原因
慢性肝炎からなるケースが非常に多い。多量の飲酒も原因に
日本では、胃がん、肺がんについで多く、増加する傾向です。
肝臓がんの患者は、肝炎などほかの肝臓病を合併していることが多いことから、B型・C型ウイルスなどによるウイルス性肝炎との関連が指摘されています。
特に肝硬変を合併している人が多く、全体の80%以上を示しています。慢性肝炎から肝硬変になり、その後肝臓がんに進行する場合がほとんどです。
また、肝臓がんになる人には、毎日大量に酒を飲んできた人もかなりあるので、アルコールとの関係も深いと考えられます。
慢性肝炎の人、1日3合以上の酒を毎日飲む人は、特に定期的ながん検診が必要です。
症状
初期は無症状。進行すると、しこりや腹水がみられる
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、ほとんど自覚症状をあらわしません。
しいていえば、体がだるくなったり、腹痛、食欲不振などがあげられますが、特に肝臓がん特有の症状というわけではありません。
黄疸症状(おうだんしょうじょう)があらわれることもありますが、これはがんが胆管にまで広がった進行がんの場合です。
ここまでくると、肝臓のあたりにしこりを感じる、腹に水がたまる、出血しやすいなどの症状が出てきます。
早期発見・早期治療には、定期検診だけが頼りなのです。
検査
血液検査や超音波診断で初期がんも発見
最近では、肝臓がんは血液を検査するだけで、ある程度の予測がつくようになっています。
がんにおかされた肝臓の細胞は、AFP(α−フェトプロテイン)という特有のたんぱく質をつくり出すので、血液から一定以上のAFPが検出されれば、肝臓がんの疑いが濃いのです。ただAFPは、ほかの病気でも検出されることがあります。
血液検査ではそのほか、肝臓検査でおなじみのGPTという酵素の血中値、肝炎ウイルスに感染している証拠であるHB・C抗原の有無を検査します。
がんを確定し、正確な位置を知るには、一般的には超音波診断法が用いられます。外来で診断でき、苦痛もまったくない方法です。超音波で観察しながら、皮膚の上から肝臓に針を刺して組織をとり出し、生検をすることもできます。
そのほか、動脈を通して造影剤を肝臓内の血管に入れて撮影する血管造影撮影、CT検査、MRIなどの画像検査によって、現在では直径1cm程度のがんも発見できます。
治療
手術以外の新治療法も登場し、治癒率もアップ
肝臓は、8割なくなっても支障のない再生力の強い臓器なので、大きながん組織でも切除することができます。
手術法も進歩し、術中の出血も輸血も少量ですむようになっています。
肝硬変を合併している場合には、体の負担を考え、化学療法や放射線療法を用います。最近では、エタノール注入法や肝動脈塞栓術(かんどうみゃくそくせんじゅつ)などの新しい治療法も発達しています。
エタノール注入法は、高濃度のエタノール(酒の主成分であるエチルアルコール)を患部に直接注入し、がん細胞を死滅させる方法です。
たんぱく質を固め、変性させるエタノールの性質を利用しています。
簡単で安全な方法ですが、いまのところ直径2〜3cm程度の小さながん組織にしか効果はありません。
肝動脈塞栓術は、肝動脈にゼラチンをつめ、がん細胞に栄養がいかないようにする方法です。
肝臓は肝動脈と門脈の2つの栄養経路をもっていますが、がん細胞はほとんど肝動脈から栄養を受けていることを利用したものです。
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