現代医学

病気編 男性性器の病気
現代医学でなおす
●精巣炎  ●精巣上体炎

男性性器のしくみ
男性の性器は、睾丸、副睾丸、精管、精嚢(せいのう)、前立腺、陰茎などからなっている。このうち最も大切なのは睾丸で、ここで精子がつくられ、男性ホルモンも生成される

●精巣炎
 睾丸(こうがん)に炎症が起こる病気です。かつては睾丸炎とよばれていました。
原因 睾丸に化膿菌(かのうきん)が感染して睾丸炎を起こすことはほとんどありません。
 細菌によるものとしては、梅毒による精巣炎(ゴム腫)がありますが、最近ではほとんどみられなくなりました。
 まれに、結核性精巣上体炎が、睾丸に波及することがあります。
精巣炎のほとんどが、流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん:おたふくかぜ)によるもので、そのうち、だいたい20%が急性精巣炎を起こします。この場合は、後遺症として無精子症(男子不妊症の原因のひとつ)になることがあります。
 また、陰嚢(いんのう)を強く打って睾丸を損傷、出血して陰嚢内に血液がたまると、睾丸に炎症が起きます。
症状 流行性耳下腺炎が原因の場合は、にぶい痛みを伴って陰嚢全体が赤く腫(は)れ上がり、熱っぽい感じがします。睾丸自体も大きくなり、ふだんよりもかたくなります。
体全体に寒けと震えの症状が起こり、高熱が出ます。また、激しい圧痛が腹部にまでひびきます。
治療 安静第一です。陰嚢部をつり上げたり、サポーターなどで固定すると、痛みが軽くなります。
 さらに、陰嚢を冷やすことも必要です。しかし、陰嚢の皮膚は弱いので、必ず、氷のうと陰嚢の間に布やタオルをはさんでください。耳下腺炎によるものは安静にして冷湿布を続ければ、10〜20日ほどで治ります。この場合、抗生物質の投与は効果がありません。

●精巣上体炎
 副睾丸部に起こる炎症で、発病の頻度(ひんど)は精巣炎よりもかなり高く、睾丸部が痛くなったときは、最初に精巣上体炎が疑われます。かつては副睾丸炎とよばれていました。
原因 病原菌は、大腸菌、ぶどう球菌、連鎖球菌などの化膿菌(かのうきん)が主なものです。体のほかの場所で化膿を起こした病原菌が血液を通して運ばれ、感染します。また、尿道のほうから細菌が侵入し、精管を伝わって副睾丸に感染を起こすこともあります。
 以前は、淋病(りんびょう)が進行して発病するケースも多かったのですが、最近は少なくなりました。
症状 急性精巣上体炎では、副睾丸自体がかなり大きくなり、ときには鶏卵以上の大きさになることもあります。同時にかたくなり、強い痛みと圧痛が伴います。陰嚢全体も赤くむくんで大きく腫れ、高熱が出て悪寒(おかん)が止まりません。精管炎を合併することがあり、そのときは太もものつけ根から精管に至る部分に痛みが生じ、腫れ上がります。
治療 精巣炎と同様、安静にして陰嚢を固定し、冷湿布を行います。強力な抗生物質を投与すると効果的で、数日から10日ほどで熱が下がって治ります。