現代医学

病気編 骨・関節・筋肉の病気
現代医学でなおす
●骨粗鬆症  ●骨軟化症  ●変形性関節症  ●大腿骨頭壊死
〈コラム〉外反母趾に注意

●骨粗鬆症(骨多孔症)
 骨の主な成分は、カルシウムとリン酸基で、体内のカルシウムの99%は骨にあるといいます。
 新陳代謝も活発で、1年に、骨全体の20〜30%が新しくなります。この新陳代謝に異常が起きて、鉄筋コンクリートでいえば、コンクリートにあたる骨の中のカルシウムの量(骨塩量)と、それが付く鉄筋の役目にあたるタンパク質の両方が減り、骨がもろくなってしまう病気が、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。
原因 カルシウムの摂取不足と運動不足の2つが大きな要因です。
 カルシウムの摂取量が減ると、血液中のカルシウム量を維持するために、骨のカルシウムが失われます。また、カルシウムを十分にとっていても、運動不足だと、吸収や蓄積がうまくいきません。
 骨粗鬆症は老化現象のひとつでもあり、特に閉経後の女性ホルモンの減少で、強く起きます。この本態が最近はっきりしてきて、病気のひとつと考えるようになってきました。
症状 影響が出やすいのは背骨で、腰のだるさや痛みがあったり、腰が曲がったりします。腰痛や背中の痛みも起こります。
 骨が弱くなるので、ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなり、ときには、せきやくしゃみをしただけで骨が折れることもあります。
治療と予防 運動をし、カルシウムの摂取を多くします。運動による刺激が、カルシウムの吸収と蓄積をうながします。また、外での運動は日光を浴びるため、ビタミンDが合成され、進行を阻止します。
 運動量は、散歩にして1日に1時間ぐらいが目安です。好きなスポーツや体操などを工夫しましょう。ふだんから、なるべく歩くことを心がけます。
 カルシウムは、1日600mgが必要ですが、治療や予防のためには、800〜1000mgはとりたいものです。カルシウムを最も吸収しやすい食品は牛乳やチーズなどの乳製品で、最も吸収しにくいのはホウレン草やブロッコリーなどの野菜です。小魚、豆腐、貝類などの吸収の程度は両者の中間といわれています。できるだけいろいろな種類の食品からとるのが理想的です。
 そのほか、カルシウム製剤や活性型ビタミンDの内服、カルシウムを骨につけるホルモンや、女性ホルモンなどの療法もあります。
 以前は、いったん減った骨質は増加しないと考えられていましたが、今では食事療法や薬物療法でふえることがわかっています。

●骨軟化症
 カルシウム不足のために骨がやわらかくなり、変形する病気です。骨の成長期の子供にあらわれるものをくる病といいますが、骨軟化症は大人のくる病といえます。骨粗鬆症と違って、たんぱく質の部分は、減っていません。
原因 ビタミンD不足からくる栄養障害、腎臓(じんぞう)や消化器の病気、ホルモンの異常、妊娠・授乳のためのカルシウムの欠乏などです。
症状 骨が曲がったり、少しの衝撃で骨折しやすくなったりします。骨粗鬆症と同時に起こることもあります。
治療 カルシウムの摂取、日光浴、ビタミンD剤の服用を行います。別の原因があれば、治療します。

正常な股関節と変形を起こした股関節

●変形性関節症
 老化によって関節の軟骨の一部がすり切れ、上下の骨が直接ぶつかるようになる結果、骨が増殖変形した病気です。
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう) 股関節の変形性関節症です。
 先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)の治療を受けたことがあったり、股関節に少し障害のある人に起こることが多い病気です。また、ペルテス病、大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)などでもかかります。
 初期の症状は、スポーツのあとなどに、またからひざにかけて起こる軽い痛みです。進行すると、歩くだけでも痛く、足をひきずるようになります。進行はゆっくりですが、早い人は10歳代から出ます。20〜30歳代で発症する人が多く、50〜60歳代には、はっきりとした症状があらわれます。
 治療の中心は痛みを止めることで、内服薬、ぬり薬、坐薬(ざやく)などを使います。
 牽引(けんいん)、筋力強化運動などの理学療法も行いますが、進行が止められないときは、手術をします。軟骨がすっかりすり減った場合には、手術で人工股関節にすることもあります。手術は危険もなく、機能も十分に回復します。
変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう) ひざの関節が老化したり、変形したことが原因で起こる病気です。
 ひざの関節が腫(は)れ、正座できなくなります。痛みは、歩きはじめるときに感じますが、歩いているうちに楽になります。しかし、歩きすぎるとまた痛くなります。
 中高年の、太っている人によくみられ、片側だけのことも、両側に起こることもあります。
 肥満を解消し、無理な運動を避けて関節の負担を減らすことが大切です。関節は適度に動かす必要があるので、サポーターなどで保護して運動します。

●大腿骨頭壊死
 骨頭部に血液が回らなくなって骨の細胞が死に、骨がつぶれてしまう病気です。骨がつぶれた瞬間に、骨折のときのような痛みが起こります。
 原因は、病気治療のためのステロイド剤の大量投与が3分の1、大量のアルコール摂取が3分の1、残りの3分の1は不明です。
 壊死した骨は再生できないので、骨を曲げて力がかかる部分を変えたり、骨の移植、人工骨頭を入れるなどの手術をして治療します。


●膝・股関節症の人は、ぜひ杖(つえ)を 1本の杖で股関節への荷重が1/4〜1/5に軽減される。関節の負担を軽くするのに必要。