香(じんこう)、牛黄(ごおう:金粒)
 製造発売元 樋屋製薬(株) 大阪市北区天満1-4-11 TEL06-351-3031
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●宇津救命丸(うづきゅうめいがん)
 元和年間(1615〜1624)にはすでに販売されていた記録があり、江戸時代から庶民に愛用されていたことがわかります。現在、全国に100以上もの自称「救命丸」がありますが、宇津家が創業です。
[適応症] かんのむし、夜泣き、ひきつけ(神経が過敏だったり、環境の変化から乳幼児がイライラした状態にあるとき)、下痢、消化不良、乳吐き(季節の変わり目、環境の変化で、消化不良を起こしているとき)、胃腸虚弱(生まれつき食が細かったり、胃腸が弱いとき)
[成分] 麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)、羚羊角(れいようかく)、牛胆(ぎゅうたん)、人参(にんじん)、黄連(おうれん)、甘草(かんぞう)、丁字(ちょうじ)
 製造発売元 宇津救命丸製薬(株) 東京都千代田区神田駿河台3-3 TEL03-3291-2661
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傷薬

●吸出し青膏(すいだしあおこう)
 通称「たこの吸出し」としてよく知られています。たこというよりも化膿(かのう)したおできの根を吸い出す作用があります。薬をガーゼなどにぬり、おできの部分にのせ、油紙などで覆い、ばんそう膏(ばんそうこう)でとめておきます。目に入ると毒なので注意します。
[適応症] 化膿性皮膚疾患{かのうせいひふしっかん:癰(よう)、疔(ちょう)、よこね、その他の腫(は)れもの}
[成分] 硫酸銅、サルチル酸、ペルーバルサム、酢酸、植物油、松脂(まつやに)、木蝋(もくろう)、パラフィン、白色ワセリン
 製造発売元 町田製薬(株) 東京都渋谷区笹塚1-35-1 TEL03-3466-2441
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湿布薬

●六一〇ハップ(むとうハップ)
 主に皮膚疾患に用い、使い方は浴剤、塗布剤、湿布剤の3通りあリます。浴剤は、最近人気のある入浴剤とは違い、あくまでも薬用です。
[適応症] 浴剤――あせも、湿疹(しっしん)、みずむし、にきび、ひぜん、ただれ、あかぎれ、しもやけ、荒れ症、疥癬(かいせん)、いんきん、たむし、冷え症、神経痛、痔(じ)、リウマチ、腰痛、肩こり、打ち身、疲労回復、産前産後の冷え症
塗布剤――みずむし、たむし、いんきん、ひぜん、疥癬(かいせん)
湿布剤――神経痛、リウマチ
[成分] イオウ、酸化カルシウム、カゼイン、硫化カリウム
 製造発売元 武藤鉦製薬(株) 名古屋市中区錦1-20-10 TEL052-231-0471
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目の薬

●八ツ目鰻(やつめうなぎ)キモの油(あぶら)
 ヤツメウナギが目にいいことはよく知られていたのですが、入手しにくいため、利用しやすいようにと作られたものです。なかでもヤツメウナギの肝臓にはビタミンAが豊富で、目の疲れなどに有効です。飲み薬として大正時代に発売されて以来、愛用されてきました。
[適応症] 夜盲症、目の乾燥感、妊娠授乳期、病中病後、発育期のビタミンA補給
[成分] ヤツメウナギ製油、ビタミンA油
 製造発売元 八ツ目製薬(株) 東京都台東区浅草1-10-4 TEL03-3841-4391
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