現代医学

病気編 肝臓の病気 脂肪肝
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アルコール性肝障害の進行
アルコールが原因の肝臓病を、アルコール性肝障害という。肝硬変になると、回復はむずかしい

原因
 肝臓の細胞に、脂肪がたまってしまう病気が脂肪肝です。肝臓が脂肪をとり込みすぎ、トリグリセリドという中性脂肪になって肝細胞にたまると、肝臓は腫(は)れて大きくなり、機能も低下します。
 健康な肝臓は、脂肪の量がわずか3〜5%で、色は赤褐色です。軽度の脂肪肝は脂肪の量が10〜30%、中等度になると30〜50%となります。肝臓の50%以上が脂肪になると、かなり重症の脂肪肝です。重くなるにしたがって肝臓の色は黄色っぽくなっていきます。さらに悪化すると、肝硬変に進んで、肝臓はかたくなってしまいます。
 原因は、肥満、アルコール、糖尿病、薬剤で、そのうちの70%は肥満とアルコールが占めています。
肥満 栄養のとりすぎで余分な脂肪が肝臓にたまって起こります。
アルコール 酒の飲みすぎは摂取エネルギーをふやすだけではなく、アルコール自体も脂肪酸となって肝臓にたまり、やがて中性脂肪になります。
 日本酒で5合、ウイスキーのシングルで10杯以上を毎日飲みつづけると、肝臓病になる可能性がかなり高くなります。
糖尿病 代謝の異常のために脂肪肝を引き起こします。
薬剤 ステロイド剤や抗生物質の長期服用が原因で、脂肪肝になることがあります。

症状
 初期には自覚症状はほとんどありません。また、病気を特定できるほど特徴的な症状もありません。
 進行するにつれて、次のような症状が出てきます。●体がだるい、●疲れやすい、●食欲不振、●肝臓が大きくなったための上腹部の痛み、などです。さらに重くなると、●黄疸(おうだん)、●手のひらの赤み、●首のあたりの血管がクモの巣状に浮き出る、などの症状が出ます。これはかなり重症で、肝硬変に近い状態です。

診断と治療
 腹部をさわると、大きくなった肝臓が触れます。診断は超音波検査が有効です。
 治療は、原因をとり除けばすぐによくなります。
減量 肥満が原因の人は、やせる努力をします。
禁酒 原因がアルコールなら、酒はやめることです。禁酒だけで、しばらくすれば治ります。
食事 脂肪や炭水化物(ご飯やパン、めん類)を減らし、高たんぱくの肉や魚、豆腐を多くとります。 減量のための食事もこれを基本にします。
薬剤の中止 薬が原因であれば、その使用を中止します。
運動 ウイルス性肝炎と違って、脂肪肝では適度な運動も大切なことです。
 この病気は“可逆性”といって、元にもどる性質があるので、日々の節制が必要です。

予防・予後
 予防のための酒量の目安は1日に日本酒なら2〜3合、ウイスキーでシングル5杯以下です。
 完治したあとも禁酒・節酒を心がけ、元のペースにもどさないように。週に1〜2日の禁酒を習慣にしましょう。


●大酒飲みは薬が効かなくなる 肝臓の解毒作用を強める酵素が増加するため、酒に強くなると同時に、薬にも強くなってしまう。