現代医学

病気編 子供の病気
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〈コラム〉『心疾患児管理指導のしおり』

 胎内で胎児の心臓がつくられる過程で障害が起き、そのため心臓が完全な状態にでき上がらず、生後支障をきたす病気の総称です。

原因
 心臓がつくられる過程で障害が起こる要素は、はっきりと解明されていませんが、先天的な染色体の異常に伴うもの、妊娠中の感染によるものなどがあげられます。

症状
 先天性心臓病にはいろいろな種類があります。心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症(はいどうみゃくきょうさくしょう)、動脈管開存症、ファロー四徴症(ファローしちょうしょう)などが主なものです。症状で目立つのはチアノーゼです。これは指先、くちびる、または全身が紫色になる症状です。
 重症かどうかはチアノーゼの有無、発育状態などで判断できます。チアノーゼのある先天性心臓病は複雑な異常をもっていることが多く、早いうちに死亡することもあります。
 その他の症状としては、心雑音、哺乳障害(ほにゅうしょうがい)、呼吸障害、食欲不振などがみられます。
 また、泣き声が弱い、体重がふえない、少し動いただけでも汗をびっしょりかく、なども特徴的な症状です。

治療
 先天性心臓病という診断を受けても、食欲があり、順調に発育していれば、特別な治療は必要ありません。
 ただし、食事や運動については専門医の指示に従います。症状が軽くても、必要との判断があれば手術を受けます。
 重症の場合は早期の手術が必要です。
 最近は、早期に手術する傾向にありますが、年少者で体力的に無理があり、根治手術が不可能な場合は、一時的に症状を改善する待機的手術を行い、将来の根治手術に備えます。

生活上の注意
 特に乳児は抵抗力が弱いため、かぜなどの予防には気をくばります。予防接種もできるだけ受けるようにします。
 幼児・学童は、症状が軽ければふつうの運動を行うことができます。重い心臓病をもつ子供はふだんから疲れやすいので、休息を十分とらせましょう。
 また、心臓病の子供が虫歯にかかると、抜歯したときに細菌が体内に入り、合併症を起こすことがあります。ふだんから歯みがきをして虫歯に注意してください。


主な先天性心臓病
心室中隔欠損症 心室の中隔に0.5〜1cmの孔(あな)があき、心室に負担をかけるため、息切れやどうきを起こす。5歳ころまでに自然に閉じ、手術不要の場合もある。
心房中隔欠損症 心房の中隔に2〜3cmの孔があき、血液が右心室と肺をから回りするため、心臓に負担をかける。症状が目立たない場合もある。手術が必要。
肺動脈狭窄症 肺動脈弁、または右心室の出口が狭く、右心室に負担をかける。運動をすると呼吸困難を起こす。早期の手術、治療が必要。
動脈管開存症 生後まもなく閉鎖するはずの肺動脈と大動脈との連絡管が残ってしまうため、下半身のチアノーゼや発育不良を起こす。手術が必要。
ファロー四徴症 心室中隔欠損症、肺動脈狭窄症、大動脈騎乗症、右心室肥大症の症状が出る。指先のチアノーゼや呼吸困難を起こす。手術が必要。