現代医学

病気編 子供の病気
現代医学でなおす
●急性腎炎  ●ネフローゼ症候群

●急性腎炎(急性糸球体腎炎)
 糸球体とは、血液をろ過して尿をつくる、腎臓(じんぞう)の中の毛細血管のかたまりです。この糸球体に炎症が起こった状態が急性腎炎(きゅうせいじんえん)で、10歳以下、特に4〜6歳の幼児に多くみられます。80%以上の確率で治癒(ちゆ)します。
原因 いろいろありますが主なものはβ溶連菌(ベータようれんきん:溶血性連鎖球菌)という細菌が原因となり、これがもとで起こった上気道の炎症が毒素を出し、そこに抗原抗体反応が起こるためと考えられています。
症状 β溶連菌に感染すると、かぜ、扁桃炎(へんとうえん)や咽頭炎(いんとうえん)、しょうこう熱などが起こります。これに続き、1〜3週間で急性腎炎の症状があらわれることがあります。
 体がだるい、食欲減退、尿の量が減って血がまじる、などが主な症状です。顔(特にまぶたのまわり)がむくむのも特徴です。
検査と診断 年に1回の学校検診で、血尿と高血圧、たんぱく尿が出て発見されることがよくあります。
治療 入院させ、安静と食事療法によって回復させます。特別の治療方法はないのが現状です。
 基本的には糖分や脂肪でエネルギーをとり、塩分、たんぱく質、水分、刺激物を制限します。むくみのある間は、特に厳重な食事療法を行います。
 薬は抗生物質や、腎臓の出血を抑えるための止血剤などを与えます。
 退院後は医師の指導に従って生活します。尿検査を行いながら徐々に運動量をふやします。退院後しばらくすれば半日登校、やがて全日登校へと切りかえます。ふつう、6か月〜1年で完治します。

●ネフローゼ症候群
 腎臓のたんぱく濾過機能が低下し、多量のたんぱく質が尿に出て、血液中のたんぱくが減少する病気です。
原因 幼児の場合、リポイドネフローゼという最初から腎臓の病気として起こるものが多いのですが、10歳以上になると、かぜや腎炎、糖尿病などから発症することもあります。
症状 4つの症状がみられます。
[1]むくみ 朝はまぶたを中心に顔が、タ方には足がむくみます。ひどくなると全身がむくみ、胸水や腹水がたまります。
[2]たんぱく尿 尿の量が減り、l日3.5g以上の大量のたんぱくが尿に出ます。
 排尿後、泡が30秒以上消えなかったら要注意です。
[3]低たんぱく血症 肝臓のたんぱくの補給が間に合わず、血液中のたんぱく量が減少します。
[4]高脂血症 たんぱくとともに血中コレステロール値の上昇を防ぐ物質も尿の中に出ていくために、コレステロール、中性脂肪、リン脂質などがふえます。
治療 幼児のリポイドネフローゼの場合、ステロイド剤を投与します。免疫抑制剤としてサイクロフォスファミドという薬を併用することもあります。
生活上の注意 ネフローゼの治療には根気が必要です。食事や運動など、下の表のような生活の制限もあり、薬による副作用もあるため、本人がイライラしたり、滅入ったりすることがあります。家族はこの点の配慮も必要です。
 なお、薬によりウイルスの感染に弱くなるため、人込みは避け、うがいを励行します。
 治療費は公費で負担されます。


ネフローゼ症候群患者の日常生活のポイント
食事 塩分 塩分のとりすぎはむくみにつながるため、医師の指導で制限する。1日の摂取量は3〜5gが目安。
エネルギー ステロイド剤の副作用で太りやすくなるため、食事によるエネルギーの摂取量を減らし、体重がふえないようにする。
たんぱく質 以前は高たんぱくの食事がよいとされたが、現在ではその必要はなく、ふつうの食事でよい。
運動 ステロイド剤の服用中は、激しい運動は禁止。日常の運動量は症状によって異なるので、医師の指導に従う。