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現代医学 |
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| 病気編 肝臓の病気 |
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| 現代医学でなおす |
| 〈コラム〉インターフェロンや免疫賦活療法で肝硬変を防ぐ |
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肝シンチグラフィー |
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肝硬変の合併症状 肝硬変のような重い肝臓病にかかると、全身に合併症があらわれる。上のような症状が出て初めて病気に気づくケースもある |
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手掌紅斑 特に親指と小指のつけ根が異常に赤くなる |
原因
肝硬変のほとんどは、ウイルス性肝炎かアルコール性肝障害から移行します。日本では、ウイルスによるものが多くみられます。
ウイルス性肝炎 ウイルス性急性肝炎の一部は治りきらずに慢性肝炎に移行し、さらにその慢性肝炎の一部のものが、徐々に進行して肝硬変に進展します。B型肝炎ウイルスのキャリアーは約10%が慢性肝炎に、そのうちのさらに10%くらいが肝硬変にまで進行します。また、C型肝炎からも肝硬変へ進展しますが、A型肝炎は慢性化することはなく、肝硬変に移行することもありません。
アルコール性肝障害 10年以上にわたって多量の酒を飲みつづけると、アルコール性肝炎が起き、しだいに、肝硬変へと悪化する場合があります。
症状
ほかの肝臓障害と同じく、初期にはほとんど自覚症状がありません。症状があるとしても、食欲がない、おなかがはる、身体がだるい、肌が黒ずんでみえる、といった程度で、肝硬変特有の症状はありません。検査を受けて、初めて肝硬変とわかる場合も多いのです。
しかし進行してくると、次のような症状がよくみられます。
手掌紅斑(しゅしょうこうはん) 手のひらのまわりや指先のふくらんだところに、赤い斑点が出ます。
女性化乳房 女性ホルモンがふえるので、男性でも乳房がふくらみ、女性のようになります。
クモ状血管腫(クモじょうけっかんしゅ) 胸の上部から首すじ、肩、腕のつけ根のあたりに赤い斑点ができます。よく見ると、赤い点を中心に細い血管が浮き上がり、クモの巣状に広がっていす。
黄疸(おうだん) 目の、白目の部分が黄色っぽくなります。皮膚にも同じような症状が出ます。
出血 歯ぐきからの出血や鼻血がみられ、なかなか止まりません。ちょっとしたことで、皮膚からも出血しやすくなります。
むくみ 足にむくみがあらわれ、やがて全身に広がります。
腹水 腹水が徐々にたまり、おなかがはったりふくれたりします。
さらに病状が悪化すると、合併症が起こります。
合併症
食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう) 肝臓が線維化して、血流が滞りがちになると、たまった血液は食道静脈に逆流して、うっ血を起こし、こぶ状にふくれます。このこぶが破裂すると、吐血や下血がみられます。このような場合は、緊急に専門医の治療が必要です。
肝性脳症 肝臓の解毒作用が低下して、有毒物質が体内にたまる場合もあります。有毒物質が脳に作用すると、肝性脳症を起こします。
頭痛、言語障害があらわれ、居眠りをしたり、ひどくなると、昏睡状態(こんすいじょうたい)に陥ることもあります。
昏睡の前には、性格が変わったようになったり、手が鳥のはばたきのようにパタパタ震える、はばたき振戦がみられたりします。
検査
いろいろな検査方法があります。
血液検査では、肝機能の低下のようすがわかり、病状の診断に役立ちます。
肝シンチグラフィーは、放射性のテクネシウムを使う方法で、肝臓の形を画面に映し、形や大きさの変化をとらえます。
超音波検査では、形や大きさのほか、表面の状態もわかります。また、CT検査による断層写真を使うこともあります。
肝臓の表面を内視鏡を使って直接観察する腹腔鏡検査(ふくくうきょうけんさ)、また特殊な針で肝組織を採取する肝生検という検査などが行われることもあります。
治療
肝硬変が発見されたら、それ以上病気を悪化させないことが、治療の最大の目標です。
体を休めること(安静)と食事療法が、療養の基本です。
安静 定期的に検査を受け、検査データと病状に合わせた生活をします。疲労は禁物です。激しい運動や長時間労働は避けましょう。
症状によっては、床につくことが必要です。また場合によっては入院を要することもあります。
食事 高たんぱく、高エネルギーで、ビタミンやミネラルを豊富にとることを心がけます。
食事時間を規則正しくすることも大切です。
また、食事のあと1時間くらい右側を下にして横になると、肝臓への血流がふえ、肝臓の機能を高める効果があります。
アルコール性肝障害が原因の場合は、飲酒が厳禁であることはもちろんですが、ウイルス性肝炎が原因の場合も、禁酒が原則です。
これらの注意を守って療養すれば、多くの場合進行を防ぐことができます。また経過によっては社会復帰も可能です。
●人工肝臓は作れない 肝臓は約500の化学反応を瞬時にこなす。この能力をもつ機器を作るのは、最先端技術を駆使しても不可能。