現代医学

病気編 泌尿器の病気
現代医学でなおす
●膀胱結石  ●尿道結石  ●神経性膀胱機能障害  ●尿管開口異常  ●尿道狭窄  ●尿失禁  ●尿浸潤  ●膀胱神経症 
〈コラム〉女性に多くみられる遊走腎

膀胱結石
膀胱結石は、尿管から膀胱に落下したものと、膀胱内でできたものとがある

●膀胱結石
 腎臓(じんぞう)でできた結石、あるいは膀胱(ぼうこう)内でできた結石が外に排出されずにとどまっているものを膀胱結石といいます。
 小さな結石の場合は、尿管、膀胱、尿道を経て、排尿のときに尿といっしょに流れ出ますが、大きめの結石の場合、あるいは尿道に前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)、膀胱頸部硬化症(ぼうこうけいぶこうかしょう)、尿道狭窄(にょうどうきょうさく)といった尿道を狭くしている尿道通過障害の原因となる病気がある場合は、結石は流れ出ずにそのまま膀胱内にとどまってしまいます。
症状 血尿、激しい痛み、排尿異常などの症状があります。排尿異常には、頻尿(ひんにょう)と、排尿中に急に尿が止まる排尿中絶があります。
治療 小さいものなら、尿道から膀胱鏡を挿入してとり出します。自然に排出しそうもない大きな石は、手術でとり除きます。

●尿道結石
 結石が尿道まできて、そこから排出されないでいるのが、尿道結石です。
症状 排尿が困難になります。排尿中絶の症状も起こります。
治療 尿道から尿道鉗子(にょうどうかんし)を入れて、石をとり出します。あるいは、結石を尿道から膀胱へとつき上げ、膀胱鏡で石を砕いて、排出させます。手術で尿道を切開してとり出すこともあります。

●神経性膀胱機能障害
 膀胱の機能を支配する神経の障害から、排尿に異常が出ます。
原因 交通事故などで脳や脊髄(せきずい)に損傷を受けたり、脳出血、脳脊髄腫瘍(のうせきずいしゅよう)などの病気が原因となります。子宮がん、直腸がんなどで手術を受けたときに、膀胱に入る神経が傷つけられて起こることもあります。また、高齢者などにみられる場合もあります。
症状 尿が出にくくなる、もれる、自分の意思とは関係なく尿が出る、などがあります。
治療 泌尿器科あるいは神経内科の医師の診断を受け、薬物療法、手術などの治療をします。

●尿管開口異常
 先天性の尿管の異常で、ふつう、膀胱の後面に開口している尿管が、それ以外のところに開口します。
 腎盂(じんう)や尿管が片方に2つある、二重腎盂や二重尿管という先天異常が原因で、2つのうち、上方に位置する腎盂から出た尿管が、膀胱以外の場所に開口することがあります。
症状 一般に、無症状の場合が多いようです。
治療 膀胱外に開口した尿管を膀胱に移植する方法で治します。

●尿道狭窄
 尿道の内腔(ないくう)が狭いことから、尿が出にくくなる病気です。先天性、外傷性、炎症性の3種類があります。
症状 尿が細くなり、腹圧をかけても尿の勢いがよくならない、排尿障害が起こります。
 尿が膀胱にたまっても排尿できない状態(尿閉)になると、細菌感染を起こして膀胱炎になることもあります。また、ひどい尿道狭窄(にょうどうきょうさく)から、膀胱が広がったり、腎杯(じんぱい)や腎盂に尿がたまって水腎症を引き起こすこともあります。
治療 外尿道口によくみられる先天性のものは、外尿道口切開手術で治療します。外傷性、炎症性の場合は、金属ブジーという機械で、狭窄の部分を広げる方法がとられます。ほかに、内視鏡を使って狭窄部を切除する方法もあります。

●尿失禁
 意思とは関係なく尿がもれてしまう病気です。
 排尿の抑制ができるようになるのは、3〜4歳くらいからですが、この時期を過ぎても尿失禁があるものを遺尿症、夜だけ起こるものを夜尿症といいます。
原因 大人の尿失禁は、前立腺肥大症や結石などの病気、外傷による排尿を支配する神経の障害などが原因で起こります。また、ストレス性失禁といって、くしゃみをしたり、重い物を持ち上げて腹圧が加わったはずみで失禁することもあります。
治療 病気が原因のときは、その病気の治療をします。ストレス性のものは経産婦に多く、軽症なら、排尿中絶の練習{膀胱括約筋(ぼうこうかつやくきん)を閉じさせるために肛門(こうもん)を締める}をすれば治せます。重症のときには手術が必要です。

●尿浸潤
 尿路から、尿がまわりの組織にもれてしまう病気です。尿浸潤(にょうしんじゅん)に感染が加わることもあり、その場合は高熱が出ます。
症状 浸潤は尿路のどこでも起こりますが、多くみられるのは尿道からのものです。尿道からの浸潤は、会陰(えいん)や陰嚢(いんのう)、陰茎などから下腹部にかけての部分の皮膚が赤くなり、むくみや腫(は)れを起こします。さらに感染が起こると、皮下組織から膿性(のうせい)の分泌物が出て、発熱も伴い、敗血症へと進行することもあるので要注意です。
 できるだけ早く、強力な抗生物質を大量に投与し、数か所を切開してうみを出します。

●膀胱神経症
 膀胱そのものや膀胱につながる神経に異常がないのに、尿が近くなる状態をいいます。
 症状があらわれるのは、昼間の起きているときだけで、夜寝ている間には排尿がないことが、この病気の大きな特徴です。
 原因には、心の問題などが影響しているので、薬を飲んでも治りません。専門医とよく相談する必要があります。


●尿路結石の再発を防ぐ食事 カルシウムを減らすよりも、野菜を多く、動物性たんぱく質と塩分を控えてバランスを保つことが肝心。