現代医学

病気編 女性の病気
現代医学でなおす
●卵管炎  ●卵巣嚢腫

卵管炎と卵巣嚢腫
卵巣は卵子をつくるとともに、女性ホルモンを分泌する。卵子は卵管の収縮運動によって子宮へと運ばれる

●卵管炎
 卵管に起こる炎症です。
原因 淋菌(りんきん)、ぶどう球菌、連鎖球菌、大腸菌、結核菌などの細菌が感染して起こります。多くは子宮から上がってくるものですが、血管を通ってくるもの(結核菌)や、虫垂炎からくるものもあります。
 卵管は、もともと炎症を起こしやすく、子宮内膜炎や筋層炎が卵管まで広がってしまうケースも多いようです。特に分娩後(ぶんべんご)、流産・早産後、月経時などは菌が侵入しやすいので気をつけましょう。
症状 急性型の場合は、突然38〜39度以上の熱が出て、左右いずれかの下腹部が痛みます。吐きけや寒けを訴えることもあります。急性虫垂炎と症状が似ているため、医師による正確な診断が必要です。
 慢性の場合は、月経や激しい労働をしたときに腰痛が起きたり、下腹部に鈍痛を感じたりします。また、腹部がはる、便秘になるなどの症状が出ますが、熱や激痛はありません。
 子宮内膜炎を合併すると、白っぽいおりものがふえます。卵管炎が悪化して左右の卵管が閉鎖すると、不妊になるおそれがあります。
治療 安静第一で、下腹部の冷湿布も効果があります。医師の指示に従って、鎮痛薬、抗炎症剤やペニシリンなどの抗生物質を使用します。慢性の場合は、超音波療法や卵管の一部を切除する手術も効果があります。

●卵巣嚢腫
 卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)のひとつで、液状でやわらかく弾力性のある腫瘍です。大きさは、ウズラの卵大のものから、人の頭くらいまで大きくなるものまであります。小さいうちはほとんど症状はありません。
原因 原因はまだはっきりとは解明されていません。ただ、左右いずれかの卵巣、あるいは片方の卵巣に、卵巣から分泌される液が自然にたまって嚢胞(のうほう)になるケースが多いようです。
 また、胎盤の組織の疾患や、双胎(ふたご)の場合や、排卵誘発剤による卵巣の肥大などが原因となることもあるようです。
 卵巣は卵子が生成するところなので、いろいろな組織が入り込み、炎症を起こしやすく、さまざまな種類の腫瘍が多く発生します。
症状 嚢腫が小さいときは、自覚症状はほとんどなく、月経異常も起こりません。しかし大きくなると、下腹部が妊娠時のようにふくれ、腫瘤(しゅりゅう)に触れるようになります。また、下腹部の圧迫感、強い痛みを訴える場合もあります。
 さらに嚢腫の茎の部分がねじれて捻転(ねんてん)を起こすこともあり、激しい痛みや吐きけ、嘔吐(おうと)などを起こします。腹水や胸水を伴うこともあります。
検査 内診で卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)を確認しますが、超音波断層撮影を行えば、大きさ、形などが、いっそう正確にわかります。
治療 嚢腫が小さいうちは支障ありませんが、大きくなっていろいろな障害が起きてきたときは、手術によってとり除く必要があります。
 若い女性の場合には、不妊症の原因をつくらないためにも、切除するのはできるだけ小さい部分にとどめます。
 手術そのものは簡単で、10〜14日程度の入院ですみます。