現代医学

病気編 のどの病気
現代医学でなおす
〈コラム〉声がれを起こす病気

声帯とその周辺
ポリープは、声帯の前3分の1にできやすい

 声帯は、ちょうどのどぼとけの裏側のあたりにある2枚の帯のようなものです。声を出すとき、声帯は閉じた状態になり、それを振動させることによって声が出ます。
 声帯の縁にできたいぼのような突起を、声帯ポリープといいます。
 声帯ポリープは、声をよく使う職業の人に多くみられます。教師、保母、歌手、政治家、アナウンサー、商店や飲食店で働く接客業の人、また、スポーツや遊びなどで大声を出すことの多い人などです。子供によくみられるのはポリープの予備軍的なもので、声帯結節の肥大したものです。男女比では男性のほうに、年齢では30〜40歳代に多くなっています。

原因と症状
 声帯ポリープのできる原因は、大声の出しすぎや、長い間声を使ったための刺激と考えられています。
 ポリープができると、声帯は閉じにくくなり、振動に異常が起きて、声がかすれたり、しわがれ声になったりします。
 痛みはありませんが、異物感を感じることがあります。ポリープが大きくなって危険な状態になっても、呼吸困難は感じないことがあるので、注意してください。

検査
 喉頭(こうとう)に鏡を入れたり、ファイバースコープを使って、喉頭や声帯のようすを見ます。ストロボスコープを使うと、声帯の振動のようすを一瞬ごとに静止させて観察することもできます。
 ポリープとがんはまったく違うもので、ポリープががんに変わることはありません。しかし、がんがポリープのように見えることもあるので、慎重な検査が必要です。

治療
 治療の方法は、ポリープの大きさによって違います。
吸入療法 ごく小さいポリープで初期のものなら、蒸気吸入やネブライザー(薬剤吸入)を行います。同時に声を出さない沈黙療法を行うと効果的です。
手術 ある程度の大きさのあるポリープは、手術で切除します。全身麻酔をして、顕微鏡を使って行います。1週間の入院と、手術後約2週間(職種によってはそれ以上)の安静が必要で、その間は話をせずに沈黙を守らなければなりません。手術の成果は高く、再発はほとんどありません。

予防
 ポリープをつくらないためには、のどにあまり負担をかけないことが第一です。大声を出したり長時間話すことを控え、酒やタバコなどの刺激もできるだけ避けましょう。声をよく使う職業の人は、のどを十分に休ませることも大切です。


声が出るメカニズム 肺から気道を通った空気が喉頭で声帯を振動させる。これが声の音源で、さらに鼻腔(びくう)と口腔(こうくう)で共鳴して声になる。